
いちご
カテゴリ:果物類

いちご(学名:Fragaria)は、バラ科の多年草で、種のように見える赤い粒の部分が果実として食べられる。いちごは甘味があるので果物として分類されがちだが、果物は果樹を指すため、いちごは分類としては野菜と位置付けられている。
いちごのおおよその旬は4月~5月頃であるが、夏から秋に実る夏いちごと呼ばれるいちごもある。また、クリスマスシーズンに合わせて11月頃から出回るいちごもあり、これはクリスマスに合わせていちご需要が増えるところから、ハウス栽培の技術を生かして現在では11月ごろから出回るようになった。
いちごは果実には種子がたくさんついていて、種子を取ることなく食べるのが一般的である。甘味と酸味がバランスよくあり、果汁も豊富。
おいしいいちごの見分け方としては、いちご全体が均等に赤く色づいている、果実がみずみずしくつやがある、種のつぶつぶの部位がくっきりとしている、ヘタが鮮やかな緑色をしているものを選ぶといい。最近では白いちごなど果皮と果肉が白いものも出回っている。
いちごの扱い
いちごの果肉は柔らかくデリケートで、洗う時の水圧だけでも傷んでしまうため、扱いには注意が必要である。特に長距離運送を行うときは傷みやすくなる。洗う際にはヘタを付けたまま洗うようにするとよい。ヘタを取ってから洗うと、ビタミンCが流出し、味も水っぽくなる。ヘタを取ったり、水で洗うと傷みが進むため、保存するとは何も処理をせずに冷蔵庫で保存し、2〜3日の間に食べきるようにする。→いちご(国産)の種類
アメリカ産いちご
アメリカ産いちごの主な輸入時期は、国産いちごが品薄になる5月~11月頃である。輸入先はアメリカのカルフォルニア産である。アメリカ産いちごは、果実が赤く円錐形で、くぼみが浅く、種子の粒がザラザラとして表面に飛び出ているのが特徴である。国産いちごと見分けがつかないほど完成度の高いものも多いが、形がふぞろいなものもあり、状況によってさまざまである。値段によっては形に均一性がなかったり、甘みがあまり感じられないものもあるが、年々アメリカいちごの質も向上しているそう。
いちごのショートケーキの需要は一年中高いため、洋菓子店でも一年を通じていちごの需要があり、安定したいちごが供給が望まれている。
夏に果実がなる夏いちごは四季成り性と呼ばれるもので、糖度が低く酸味が強い上に価格が跳ね上がるため、スーパーに並ぶことはない。菓子企業やメーカー向けには販売されるが、生産数の少なさや値段の高さから、夏場はアメリカ産いちごを輸入して使うお店も多い。
アメリカ産いちごの扱い方
アメリカ産いちごも国産いちごと同様、表皮が弱く、洗うとすぐに傷む。が、農薬や泥が付着しているものが多いため、水で洗うことはほぼ必須。洗わない場合は殺菌した布きんでひとつずつ拭く。その後食品用のアルコールで消毒して保存するが、傷みが早いため、早めに使用するようにする。食品用の殺菌消毒剤を使い消毒後、水で軽く洗ってもよい。
また、アメリカいちごには固い芯があるため、使う際はヘタと一緒に芯をナイフで取り除く必要がある。
値段の変化
いちごの相場の移り変わりは時によって様々だが、日照りの影響で不作になった時はもちろん、12月~2月頃の、中でもクリスマスシーズンに値段が高くなる傾向がある。逆にいちごの旬である春先から5月頃は値段が安くなる。需要が増えるシーズンには平常の値段から1.5倍から2倍ぐらいにもはねあがる。また、夏場のいちごが品薄な時期もいちごの価格は高騰し、アメリカ産いちごでも国産いちごの安い時期に比べるとおおよそ1.5倍ぐらい値上がりする。品種によってもかなり価格差があり、安いものは相場は1パック300円ぐらいだが、高いものだと1000円以上することもある。更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• フランボワーズ
フランボワーズ【和:木苺(きいちご)、英:raspberry(ラズベリー)、仏:framboise(フランボワーズ)、独:himbeere(ヒンベーレ)、伊:lampone(ランポーネ)】 フランボワーズはバラ科キイチゴ属で木苺の一種。和名でもある木苺の品種には、日本ではニガイチゴ(野いちご)などがある。黒や紫色のもの(ブラックベリーなど)もあるが、フランボワーズは主に赤いものを指す。小さな粒状の果実が集まって、丸みを帯びた形をしており、サイズは1〜2cmくらいが主流。甘酸っぱく、新鮮なものは香りが良い。 市場に出回っているものはアメリカ産のものが中心で、他にはニュージーランドやヨーロッパ産のものが流通している。また、ロシアでも多く生産されている。国外から輸入されたフレッシュのフランボワーズには旬はなく、通年出回っているが、国産のものは6月〜9月頃までが旬である。 国内での主な産地は、北海道・長野県など。国内での生産数は少なく、市場に出回ることはほとんどない。輸入物も同じく、フレッシュのフランボワーズは、スーパーなどで一般消費者向けに棚に並ぶことが少ない。 生食だけでなく、ジャムやソースにして利用されることも多い。フレッシュ以外にもIQF(個別瞬間冷凍)のものなどが輸入されているが、フレッシュのものと比べると酸味が強い。 主にヨーロッパやロシアで親しまれ、日常的に食べられている果物。 洋菓子の中でも、特にフランス菓子には欠かせない食材として親しまれている。 保存方法 日持ちがしない。輸入物も2〜3日経てば傷んで身崩れを起こしたり、カビが繁殖したりするため、特に夏場の管理には注意する。
• いちごの品種(国産)
あまおう®(福岡S6号) 「あまおう」の主な産地は福岡県で、2月から5月頃まで市場に出回る。 「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字から名付けられている。 「あまおう」はほかのいちごに比べてサイズが大きく丸みのあるフォルムで、大粒で重みのあるところが特徴である。甘味が強く、味が濃いため、人気の高いいちご。 おいしい「あまおう」を見分けるには、紅色の濃いものを選ぶとよい。色が黒っぽい紅色だったり、紅が濃すぎるものは鮮度が落ちているため、色の黒いものは使用を避けるようにする。細いものよりころんとした形の丸いものの方が風味がよい。水分が非常に多いため、一度切ってしまうとかなりしなびやすくなるので注意が必要。 とちおとめ 「とちおとめ」の主な産地は栃木県で、11月頃に出始め、6月頃まで市場に出回る。 「とちおとめ」は東日本のシェア1位を誇る品種で、糖度が高く甘さが強い点が特徴である。比較的大粒のものが多く、果汁が豊富で糖度も高い。 おいしい「とちおとめ」を見分けるには鮮やかな赤色を選ぶようにするとよい。見た目は大粒のほうが良品とされるが、大粒も小粒も味には大きな違いがなく、どちらも甘く果汁が多い。 果肉の色が淡いため、断面がきれいに見えるので、断面を見せる製品に向いている。 紅ほっぺ 「紅ほっぺ」の主な生産地は静岡県で、12月~5月頃まで市場に出回る。 「紅ほっぺ」の特徴は、その名の通り、果皮や果肉が美しい紅色をしているところにある。また、おいしさにほっぺが落ちるということも表している。長い円錐形で、大粒のものが多い。やや強い酸味がある。 おいしい「紅ほっぺ」を見分けるには、香りのいいものを選ぶようにする。長い円錐形が標準的な形である。 色が薄すぎず、濃すぎないものを選ぶとよい。果肉の色が濃いので、ジャムにすると果肉の赤さが映えてきれいな仕上がりとなる。 さちのか 「さちのか」は長崎県や佐賀県、千葉県などが主な生産地で、12月頃から店頭に並びはじめ、2月から3月頃がもっとも出荷が多く、5月頃まで市場に出回る。 「さちのか」は甘味と酸味のバランスの優れたいちごで、広く栽培され、スーパーなどでも販売が行われているため、知名度の高い品種である。サイズは大粒で、円錐形の濃い赤色をしている。光沢があり果肉は固いため比較的傷みにくく、運搬もしやすい。果肉や中心部は淡い赤色をしている。 おいしい「さちのか」の見分けるには、色の濃く・甘い香りのするものを選ぶとよい。鮮度が落ちているものは黒っぽくなっているので使用は避ける。 さがほのか 「さがほのか」の主な生産地は佐賀県で、12月頃から店頭に並び、3月頃もっとも出荷が多くなり、5月下旬頃まで市場に出回る。 「さがほのか」は酸味が控えめで甘味が強く、果汁が多めである。光沢のある紅色の果皮と白い果肉のコントラストが美しいところも特徴である。円錐形で大粒のものが多い。 おいしい「さがほのか」を見分けるには、全体的に鮮やかな紅色のものを選び、つやがないものや色の薄いもの、黒っぽいものは選ばないようにする。鮮度の高いものは香りが立つので、香りのいいものを選ぶとよい。 「さがほのか」は香りが強いいちごなので、いちご風味を強く出したいケーキなどに使うと良い。