パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

果物類

• キウイフルーツ

キウイフルーツ【英:kiwifruit(キウイフルーツ)、仏:Kiwi(キウィ)】 キウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物の果実で、ニュージーランドで1906年に新しい果樹として誕生した。キウイフルーツの名前は、ニュージーランドのシンボルであるキーウィという鳥にちなんでつけられた。主な生産地はニュージーランドと中国である。 また、日本では愛媛県が国内生産量第一位。そのほかの主な産地は静岡県・香川県で、11月から12月ごろが一番旬。品種によって早いものは9月下旬から市場に出回る。国内で出回っているキウイフルーツには輸入物も多く、1年を通じて手に入りやすい果物でもある。 キウイの種類 キウイフルーツはいくつかの種類があるが、最も一般的なヘイワード種(学名:Actinidia deliciosa)の果実は、卵によく似た形をしていて楕円形である。果実は緑の果実の真ん中あたりが白くなっていて、放射線状に胡麻のような黒い種が並んでいる。果皮にオリーブ色や茶色の細かい毛の繊維がついているのが特徴である。 果皮は食べられないため、種は取り出さずそのまま食べるのが一般的である。味は甘味と酸味が感じられ、果汁が豊富に含まれる。最近は、ゴールドキウイという品種のキウイフルーツも出回っていて、こちらは果肉が黄色く、ヘイワード種のものよりも甘味は強め、酸味が弱い特徴がある。 扱い方 キウイフルーツの皮は、果肉を輪切りにして使う場合は横向きに、くし切りにして使う場合は縦向きに剥くと良い。 また、ヘタ付近に硬い尖った芯があるため、取り除く必要がある。 ケーキの飾りによく使われるキウイフルーツだが、ゼリーに使用するには不向きである。 これは、キウイフルーツにはたんぱく質を分解する酵素「アクチニジン」が含まれており、「アクチニジン」の働きで、ゼラチンが固まりにくくなる性質があるため。 追熟 身が青く、固いキウイフルーツは、りんごと同じ袋に入れて常温保管することで追熟できる。 注意事項 食物アレルギーの原因となる果物なので、厚生労働省の通知によって、「特定原材料に準ずるもの」とされている。キウイフルーツの加工食品には「キウイフルーツ」と表記することが奨励されている。


• オレンジ類

オレンジ【和:アマダイダイ、英:orange(オレンジ)、仏:orange(オラーンジュ)】 オレンジはミカン科ミカン属の常緑小高木、またはその果実を指し、柑橘類に属する。インドのアッサム地方が原産とされており、国内に輸入されるオレンジのほとんどはアメリカ産である。 日本にあるオレンジは バレンシアオレンジ 、 ネーブルオレンジ 、 ブラッドオレンジ に大別される。 オレンジは果皮、果肉共にオレンジ色で果汁が豊富である。香りが高く甘味と酸味を合わせもつ。ジュースの原料としてよく利用される。また肉の料理のソースとしてもよく用いられる。 果皮は砂糖漬けにしてオレンジピールに使われたり、キュラソーの原料としても使われる。果皮と果実の入っている袋の部分がくっついていて離れにくいため、皮を向かずに輪切りやくし切りにしたり、スプーンでくり抜いたりして食べることも多い。 オレンジの種類 バレンシアオレンジ【英:Valencia orange】 最もオーソドックスなオレンジ。「バレンシア」という地名はスペインだが、「バレンシアオレンジ」はアメリカの品種で、日本にもアメリカのカルフォルニア産のものが多く輸入されている。 バレンシアオレンジの旬は夏で、カリフォルニアでは6月から11月にかけて収穫される。 バレンシアオレンジは皮が硬く、ナイフなどで剝かなければ剥けない。全体的に味のバランスがよく、オレンジの中では酸味も多い。果肉もしっかりと締まっていて弾力があり、房取りもしやすい。他のオレンジとの見分け方としては、果頂部に茶色い点があるところが特徴である。 ジュースにしても絞った果汁が劣化しにくく、加熱しても味が安定しているため使いやすい一面もあるが、種が多いものもある。 ネーブルオレンジ【英:Navel-orange】 主にアメリカのカルフォルニアから輸入されていて、12月頃から3月頃までが旬となっている。国内でも和歌山県を中心に大三島ネーブル、白柳ネーブル、吉田ネーブルなどの品種が2月~3月頃出荷されている。 ネーブルオレンジの果実はやや縦長の楕円形をしている。果頂部にへそ状の窪みがあり、これが名前の由来となっている。ネーブルオレンジの果皮は薄くて手で剥くのは難しいため、通常はナイフで皮を剥く。味が濃く、甘みも酸味もとに強く香りもよい。また、バレンシアオレンジとは違い、種もほとんど無い。果肉が底の部分で分化しているため、小さな房になっていて、房取りがしにくくなっている。 果汁が劣化しやすく日持ちしないため扱いにくいのが難点。 ブラッドオレンジ【英:blood orange】 果肉が紅いオレンジの総称を言い、血のように赤いところからこの名がついたと言われている。ブラッドオレンジにはタロッコ種、モロ種、モロ種によく似たサングイネッロ種がある。 アメリカ産モロ種のブラッドオレンジは1月中旬からから5月頃までが旬で、国産のモロ種は4月中旬から6月にかけてが旬である。イタリア産タロッコ種は4月中旬から5月まで、国産タロッコ種は4月中旬から6月下旬までが旬である。国内では愛媛県で多く作られている。 他のオレンジと比べると果実がやや小ぶりで、他のオレンジと同じように果皮にの表面に小さなくぼみが見られる。果肉は、ブラッドオレンジという名の通り、血のような濃赤色をしている。これはアントシアニンの色素によるものだが、柑橘系の中では珍しい。甘味の強いオレンジであるが、オレンジの突然変異種とも考えられている。


• グレープフルーツ

グレープフルーツ【英:grapefruit(グレープフルーツ)、仏:pamplemousse(パンプルムース)】 柑橘類の一種でミカン科ミカン属グレープフルーツ種に属し、亜熱帯を原産とする。ブドウのようにたわわに実るところからグレープフルーツと呼ばれるようになった。グレープフルーツは品種も多く、果肉の色で分類されている。 日本の市場に出回っているグレープフルーツのほとんどは輸入品であり、アメリカ産が7割。アメリカ産グレープフルーツの旬は11月~6月である。6月~11月は南アフリカ産のグレープフルーツが入ってくるため、日本では1年を通じて市場に出回っている。 グレープフルーツは木に成り、果実は10〜15cmほどのソフトボールのような球状で、黄色い色をしている。表面はでこぼこしていて、白やピンクの果実が房に分かれている。 果汁が豊富で、甘味が淡くて酸味が強い。ほろ苦さがあるさっぱりとした味わいが特徴である。 グレープフルーツは、形が丸く整っていて、ハリとつやがあるずっしりと重たいものを選ぶとよい。 果皮がごわついているものは、果実がスカスカになっているものもあるので選ばないようにする。果皮にシミのついたものもあるが、味には影響していない。 ぶどうのようにほかの実と重なって実るため、形がいびつなものはそれだけほかの果実が近くにたくさんあったことを表その分栄養素が十分行き届いていないことがある。 果皮には農薬がついているのでよく洗う必要がある。 グレープフルーツの種類 ホワイトマーシュ ホワイト系の方が酸味が強い。日本でよく見る一般的なグレープフルーツで、果皮は黄色、果肉は白黄色。果汁が多く苦みもあるが、さわやかな味をしている。 ピンクマーシュ いわゆるピンクグレープフルーツ。 果皮はホワイト・マーシュと変わらぬ黄色だが、果肉は薄いピンク色をしている。 生産数が少なく、あまり流通していない。 ルビー、スタールビー 果皮は黄色〜オレンジやピンクのものもあり、果肉は赤みがかった色をしている。 ホワイト種に比べて苦味が少なく、甘みが強く感じられる。 保存方法 風通しの良い冷暗所か冷蔵庫の野菜室に入れておくと1~2週間ぐらいもつ。切ったものはラップで乾燥しないようにして早めに使い切るようにする。 注意点 ゼリーを作る際などにゼラチンを使うと、グレープフルーツの酸が反応しうまくかたまりにくい。ゼリーを作る際にゼラチンを使う場合は果汁の量を減らす、もしくは、ゼラチン以外の凝固剤を使う必要がある。 また、グレープフルーツの果肉に含まれる成分は高血圧治療薬などの特定の医薬品と相互作用し、これらを服用している人には摂取が制限されているので、食用には注意する必要がある。また、風邪薬などにも作用し、効き目が強くなるということがある。


• レモン

レモン【和:檸檬(れもん)、英:Lemon(レモン)、仏:Citron(シトロン)】 レモン(学名: Citrus limon)は、ミカン科ミカン属の常緑低木で果実は柑橘類である。 レモンの出回る時期は秋冬で10月~3月頃だが、輸入のものも多く1年を通じていつでも手に入る。国内での主な産地は広島で、広島だけで国内のレモン生産の半分以上を占める。 楕円形に形が整っていて果皮にハリとツヤ、弾力があるものが良品とされている。その中でも軸の部分が緑色で香りがよく色鮮やかなものがよい。重みがあるもののほうが軽いものより水分がありおいしい。古くなると皮にシワが入ったり、変色したりする。 ビタミンCが多く含まれていて、風邪予防、美容などに効果を発揮する。また、クエン酸も豊富に含まれているため、疲労回復にも役立つ。 保存方法は、常温の場合冷暗所で保存。この場合数日で使い切る必要がある。 さらに長持ちさせたい場合は乾燥を防ぐためポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する。5~6℃くらいの環境で約1ヶ月ほど保つ。カットしたレモンは早めに使い切るようにした方がいいが、保存するときは切り口をラップで包んで冷蔵庫へ入れて保存する。 レモンピール(加工品) 製菓でよく使われるレモンの使用法として、レモンの皮を砂糖で煮つけて、上からグラニュー糖をまぶしたレモンピールがある。生ケーキなどの洋菓子にも使用されることが多い。


• ライム

ライム【英:Lime(ライム)、仏:citoron vert(シトロン ヴェール)】 ライムは柑橘類の一種で、熱帯地域を原産とする低木、もしくはその果実を指す。インドやミャンマー、マレーシア一帯が原産地である。 ライムのおおよその旬は9〜12月頃だが、輸入品も販売されているため、一年通して手に入る。日本ではメキシコ産のものが多く輸入されている。国内の生産地は、愛媛・香川などが中心。 ライムの果実は6〜8㎝ほどで、形はレモンに似ているが、レモンより丸く大きさも小さく、果皮の厚さも薄い。果皮の色は緑がかった黄緑色である。味はレモンと同様に酸っぱいが、苦味に似たライム独特の風味がある。 完熟すると果皮が黄色くなるがライム特有の酸味がなくなるため、緑の時が食べ頃である。表面につやがあり、持った時に重みや弾力の感じるものを選ぶと皮が薄く果汁が多い。 ライムの種類 メキシコから輸入されているライムには2種類の大きさがあり、レモンよりやや小さいタヒチライム(またはペルシャライム)と、それよりも小さいメキシカンライム(またはキーライム)がある。通常タヒチライム・ペルシャライムには種子がない。 また、これらは酸味の強い「酸果ライム」とされるが、酸味の少ない「甘果ライム(スイートライム)」もある。こちらの大きさもレモンよりやや小さめ。 保存方法 ライムの保存は室温で約1週間、冷蔵庫に入れると約1か月持つ。その際は乾燥しないようビニールやポリの袋に入れる。一度切ったものも冷蔵庫で保存するとよいが、なるべく早く使い切るようにする。長時間の保存が必要な場合は、絞った果汁だけを冷凍するか、スライスして1枚ずつラップで挟み乾燥しないようにして冷凍すると持ちがいい。また、ライムを絞るときはくし形(縦方向)に切るほうが横方向に切るよりたくさん果汁を絞ることができる。


• いちご

いちご【和:苺、英:strawberry、仏:fraises(フレーズ)】 いちご(学名:Fragaria)は、バラ科の多年草で、種のように見える赤い粒の部分が果実として食べられる。いちごは甘味があるので果物として分類されがちだが、果物は果樹を指すため、いちごは分類としては野菜と位置付けられている。 いちごのおおよその旬は4月~5月頃であるが、夏から秋に実る夏いちごと呼ばれるいちごもある。また、クリスマスシーズンに合わせて11月頃から出回るいちごもあり、これはクリスマスに合わせていちご需要が増えるところから、ハウス栽培の技術を生かして現在では11月ごろから出回るようになった。 いちごは果実には種子がたくさんついていて、種子を取ることなく食べるのが一般的である。甘味と酸味がバランスよくあり、果汁も豊富。 おいしいいちごの見分け方としては、いちご全体が均等に赤く色づいている、果実がみずみずしくつやがある、種のつぶつぶの部位がくっきりとしている、ヘタが鮮やかな緑色をしているものを選ぶといい。最近では白いちごなど果皮と果肉が白いものも出回っている。 いちごの扱い いちごの果肉は柔らかくデリケートで、洗う時の水圧だけでも傷んでしまうため、扱いには注意が必要である。特に長距離運送を行うときは傷みやすくなる。洗う際にはヘタを付けたまま洗うようにするとよい。ヘタを取ってから洗うと、ビタミンCが流出し、味も水っぽくなる。ヘタを取ったり、水で洗うと傷みが進むため、保存するとは何も処理をせずに冷蔵庫で保存し、2〜3日の間に食べきるようにする。 →いちご(国産)の種類 アメリカ産いちご アメリカ産いちごの主な輸入時期は、国産いちごが品薄になる5月~11月頃である。輸入先はアメリカのカルフォルニア産である。アメリカ産いちごは、果実が赤く円錐形で、くぼみが浅く、種子の粒がザラザラとして表面に飛び出ているのが特徴である。国産いちごと見分けがつかないほど完成度の高いものも多いが、形がふぞろいなものもあり、状況によってさまざまである。値段によっては形に均一性がなかったり、甘みがあまり感じられないものもあるが、年々アメリカいちごの質も向上しているそう。 いちごのショートケーキの需要は一年中高いため、洋菓子店でも一年を通じていちごの需要があり、安定したいちごが供給が望まれている。 夏に果実がなる夏いちごは四季成り性と呼ばれるもので、糖度が低く酸味が強い上に価格が跳ね上がるため、スーパーに並ぶことはない。菓子企業やメーカー向けには販売されるが、生産数の少なさや値段の高さから、夏場はアメリカ産いちごを輸入して使うお店も多い。 アメリカ産いちごの扱い方 アメリカ産いちごも国産いちごと同様、表皮が弱く、洗うとすぐに傷む。が、農薬や泥が付着しているものが多いため、水で洗うことはほぼ必須。洗わない場合は殺菌した布きんでひとつずつ拭く。その後食品用のアルコールで消毒して保存するが、傷みが早いため、早めに使用するようにする。 食品用の殺菌消毒剤を使い消毒後、水で軽く洗ってもよい。 また、アメリカいちごには固い芯があるため、使う際はヘタと一緒に芯をナイフで取り除く必要がある。 値段の変化 いちごの相場の移り変わりは時によって様々だが、日照りの影響で不作になった時はもちろん、12月~2月頃の、中でもクリスマスシーズンに値段が高くなる傾向がある。逆にいちごの旬である春先から5月頃は値段が安くなる。需要が増えるシーズンには平常の値段から1.5倍から2倍ぐらいにもはねあがる。また、夏場のいちごが品薄な時期もいちごの価格は高騰し、アメリカ産いちごでも国産いちごの安い時期に比べるとおおよそ1.5倍ぐらい値上がりする。品種によってもかなり価格差があり、安いものは相場は1パック300円ぐらいだが、高いものだと1000円以上することもある。


• いちごの品種(国産)

あまおう®(福岡S6号) 「あまおう」の主な産地は福岡県で、2月から5月頃まで市場に出回る。 「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字から名付けられている。 「あまおう」はほかのいちごに比べてサイズが大きく丸みのあるフォルムで、大粒で重みのあるところが特徴である。甘味が強く、味が濃いため、人気の高いいちご。 おいしい「あまおう」を見分けるには、紅色の濃いものを選ぶとよい。色が黒っぽい紅色だったり、紅が濃すぎるものは鮮度が落ちているため、色の黒いものは使用を避けるようにする。細いものよりころんとした形の丸いものの方が風味がよい。水分が非常に多いため、一度切ってしまうとかなりしなびやすくなるので注意が必要。 とちおとめ 「とちおとめ」の主な産地は栃木県で、11月頃に出始め、6月頃まで市場に出回る。 「とちおとめ」は東日本のシェア1位を誇る品種で、糖度が高く甘さが強い点が特徴である。比較的大粒のものが多く、果汁が豊富で糖度も高い。 おいしい「とちおとめ」を見分けるには鮮やかな赤色を選ぶようにするとよい。見た目は大粒のほうが良品とされるが、大粒も小粒も味には大きな違いがなく、どちらも甘く果汁が多い。 果肉の色が淡いため、断面がきれいに見えるので、断面を見せる製品に向いている。 紅ほっぺ 「紅ほっぺ」の主な生産地は静岡県で、12月~5月頃まで市場に出回る。 「紅ほっぺ」の特徴は、その名の通り、果皮や果肉が美しい紅色をしているところにある。また、おいしさにほっぺが落ちるということも表している。長い円錐形で、大粒のものが多い。やや強い酸味がある。 おいしい「紅ほっぺ」を見分けるには、香りのいいものを選ぶようにする。長い円錐形が標準的な形である。 色が薄すぎず、濃すぎないものを選ぶとよい。果肉の色が濃いので、ジャムにすると果肉の赤さが映えてきれいな仕上がりとなる。 さちのか 「さちのか」は長崎県や佐賀県、千葉県などが主な生産地で、12月頃から店頭に並びはじめ、2月から3月頃がもっとも出荷が多く、5月頃まで市場に出回る。 「さちのか」は甘味と酸味のバランスの優れたいちごで、広く栽培され、スーパーなどでも販売が行われているため、知名度の高い品種である。サイズは大粒で、円錐形の濃い赤色をしている。光沢があり果肉は固いため比較的傷みにくく、運搬もしやすい。果肉や中心部は淡い赤色をしている。 おいしい「さちのか」の見分けるには、色の濃く・甘い香りのするものを選ぶとよい。鮮度が落ちているものは黒っぽくなっているので使用は避ける。 さがほのか 「さがほのか」の主な生産地は佐賀県で、12月頃から店頭に並び、3月頃もっとも出荷が多くなり、5月下旬頃まで市場に出回る。 「さがほのか」は酸味が控えめで甘味が強く、果汁が多めである。光沢のある紅色の果皮と白い果肉のコントラストが美しいところも特徴である。円錐形で大粒のものが多い。 おいしい「さがほのか」を見分けるには、全体的に鮮やかな紅色のものを選び、つやがないものや色の薄いもの、黒っぽいものは選ばないようにする。鮮度の高いものは香りが立つので、香りのいいものを選ぶとよい。 「さがほのか」は香りが強いいちごなので、いちご風味を強く出したいケーキなどに使うと良い。


• カシス

カシス【和:黒すぐり、英:Black Currant、仏:Cassis】 カシスはユキノシタ科スグリ属に分類される高さ約1~2mの落葉の低木である。日本語では黒房すぐり(黒すぐり)と呼ばれている。カシスは山奥に自生していたといわれており、古代から食用にされてきた。 主なカシスの産地はポーランドで、世界全体の収穫高の約半分を占めるだけでなく、輸出高でも世界最大である。日本でも青森を中心に栽培されている。収穫時期は北半球では7~8月、南半球では1~2月である。 ベリー類の1種で、直径1cmほどの赤黒い果実をつける。カシスの果肉はうす緑色で食べると甘酸っぱい。独特のえぐみがあり、日本ではリキュールやデザートなどにも多く利用されている。また、カシスの葉や茎は強烈なにおいがあり、葉芽から抽出した精油が香水などのアクセントとして使われることもある。


• グロゼイユ(赤すぐり)

グロゼイユ【和:赤すぐり、仏:groseille、英:red currant (レッドカラント)】 グロゼイユはスグリ科スグリ属の低木になる果実で、房状に実がなるところからフサスグリとも呼ばれている。ヨーロッパが原産である。ヨーロッパでは古くからジャムや果実酒、料理など食用されてきた。 グロゼイユはヨーロッパではよく栽培されているが、日本国内では長野県で少し作られているだけで一般には市場にほとんど出回らず、業者と契約している企業や店舗のみが購入できる。生のものは夏はアメリカやカナダ、冬はニュージーランドやチリから輸入され、一年を通じて手に入れることは可能である。また、冷凍されたものも多く、フランスなどのヨーロッパから輸入されている。 グロゼイユは直径5~10mmほどの球状の実をつけ、果頂部にはガクが残り、房のようにたくさんの実が成る。通常は実は赤いが、白い実のホワイトカラントもある。酸味が強いため、そのまま食べるより砂糖などを加えて加工して使われることの方が多い。


• ぶどう類

ぶどう【和:葡萄、英:grapes、仏:Raisin】 ブドウ科ブドウ属で、世界で最も古く、最も多く栽培されている果物。 旬は8月から10月ごとで、品種はヨーロッパ種やアメリカ種、それらの雑種の3種類である。 皮の色で黒ブドウ・青ブドウ・赤ブドウに分けられる。 果実の甘みは主にぶどう糖や果糖によもので、ビタミンやミネラルは少なく、タンニンを含んでいるので渋みが感じられることもある。 洗う際は、茎をしっかりと持ち、流水でよく振り洗いする。 種無しぶどう 種無しぶどうは、植物ホルモンであるジベレリン液に一房ずつ浸すという作業を経て作られたもの。ジベレリン液に浸すことで、受粉なしで種を作らずに実を生らすことができる。この処理は満開期前と後の二度に渡って行われる。(※品種によって異なる)一度目で種を作らずに果粒を生らし、二度目を行うことで果粒を成長させ、育てる。非常に手間をかけて作られたものである。 ぶどうの代表的な品種 巨峰【別名:石原センテニアル】 ブドウ科ブドウ属で、旬は8月から9月ごろ。 果皮は濃い紫黒色で、果肉は淡い緑色。しまりがある果肉で、甘みが強く果汁も豊富である。 ピオーネ【 英:Pione、伊:Pione】 ブドウ科ブドウ属で、旬は8月から10月初旬ごろ。種無しのものをニューピオーネという。 巨峰の血を受け継いだ品種で、皮は紫黒色をしており、粒は巨峰よりもやや大きめ。 爽快な香気があり風味が良く、糖度も16度以上になり、とても甘く、果汁多い。 果皮は硬いので剥いて食用にすると良い。皮を剥く際は、粒の先端に薄く十字の切り込みをいれ、果頂部から剥くと綺麗に剥きやすい。 レッドグローブ【英:Red Globe】 ブドウ科ブドウ属で、国内ではカリフォルニア産のものが10月から11月ごろ、チリ産のものが12月から翌年6月まで出回る。ちょうど国産のぶどうが少ない時期に輸入される。 皮ごと食べることができ、味はくどさがなく、適度な甘さがある。 他のぶどう類に比べて皮が薄く手では皮が剥けないため、湯むきで剥く必要がある。 シャインマスカット ブドウ科ブドウ属で、8月中旬から10月初旬がしゅんと生る。 マスカット特有の清涼感のある香りがあり、糖度が高く、皮ごと食べられる。 粒は非常に大きく色は黄緑色をしている。 デラウェア ブドウ科ブドウ属で、旬は7月から8月ごろ。種無しぶどうの中でも特に定番の品種である。 小粒で強い甘味とほど良い酸味がある。皮と中身が分けやすく指で押せばきれいに取れる。 皮を剥いた後は色が茶変しやすいので、剥いて使用する場合は気をつける。


• もも

もも【和:桃(もも)、英:peach(ピーチ)、仏:Pêche(ペッシュ)】 バラ科モモ属の落葉小高木、またはその果実のことを指す。 桃のおおよその旬は夏で、7月から8月に実る。球形で縦に割れ目があるのが特徴的。果肉は水分が多く含まれていて甘く、赤みがかった白色の薄い皮に包まれている。柔らかいため傷みやすく、賞味期間も短い。生食はもちろん、ジュースやシロップ漬けの缶詰などがよく見られる。 桃は固い桃と柔らかい桃で保温方法が異なる。常温に置いておくことで、桃は柔らかくなる性質があるため、固い桃を早く柔らかくしたいときには常温で置いておくとよい。一方、もう十分柔らかい桃は新聞紙などで包んで、日陰や冷暗所の涼しいところで保管することで、熟すのを遅らせることができる。エアコンや扇風機のあるところで保管すると、桃が乾燥して水分が奪われる恐れがある。冷蔵庫で冷やすと甘みが半減するので、食べる直前まで冷蔵庫には入れないほうがよい。 多くの桃にはうぶ毛が生えているが、うぶ毛がない種類の桃は「ネクタリン」として分類される。この種類の桃は通常の桃より酸味が強い。 剥き方 表皮を覆っているうぶ毛を洗って落とす。完熟しているももは皮が身から剥がれやすく、簡単に皮を取り除くことができる。果頂部から枝付きの方向に繊維が走っているため、枝付き側から剥くと果肉が毛羽立ってしまう。皮を剥く際は、果頂部から剥くと果肉面がなめらかになる。 桃の種類 白桃 見た目は白っぽい桃で白肉種と呼ばれており、おもに生食用として販売されている。果汁が多く、ジューシーな味わい。果樹の女王と呼ばれていて、甘みのある味わいが特徴的である。 白桃は特に品傷みが激しいため、手で持つ際には、手の平で持って指で押さないようにする。 黄桃 黄桃は果肉が黄色い桃で黄肉種と呼ばれ、主にシロップ漬けにされた缶詰として加工されることが多い。 やや固めの桃なので、生食には向かないとされてきたが、近年は黄金桃やゴールデンピーチなど、品種改良によって生食用の黄桃も出回るようになってきている。


• すもも

プルーンとプラムはフランスでは同じものを指すが、日本での意味はそれぞれやや違っている。 日本では、果皮が赤いものがプラム、濃い紫色のものがプルーンであり、プラム=すももとされることが多い。 プラム【和:すもも、英:plum(プラム)、仏:prune(プリュンヌ)】 プラムはバラ科サクラ属の落葉小高木、また、その果実のことをいう。漢字では「李」とも書かれる。桃に比べて酸味が強いところから、日本では「すもも」という名がついたともいわれている。地域によっては、ハダンキョウあるいはハタンキョウ(巴旦杏)と呼ばれている。英語では"Asian plum","Japanese plum"などとも呼ばれる。古くから日本にあり、栽培されているものもあれば、自生しているものもある。 プラムは真夏の果実といわれていて、6月中旬から8月に市場に出回る。 ハウス栽培のものは5月中旬から出回る。 全体的に丸く赤みを帯び、桃のように縦に切れ込みが入っている。味は甘みの中に酸味があるさわやかな味で、果汁も多い。皮には特に酸味があり、栄養価も多いので、皮ごと食べることができる。 果肉は赤みのあるオレンジ色で、まるで桃のようだが、桃よりは酸味が強い。中には桃のような大きな種が1つ入っている。果肉の甘みと果皮の酸味のバランスがよく、果汁も豊富で、さっぱりとした味わいは夏の果物として人気がある。 形が左右対称になっている、ずっしりと重みを感じるハリのあるものが品質がよい。表面に白い粉を吹いているものがあるが、これはブルームといわれ鮮度の良いものの証でもある。熟すにつれて、プラムの甘い香りが立つので、香りのいいものを選ぶとよい。 タルトやケーキのトッピングはもちろんのこと、加熱してコンポートやジャム、ピューレにしてシャーベットやスムージー等に利用できる。 保存方法 保存方法は新聞紙などにくるんで乾燥しないようにして冷蔵庫で保存する。未熟なものは常温で放置して奥だけで室温で追熟する。 プルーン【英:prune(プラム)、仏:prune(プリュンヌ)】 プルーンはバラ科サクラ属西洋すももの果実の総称をいう。日本では西洋すもものことを指し、プラムとよく似ているが果皮も赤ではなく、濃い紫のブルーベリーに近い色をしている。 プルーンの生産は長野県が約7割に上る。プルーンは雨に弱く、雨が少ない場所でしか育たない。 旬は8月中旬から9月頃までで、実際には7月中旬から10月中旬頃まで市場に出回る。 プルーンの果皮もプラムと同様、ブルームが多くあるものが品質のよいもので、中には真っ白に思えるほど白い粉を拭く品種もある。 軸がついているものは軸が緑色のものの方が新しい。 もともとプルーンは皮が裂けやすい特徴があるため、ブルームは果実を保護する役割もある。 プルーンは皮が裂けやすい特徴があるため、未熟なまま収穫して収穫後追熟させて出荷するのが一般的である。市場には未熟なままで並ぶものも多い。また、表面が全体にしっかりと色付いていて、果実に張りがあり、硬すぎず少し弾力があるくらいのものを選ぶとよい。 プルーンはドライフルーツになっているものも多くみられるが、国産のプルーンは甘味も強く、生食に向いた品種が中心に作られているため、そのまま生で食べることもできる。また、果皮にはポリフェノールが多く含まれているため、皮ごと食べるといいとされている。プルーンはジャムやピューレ、シャーベットなどされることも多い。 保存方法 固く未熟な物は室温で追熟させる必要がある。冷蔵庫に入れるときは乾燥しないように紙かビニールに入れて保存する。冷凍庫でも保存できるため、水洗いしてから皮ごと冷凍するとよい。食べるときは、凍ったままでも、水にさらしておけば果皮がむきやすくなるが、栄養価が高いため、皮ごと食べるのも良い。


• アプリコット

アプリコット【和:杏子、英:Apricot、仏:Abricot】 アプリコットはバラ科サクラ亜目サクラ属。日本ではあんずのことを指し、中国で紀元前3000年前から薬用として使われていたといわれている。 旬は6月下旬~7月中旬で、主な産地は長野県である。冷涼な気候で育つため、りんごの生産地の分布と一致している。長野県と青森県で全国の約98%を生産している。 アプリコットはももとよく似ていて縦に切れ込みが入っており、果皮の色は黄色や橙色である。熟すと濃い橙色になる。日光が当たっていた部分がより赤く色づく。品種にもよるが大きさはおおよそ梅やすももぐらいの大きさで、桃のように果皮に産毛は生えていない。 アプリコットの中には大きな種が1つあり、杏仁(きょうにん)と呼ばれ、昔から薬として利用されていた。この種は色々と食品に活用されていて、アマレットというリキュールもこの種から作られている。 ドライフルーツになることも多く、世界各地で作られている。タルトやショートケーキなどのトッピングに使ったり、コンポートやジャムにも利用することができる。ピューレにした場合も色味が安定しているため、シャーベットやソースなどでも使い勝手がよい。 またアプリコットはペクチンが含まれているため、アプリコットジャムがナパージュとしてつやだしに使われることもある。 保存方法 アプリコットはあまり日持ちがしないため、早めに使うようにする。保存するときは冷蔵庫で乾燥しないようにラップか袋で包んで入れるようにするとよい。ピューレにしたものは冷凍して保存することもできる。


• フランボワーズ

フランボワーズ【和:木苺(きいちご)、英:raspberry(ラズベリー)、仏:frambose(フランボワーズ)、伊:lampone(ランポーネ)】 フランボワーズはバラ科キイチゴ属で木苺の一種。和名でもある木苺の品種には、日本ではニガイチゴ(野いちご)などがある。黒や紫色のもの(ブラックベリーなど)もあるが、フランボワーズは主に赤いものを指す。小さな粒状の果実が集まって、丸みを帯びた形をしており、サイズは1〜2cmくらいが主流。甘酸っぱく、新鮮なものは香りが良い。 市場に出回っているものはアメリカ産のものが中心で、他にはニュージーランドやヨーロッパ産のものが流通している。また、ロシアでも多く生産されている。国外から輸入されたフレッシュのフランボワーズには旬はなく、通年出回っているが、国産のものは6月〜9月頃までが旬である。 国内での主な産地は、北海道・長野県など。国内での生産数は少なく、市場に出回ることはほとんどない。輸入物も同じく、フレッシュのフランボワーズは、スーパーなどで一般消費者向けに棚に並ぶことが少ない。 生食だけでなく、ジャムやソースにして利用されることも多い。フレッシュ以外にもIQF(個別瞬間冷凍)のものなどが輸入されているが、フレッシュのものと比べると酸味が強い。 主にヨーロッパやロシアで親しまれ、日常的に食べられている果物。 洋菓子の中でも、特にフランス菓子には欠かせない食材として親しまれている。 保存方法 日持ちがしない。輸入物も2〜3日経てば傷んで身崩れを起こしたり、カビが繁殖したりするため、特に夏場の管理には注意する。


• ブラックベリー

ブラックベリー【英:blackberry(ブラックベリー)、仏:Mûre(ミュール)】 ブラックベリーは、バラ科キイチゴ属で木苺の仲間である。原産は米国中部で、ラズベリーとよく似た果物である。フランスではミュールという名前で売られているが、本来ミュールとは桑の実【英:Mulberry(マルベリー)】のことであり、ブラックベリーとは別物。だが、フランスでは見た目が似ているところから外来果実として同じ名前で扱われている。 ブラックベリーはアメリカからの輸入物も多く、一年を通じて比較的手に入りやすい。国産の物は7月〜8月頃が旬である。 ブラックベリーの形はラズベリーに似ており、種を包んだ小さな粒がたくさん集まって一つの実になった形状をしている。ラズベリーが赤色なのに対して、ブラックベリーは黒い色をしている。ラズベリーと違って、ブラックベリーは芯の部分を残したまま採れるので、甘酸っぱい味の中にその部分の渋みや苦味が残っているところが特徴である。


• ブルーベリー

ブルーベリー【英:Blueberry、仏:Myrtille】 ツツジ科スノキ属の果実で、別名ヌマスノキ、アメリカスノキなどと呼ばれることもある。 おおよその旬は6月から8月ごろで、色は濃い青紫色をしている。 上品な甘さで甘味と酸味のバランスがよく、他の果実にはない独特の風味をもつ。 皮を剥いたり、種を取り出したりすることもなく丸ごと食べられるのも特徴。


• ココナッツ

ココナッツ【英:coconut、仏:Noix de coco(ノワドココ)】 ヤシ科ココヤシ属で、椰子の実やココヤシとも呼ばれる。 旬は3月から5月ごろ。 繊維質の厚い殻に包まれ、その中に固い殻に包まれた種子がある。 種子の内部に大きな胚乳があり、それを削りとって乾燥させたものをコプラという。 洋菓子で使うココナッツは、このコプラを細かくしたもの。 乾燥させてそのまま使用しても良いが、ローストするとより香りが強くなりいろんな用途で使用できる。


• バナナ

バナナ【英:Banana(バナナ)、仏:Banane(バナヌ)】 バナナはバショウ科バショウ属の草本になる実の総称で、南アジアの熱帯地方が原産である。種類は多く、数百種類もあり、その中の3分の2は生食で食べられるが、3分の1は調理しないと食べることがきない。 国内で出回っているバナナのほとんどが輸入物であり、90%はフィリピン産のものである。1年を通じて安定して手に入れることができる。国産バナナである沖縄や奄美大島、石垣島などの島バナナの旬は7月から9月で、早いものは5月下旬となり、10月頃まで市場に出回る。 バナナは細長い形状をしていて房になっている。黄色い果皮に包まれているが、手で簡単に剥くことができる。中は白い果肉で果汁はなく、甘味が強い。 日本に輸入されるバナナは害虫の侵入を防ぐため、青い未熟な状態で輸入される。市場に出回っているものは日本で追熟させて黄色くなったものである。 選ぶ時は全体に黄色く色付いている物を選ぶようにする。青色の物は全てが黄色く追熟するわけではない。国産のバナナは熟してから収穫できるため、輸入バナナよりも甘味が強い。 バナナを追熟するときの最適温度は15℃前後で、13℃以下では追熟せず、低温障害で果皮が黒く変色する。また、追熟すると、黄色の果皮の表面に黒い斑点が出ることがあるが、これはシュガーポットといい、熟して食べごろというサインでもある。 また、バナナは向いたまま置いておくと黒っぽく変色してしまう。 これは、りんごの褐変と同じく、果肉に含まれるポリフェノール類が酸素と触れることで変質してしまうため。 変色を防ぐためには、レモン汁にくぐらせると良い。 保存方法 バナナは冷蔵庫で行うと低温障害で真っ黒になり傷むため常温で保管する。 または新聞紙に包んで冷暗所で保存する。 重みがかかった部分が傷んでくるので、接地面が少なくなるよう山形になるようにおくと傷みが防げる。 バナナツリーなどのスタンドを使うのもひとつの方法である。


• イチジク

イチジク【和:無花果、英:Fig、仏:Figue】 イチジクはイラクサ目クワ科イチジク属の落葉樹木で、西アジア、アラビア南部が原産である。通常食べている部分は果実のようだが厳密には花の部分にあたる。イチジクは隠頭花序と呼ばれる花をつける木で、果実のように見える部位は花軸が肥大したもの。切った中に無数の粒々のように見える白い花がある。外からは花が見えないため、日本名である無花果という名がついたと言われている。禁断の果実として、アダムとイブの話の中で出てくる果物が実はイチジクのことだとも言われている。 イチジクの主な産地は愛知、和歌山、福岡、兵庫などで、比較的いろんな地域で作られている。アメリカのカリフォルニア州などから輸入もしている。イチジクの旬は、初夏から夏にかけて実がなるものと秋に実がなるもの、夏と秋の両方に実がなるものがある。夏のイチジクの旬は6月~7月、秋のイチジクの旬は8月~10月である。 イチジクはぽってりとした丸みがあり、果皮は赤や紫のような赤っぽい色をしている。果皮は手でも剥ける。果実は赤や白の色味である。色は全体に付け根の切り口付近まで色付いている物が良いもので、ハリがあり、しぼみのないもの、傷のないものが良い。イチジクは枝に生る、枝から切ると白い樹液が出る。白い樹液が出ているものの方が鮮度が高い。先端が裂け始め、中の赤い花が見えて来た頃が食べごろである。 保存方法 イチジクは傷みが速く変色も早い。日持ちがしないので、早く食べ切るようにする。 ビニール袋に入れてて乾燥を防ぎ、冷蔵庫で保存する。 注意点 固めのイチジクは皮が手で剥けないので湯剥きする。 また、イチジクは酵素が含まれているため、ゼリーやムースなど、ゼラチンを使った製品を作るときは一度イチジクを加熱処理する必要がある。


• りんご

【和:林檎(りんご)/英:apple(アップル)/仏:pomme(ポム)/独:apfel(アプフェル)/伊:mela(メーラ)】 バラ科リンゴ属の落葉高木樹。原産地は中央アジアや小アジアなど、諸説が存在する。 先史時代にはヨーロッパに自生していたと考えられ、現在では世界で最も栽培量の多い果実。 古代から世界中で知られ、早くから多くの品種があったとされている。 日本では明治時代から栽培が始まった。 晩春に白または薄紅の5弁花が開花し、早い品種は8月頃から、遅いものは4月頃まで収穫されるが、多くの品種が秋から冬に最も出荷される。 果実の直径は約3センチから15センチ。外皮は赤、黄緑または黄色をしている。 果肉は淡黄色または白色だが、外皮近くなど果肉が赤肉系になる品種もある。 大部分が食用に適し、甘味を中心に程よい酸味が調和して、口当たりやわらかい肉質を持つ。 外皮の色が良くついたものほど甘味が強く、味も濃い。 ただし、青りんごは緑色が強いほど熟度がすすんでいない。重みがあり、軽く指で弾くとはずんだ音がするものが新鮮とされている。 りんごのワックス りんごの表面は時折油っぽくベタついていることがあるが、これはワックスや農薬ではなく、りんごから生成されるもの。果実が熟すことにより作られたリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が表皮に含まれるろう物質を溶かし、ワックスのような膜ができるのだ。 りんごの扱い りんごが最も嫌うのが温度差であり、特に熟成を進める物質であるエチレンガスを発生させるため、一緒に置くと熟成が早まってしまう。 そのため、ひとつずつ新聞紙で包んでビニールに入れ、冷蔵庫に入れ保存するのがよいとされている。 また切った断面をそのままにすると、りんごに含まれるポリフェノールが酸化し、表面が茶色く変色してしまう。(褐変) りんごを加熱調理しない場合には、食塩水やはちみつを溶かした水、酸化防止剤などに30秒程浸すことで、変色を防止することができる。 →りんごの品種


• りんごの品種

ふじ ふじは「国光」と「デリシャス」の交配種で、日本で最もたくさん作られているりんごの品種でもある。海外でも作られているりんごとして有名で、世界中で最も生産数の多い品種でもある。 ふじの主な生産地は青森県で、国内で生産されているふじ全体の約半分を占めている。 特徴 大きさは300~400gで、ソフトボールぐらいの大きさである。果汁は豊富で歯ざわりが良く、シャキシャキとした果肉は蜜が多いものも多く、甘味のバランスが比較的いい。糖度が高いものは高級品として扱われている。熟しすぎたものや古いものは煮崩れがしやすいので、果皮の艶のあるもの、張りのあるものを選ぶと良い。 貯蔵性が高く、保存は低温庫で半年以上持つと言われている。りんごの表面にワックス成分という白っぽいものが着いているが、これはりんごが保存性を高めるために自ら分泌しているものなので、落とさないようにして保存すると良い。ふじは多く出回っているため、価格も比較的安定している。 紅玉 紅玉の主な生産地は青森県で、9、10月頃から春先まで市場に出回る。ちょうど10月~11月頃が旬になる。 特徴 紅玉の大きさは200gぐらいの大きさで、他のりんごよりも小ぶり。真っ赤な果皮が特徴である。果肉はしまりがあるため、煮込んでも崩れにくく、扱いやすい。甘味もあるが酸味もしっかりあり、香りが豊かである。そのため、タルトタタンやアップルパイを作るのに適している。 紅玉はもとはアメリカ原産のりんごで、日本には明治時代始め頃から作られるようになった品種である。以前は多く出回っていたが、新品種に押されて数量が減少した時期もあった。だが、紅玉特有の酸味が菓子に向いていると見直され、生産量は回復してきた。生産量が増えたことにより、価格も手頃となった。見分け方としてはワックス成分の分泌が多いものが十分に熟しているといえる。 ジョナゴールド ジョナゴールドは「ゴールデン」と「紅玉」の交配種で、比較的多く作られているため、りんごの中でも身近な存在として知られている。 ジョナゴールドは全国の約80%を青森県で生産されている。収穫時期は10月~11月頃である。その時収穫したものが春先まで出荷される。 特徴 ジョナゴールドは300gぐらいの大きさで、淡いピンクがかった赤色である。果肉はシャキシャキして硬く、果汁も多く、甘さと酸味のバランスも良い。紅玉によく似た品種なので、煮ても煮崩れしにくいが、紅玉よりも酸味は弱い。 旬の時期より収穫が早いものは酸味が強く、長期貯蔵されているものはスカスカなものも多いため、選ぶときは旬に収穫したものを選ぶようにするといい。 王林 王林は「ゴールデン・デリシャス」と「印度」の交配品種で、青りんごの代表的な品種となっているものの、品種登録はされていない。 王林は比較的有名なりんごで青森県で最も多く生産しており、全国の76%を占める。王林の収穫はりんごの中では遅めで、10月中旬頃から、11月初旬頃に市場に出回る。11月中旬から翌年の2月頃までが旬と言えるが、貯蔵性が優れているため、4月頃まで出荷されている。 特徴 王林の果実は250~300gぐらいで、果皮は黄緑色の青りんごである。果皮には緑色の斑点があり、果汁は豊富で果肉はやや硬めである。酸味が弱く、甘さが強く、独特な香りがあるところが特徴である。 サビが出やすいところがあり、地元では市場に出せないようなB級品が比較的出回っている。


• 西洋梨

西洋梨【英:Pears(ピィアル)、仏:Poire(ポワール)】 西洋梨はバラ科ナシ属。皮の色は緑色で、日本で作られているものは追熟すると皮が黄色になるものが多い。 形は上が細く、お尻が大きいひょうたん型をしている。 味は豊潤な甘さとねっとりとした贅沢な食感である。未熟なものを食べても固くてまずい。 必ず追熟させて、十分に熟れたものを選んで食用にする。 ラ・フランス【英:Pears(ピィアル)、仏:Poire(ポワール)】 西洋梨の品種の一つで、10月中旬から12月ごろが旬。 香りが強く多汁でねっとりとした舌触りが特徴で、果皮は黄緑色、果肉は黄色味を帯びた白色をしている。


• 和梨

和梨 バラ科ナシ属。果皮の色の違いで、赤梨と青梨に分けられる。 リグニン・ペントザンという成分からできている石細胞があり、しゃりしゃりとした食感が特徴的。 味はみずみずしく甘酸っぱい。張りがあり、ふっくらとしていて丸い形をしている。 皮の近くが甘いので皮は薄く剥き、芯の部分は大きく切り取る。 保存方法 ポリ袋に入れ冷蔵庫で保存すると1週間くらいは美味しい状態で食べられる。 熟れすぎると柔らかくなる、特徴的な食感が失われて美味しくなくなる。 和梨の種類 幸水 8月初旬から9月上旬がごろが旬。 赤梨ではあるが、果皮は緑色に薄い茶色が混ざったような中間色で、ややまだら状。形はやや扁平気味の球形で、お尻の窪みが深くなっている。果肉は柔らかく、多汁で甘みが強い。 豊水 8月下旬から10月初旬ごろが旬。 果皮は黄金色に色づき、全体に均一に、水分を保つ役割をしている果点コルクが見られる。 形は円形でやや腰高である。果汁が多く、糖度が非常に高い。その分酸味も伴い、全体として濃厚な味わいが特徴的。 十一世紀なし 8月下旬から10月中旬ごろが旬。 青梨の代表品種であり、形は綺麗な球形で、青みを残した黄色い果皮をしている。皮は薄い。 和梨の中でも最もみずみずしく多汁で、糖度はさほど高くはないが、上品な甘さのさわやかな味わい。


• マンゴー

マンゴー【和:芒果、英:mango(マンゴー)、仏:mangue(マーング)】 マンゴーはウルシ科マンゴー属の果樹、またその果実をいう。日本語のマンゴーは英語のmangoからつけられた。漢字表記は芒果で中国語からきている。別名は菴羅(あんら)、菴摩羅(あんまら)ともいう。これらの名前は仏典から来ている。仏教ではマンゴーは聖なる樹とされ、ヒンドゥー教では「プラジャーパティ」という万物を支配する神の化身とされ、マンゴーは特別な果物と考えられている。 マンゴーのおおよその旬は4月~8月頃で沖縄県が最も生産量が多い。だが、輸入物も多いため、1年中手に入れることができる。もっとも多く生産しているのはインドだが、日本の輸入で多いところはメキシコで全体の50%近くを占めている。 マンゴーには、中心に平たくて大きな種がある。マンゴーの平たい面に対して平行にナイフを入れて三枚にスライスすることで、無駄なく使うことができる。 特徴 果皮にしっとりとツヤがあり、ふっくらとしているものを選ぶと良い。果皮にブルームの白い粉がついているものは鮮度がいいが、果皮に黒い斑点やシワのあるものは古い。柔らかすぎるものは熟れすぎている可能性がある。 完熟したマンゴーは果汁が多く、口当たりもなめらかで、ねっとりとした甘味が味わえる。 完熟前の硬いマンゴーは常温の涼しい場所でりんごと一緒に保管して追熟させる。食べごろはマンゴーの独特な香りが強くなり、指先で軽く果皮を押さえた時に柔らかくなったときである。 マンゴーはウルシ科のため、果汁に触れることでかぶれやアレルギーを起こすことがある。 マンゴーの種類 アップルマンゴー アップルマンゴーはウルシ科マンゴー属で、果皮の赤い品種のマンゴーの総称である。 アップルマンゴーのおおよその旬は6月から8月頃である。メキシコやブラジルから多く輸入されていて、外国産の出回る時期はメキシコ産が3~9月頃、ブラジル産が 10月~4月頃である。基本的には早めにもいで、輸送中に追熟する。価格は国産よりも安い。 アップルマンゴーの果実は400~500gくらいの卵形で、果皮がリンゴのように赤く、ここからアップルマンゴーという名前がついた。果肉はオレンジ色で、なめらかな口当たりで果汁が豊富である。濃厚な甘味の中にほどよい酸味も感じられる。アップルマンゴーの中でも自然落下させて収穫するものは甘味が強く高品質とされている。 アップルマンゴーには「ヘイデン種」や「ケント種」、「トミーアトキンス種」「アーウィン種」などの品種がある。アーウィン種は味が濃厚で、甘味が多く、マンゴーの中でも高品質なものが多く、値段も高価な傾向がある。国産マンゴーはアーウィン種がメキシコやオーストラリアなどの外国の輸入品に多い。 アップルマンゴーの中でも宮城産のブランドで、糖度が15度以上で重さ350g以上の色と形がきれいな高品質な完熟マンゴーを「太陽のタマゴ」と呼んでいる。 ペリカンマンゴー(フィリピンマンゴー) ペリカンマンゴーは果実が平たくて、ペリカンのくちばしに形が似ているところからペリカンマンゴーと呼ばれるようになった。別名果物の女王といわれている。 生産地はフィリピンで1年を通じて出回っている。6月から8月が旬だといわれている。 日本で売られるペリカンマンゴーは主にフィリピン産である。果皮が黄色で鮮黄色のマンゴーはカラバオ種といい、マンゴーの中でも酸味がやや強い品種となる。カラバオ種は、「マニラスーパー」、「イエローマンゴー」、「ゴールデンマンゴー」とも呼ばれている。滑らかな舌触りで、ねっとりした濃厚な甘味と適度な酸味がバランスよくある。輸入物も多く安定しているため、一年中スーパーで手ごろな金額で手に入れることができる。 保存するときは濡らした新聞紙かラップで包む。乾燥すると皮がぶよぶよになるので、乾燥を防いで冷蔵庫で保存する。もし、果肉が緑色だった場合は、20℃ぐらいで追熟させるとよい。 ペリカンマンゴーは生のまま食用にするほか、飲料品やピューレ、氷菓にも加工される。香港のデザートではマンゴープリンが有名である。一方、東南アジアでは未熟なマンゴーを使って、炒め物や塩漬け、チャツネやスパイスなどに利用している。


• パイナップル

パイナップル【英:Pineapple(パイナップル)、仏:Ananas(アナナス)】 パイナップルはパイナップル科アナナス属の樹木、またはその果実を指す。ブラジルが原産で、亜熱帯から熱帯地方で育つ。英語のPineappleは松かさ(Pine)にできるりんご(Apple)という意味で名付けられたといわれていて、フランス語のAnanasは、亀の甲羅のような外見から付けられたと言われている。 パイナップルの主な産地は主にタイ、ブラジル、コスタリカ、フィリピンである。日本国内に出回るパイナップルは99%以上がフィリピンからの輸入である。日本でも生産しているが数は少なく、作られているのは沖縄県と鹿児島県のみである。通年安定して輸入されているため、いつでも手に入れることができる。国産のパイナップルは4月下旬~8月初旬頃が旬である。 パイナップルは亀の甲羅のような硬い皮に囲まれていて、冠のような硬い葉が生えている。葉の色が濃い緑で、先までピンと張っているものがよく、途中で枯れていないものを選ぶとよい。あまり青いものは熟していないため、酸っぱくて渋い味がする。 果皮は固いため、ナイフを使わなくては剥けない。果実は黄色くて甘さと酸っぱさがバランスよくあり、繊維質が多く、果汁も豊富である。真ん中に芯が通っている。お尻部分はカビが生えやすい。この部分を押してみて柔らかすぎるものは熟しすぎている。 保存方法 保存する時は新聞紙にくるんでお尻を上にして置いておくと、お尻に集まった甘いエキスが全体に行き渡る。 パイナップルは追熟しないので、買う時点でしっかりと熟したものを買う必要がある。 ずっしりと重みがあり、果肉部分が黄みを帯びていて、下膨れの形になっているものがよい。 注意点 パイナップルはタンパク質分解酵素を含んでいるためゼラチンを分解する。加熱しないとゼラチンで固まらないため、ゼリーにする時は加熱してから使うようにする。 このタンパク質を分解する酵素の性質により、パイナップルを八宝菜などに入れると肉が柔らかくなる。


• さくらんぼ

さくらんぼ【和:桜桃(おうとう)、英:cherry(チェリー)、仏:ceries(スリーズ)、独:kirsche(キルシュ)、伊:ciliegie(チリエジャ)】 バラ科サクラ属の、桜の木で栽培される果実。桜に実をつける「桜ん坊」に由来して、さくらんぼという名で知られている。 観賞用として知られるソメイヨシノは品種改良された桜なので、自家受粉ができず実はつかない。生食用として流通しているさくらんぼのほとんどはセイヨウミザクラ(西洋実桜)である。 品種にもよるが、4月頃に白い花を咲かせ、5月下旬に黄赤色や濃赤色の実をつけ、6月〜7月下旬に熟す。年間の出荷量が増えるのも、同時期となる。 追熟しない果実のため、収穫時が最も美味しいと言われている。 果形は丸みを帯びたハート形、2〜3cmほどの大きさが一般的。薄く艶のある皮に覆われており、実の中心に種を含む。甘味と酸味のある果実で、アメリカ産は甘味が強く、国産は爽やかな甘酸っぱさをもつ。新鮮すぎると苦味を感じることもある。 さくらんぼは追熟しない果実であり、また温度変化に弱く長時間冷蔵すると水分が蒸発し、実が締まって甘味がなくなってしまう。収穫から時間が経てば経つほど本来の味を損なうため、1〜2日の間に生食用として出せない場合、コンポートやジャムといった加工品にするのが望ましい。 サワーチェリー さくらんぼの品種の中でも特に酸味の強いもの。日本では「スミミザクラ(酸実実桜)」と呼ばれている。酸味が強いため生食には不向きで、砂糖漬けにしたりリキュールや蒸留酒の原料などの加工品、料理に用いられることが多い。 グリオット(griotte)、アマレル(amarelle) などの種類がある。 スイートチェリー さくらんぼの中でも甘味があり、主に生食用として流通している品種の総称。 ギーニュ(guigne)、ビガロー(bigarreaux) などの種類がある。 さくらんぼの加工品 ドレンチェリー さくらんぼの種を取り除き、砂糖で煮詰めて水分を飛ばし、着色したもの。主に焼き菓子に混ぜたりトッピングとして使われる。