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パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

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デザート

• クレープ

クレープ【仏:crêpe】 小麦粉に乳製品や糖類、鶏卵などを合わせた流動性のある生地をごく薄く焼いたもの。焼いた時にできるちりめん状の模様からクレープ(絹の意味)と呼ばれるようになった。 日本では生クリームやフルーツ等を巻いて食べたり、クレープシュゼット(仏:Crêpe Suzette)など、レストランデザートとして親しまれている。 歴史 フランスのブルターニュ地方のガレット(仏:galette)と呼ばれるそば粉で作った食べものがはじまりとされている。  ブルターニュ地方は、かつては土地が痩せていて小麦が育ちにくかった為、そばが多く育てられていた。 17世紀フランス国王の妻アンヌ王妃がブルターニュ地方を訪れた際に、ガレットをとても気に入って宮廷料理に取り入れ、19世紀頃にはそば粉が小麦粉に変わり今のクレープと呼ばれるものが広がっていった。 日本には1970年代後半にフランスから伝わったとされ、1976年に渋谷公園通りの駐車場にて小さなワゴン車で販売されたのが初めとされている。


• バヴァロワ

バヴァロワ【仏:bavarois】 バヴァロワ(ババロワ、ババロア)は、一般的にアングレーズソースに生クリーム、ゼラチンを合わせて冷やし固めたお菓子を指す。 軽い口当たりのムースとは対照的に、しっかりとした食感と卵黄と味があるため、冷やし固めたものをそのまま食べることも多い。 バヴァロワは「バイエルンの」という意味で、ドイツの旧バイエルン王国に由来する。 歴史 バヴァロワは元々はドイツのバイエルン地方からフランスに伝わった、バヴァロワーズという温かい飲み物だった。現在のバヴァロワ と同じく牛乳と卵黄ベースで作られていたが、18世紀にアントナン・カレームがゼラチンを加えて冷やし固めたものが現在のバヴァロワとして広まっている。 また、19世紀にフランス人シェフがバイエルン王国のために作った、生クリームを使った飲み物に手を加えたことからバヴァロワになったという説もある。


• ムース

ムース【仏:mousse】 気泡をたくさん含んだ、口当たりの柔らかいお菓子。フランス語で泡という意味と苔という意味を持つ。製菓では泡という意味で使うが、いずれにしても泡のように軽く苔のように柔らかい食感である。 ムースの泡はメレンゲや生クリームを使って作るものが多いが、フレーバーはさまざまでフルーツのピューレやチョコレートなどを使う。 バヴァロワとの違いはベースがアングレーズソースに限られない点である。 ◎歴史 ムースが誕生したのは17世紀のことだが、有名になったのは20世紀、ショックフリーザーが出来た頃のことである。元々貴族の中で食べられていたムースは「お腹がいっぱいでも食べられる」「音を出さないようにして食べられる」という理由で考案されたもの。 ショックフリーザーが出来たことによって品質を落とさずにムースの保存ができるようになり、フランスではどこに行ってもムースが置いてある、という時代が続いた。 日本でもこれに遅れを取らないよう20世紀にムースが広まった。 飽食の時代だからこそ、お腹がいっぱいでもふわっと食べやすいと人気になったスイーツがムースなのである。


• パンナコッタ

パンナコッタ【仏:Pannacotta】 生クリームをゼラチンで固めたイタリア発祥の冷菓。 イタリア語でパンナは生クリーム、コッタは煮たという意味で、作り方がそのままの語源になっている。つるんとした口当たり。 生クリームだけでなく牛乳も入れて作るとあっさりと食べやすくなり、原価も下げられる。 生クリーム・牛乳・砂糖を煮詰め、ゼラチンを加えて固めて作る。 コース料理のドルチェとしてレストランで出されることも多く、店によって様々な種類のソースをかけて食べられる。 歴史 パンナコッタは北イタリアの酪農が盛んなピエモンテ州が発祥で、家庭菓子として昔から食べられていた。 昔は生クリームが普及していなかったため、牛乳やその上澄みをデンプンで固めたものだったが、現代ではゼラチンなどの凝固剤で固めて作られる。 日本では1994年頃ブームになり、家庭でもおやつとして作られるようになった。 見た目の似たブランマンジェはフランス発祥で、アーモンドが入っており、生クリームはベースを煮詰めてゼラチンを入れたあとに加える。


• ブランマンジェ

ブランマンジェ【仏:blanc-manger】 砂糖の入ったアーモンドミルク(アーモンドと水で作られたもの)をゼラチンで固めたアントルメのひとつ。 フランス語でブランは白い、マンジェは食べ物を意味するので「白い食べ物」と訳される。 牛乳・砂糖を煮詰め、ゼラチンを加えた後、生クリームを入れ固めて作る。 本来はアーモンドを砕く際に出るアーモンドミルクを集めて作る高価なお菓子で、昔から貴族を中心に愛されてきた。近年はアングレーズソースやフルーツのソースと合わせて食べることが多い。 歴史 ブランマンジェは今日のお菓子の中で最も歴史があるとも言われている。中世では肉を使ったジュレやポタージュも、アーモンドミルクにハチミツを加えたものも同じくブランマンジェと呼ばれていた。 やがて料理の方の消滅し、ブランマンジェは甘いデザートとして残るようになった。 白くて甘いブランマンジェは19世紀にパティシエのアントナン・カレームによって世界に広められたと言われている。 しかし、アーモンドと砂糖で作られたアラビアのお菓子が発祥だったという説もあれば、ラングドック地方の町、モンペリエのスペシャリテだったともいわれており、ブランマンジェの発祥については諸説存在している。 見た目の似たパンナコッタはイタリア発祥で、アーモンドは入っておらず、牛乳・生クリーム・砂糖を合わせて煮詰めたあとゼラチンを入れ固める。


• ジュレ

ジュレ【仏:gelée】 英語でゼリー(jelly)またはジェリー、フランス語でジュレという。本来は「凍らせた」という意味なのでイタリア語のジェラート(gelato)と同じ。 製菓用語としてはゼラチンや寒天、ペクチンなどを凝固剤とした、ゲル状の水分の多いお菓子をさす。 ジュレは果汁、砂糖、ゼラチンを材料とするものに乳製品、卵、香料などを組み合わせて様々なバリエーションがある。ジャムやコンフィズリー、寒天で凝固させた寒天ゼリーなどもゼリーとして分類される。 使われるゲル化剤はゼラチン(動物の骨や皮の成分であるコラーゲンから作られる)、寒天(テングサやオゴノリなどの紅藻類から作られる)、カラギーナン(紅藻類からアルカリ抽出で作られる)、ペクチン(果物や野菜から作られる)などがある。 歴史 ジュレ、ゼリーの歴史は古く、ローマ時代から肉や魚料理の煮こごりを使った料理として作られていた。 お菓子としては18世紀末から19世紀初めにフランス人のパティシエ、アントナン・カレームが広めたとされている。当時はゼラチンを使ったゼリーがほとんどで、今の1.5〜2倍量のゼラチンで固められていた。 日本では寒天は17世紀後半から使われ、あんみつなどが食べられていたが、ゼラチンを使用したゼリー類は20世紀になってから広まった。


• クレーム・ブリュレ

クレーム・ブリュレ(仏:Crème brûlée) プリンより濃厚なアパレイユを湯せん焼きし、表面にカソナードを散らしてバーナーや焼きごてで表面を焦がしたお菓子。 ブリュレはフランス語で焦がす・焦げたという意味で、訳すと焦がしたクリームになる。 卵や牛乳、砂糖、バニラの他に生クリームが入るのでコクと滑らかさがあり、炙ってカラメル化表面にナイフを入れるとパリンと割れるのが特徴的。 歴史 クレーム・ブリュレは著名な料理人、ジョエル・ロブションが広めたとされているが、その原形はスペイン・カタロニアのお菓子、クレーム・カタラーナではないかといわれている。 カタラーナはシナモンの香りをつけたカスタードクリームのようなものに、クレーム・ブリュレと同じく表面にカソナードを散らして表面を焦がしたもので、キャラメルとクリームとの食感のコントラストが楽しめる。このお菓子が現在のクレーム・ブリュレに近しいものである。 日本で流行したのは1990年代前半ごろで、現在はパティスリーやカフェ、レストランなど幅広い場所で見られるようになった。 表面を炙ったカラメルは時間が経つにつれ溶けてしまうため、注文を受けてから表面を焼くお店も多い。