
イチジク
カテゴリ:果物類

イチジクはイラクサ目クワ科イチジク属の落葉樹木で、西アジア、アラビア南部が原産である。通常食べている部分は果実のようだが厳密には花の部分にあたる。イチジクは隠頭花序と呼ばれる花をつける木で、果実のように見える部位は花軸が肥大したもの。切った中に無数の粒々のように見える白い花がある。外からは花が見えないため、日本名である無花果という名がついたと言われている。禁断の果実として、アダムとイブの話の中で出てくる果物が実はイチジクのことだとも言われている。
イチジクの主な産地は愛知、和歌山、福岡、兵庫などで、比較的いろんな地域で作られている。アメリカのカリフォルニア州などから輸入もしている。イチジクの旬は、初夏から夏にかけて実がなるものと秋に実がなるもの、夏と秋の両方に実がなるものがある。夏のイチジクの旬は6月~7月、秋のイチジクの旬は8月~10月である。
イチジクはぽってりとした丸みがあり、果皮は赤や紫のような赤っぽい色をしている。果皮は手でも剥ける。果実は赤や白の色味である。色は全体に付け根の切り口付近まで色付いている物が良いもので、ハリがあり、しぼみのないもの、傷のないものが良い。イチジクは枝に生る、枝から切ると白い樹液が出る。白い樹液が出ているものの方が鮮度が高い。先端が裂け始め、中の赤い花が見えて来た頃が食べごろである。
保存方法
イチジクは傷みが速く変色も早い。日持ちがしないので、早く食べ切るようにする。ビニール袋に入れてて乾燥を防ぎ、冷蔵庫で保存する。
注意点
固めのイチジクは皮が手で剥けないので湯剥きする。また、イチジクは酵素が含まれているため、ゼリーやムースなど、ゼラチンを使った製品を作るときは一度イチジクを加熱処理する必要がある。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• コーヒー関連製品
インスタントコーヒー【仏:café soluble(カフェ・ソリューブル)】 インスタントコーヒーはコーヒーを抽出して乾燥させた粉末で、ドリップせずにお湯や水にとかすだけで飲用のコーヒーを作ることができる。 似た物に粉末コーヒーがある。 見た目は似ているが、粉末コーヒーはレギュラーコーヒーと呼ばれる物の一種で、器具で濾して抽出する必要がある。 インスタントコーヒーと比べると風味が良いが、手間がかかる。 お菓子作りでは、水で溶かしてスポンジ生地やバタークリームに加えるできる。 濃縮コーヒー 濃縮コーヒーとは、コーヒーを濃く抽出し、カラメルと合わせたもの。 少量でコーヒーの風味と色をつけることができる。 インスタントコーヒーを溶かして代用することもできるが、濃縮コーヒーの方が香りが良く、また色合いに赤みがある。 オペラやティラミスのスポンジにするアンビバージュに使用すると効果的。 スポンジやパウンドケーキや焼き菓子にに入れて高温で焼いても風味が劣化することがない。 コーヒービーンズチョコレート コーヒー豆の形をしたチョコレート。 コーヒー風味のチョコレートで作られたものだけでなく、焙煎したコーヒー豆をチョコレートでコーティングした物もある。 コーヒーを使ったケーキやデザートの飾りに使われる。
• バター
バター【仏:butter(バター)独 : Butter(ブッター)】 牛乳を加工した乳製品。製菓において最も重要な固形油脂のひとつ。牛乳の乳脂肪を集めて練り上げたもの。 牛乳をクリーム(生クリーム)と脱脂乳に遠心分離し、クリームの層を加熱殺菌した後に攪拌して、乳脂肪だけを凝集して固めて作られる。 成分基準は乳脂肪80%以上、水分17%以下。加塩バターの場合は1.8%以下の食塩が加えられている。 製菓用として水分14%前後に抑えられた物を低水分バターと呼ぶ。低水分バターは伸びがよく、折り込みパイ生地などに使用すると作業性がよくなる。 バターの水分は油中水滴型の乳化の構造をとって、乳脂肪中に均一に混ざり合っている。 また、2%程度のたんぱく質、乳糖、カルシウムなどの他にビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなども含まれている。 温度管理が重要な材料。常に5℃以下で保存する。長期保存するの場合は、冷蔵より冷凍の方が品質を保てる。 バターの種類 発酵バター 無塩バター・食塩不使用バター 有塩(加塩)バター フランスのバター 日本では食塩を添加しているバターを有塩バター、添加されてないものを無塩バターと呼び分けているが、フランスでは塩分濃度によって三段階に分けて呼ばれている。 ブール・ドゥー(beurre doux) 無塩バターのこと。ドゥーとは「甘い、マイルドな」という意味。 ブール・ドゥミ・セル(Beurre demi-sel) フランス語で薄塩バターのこと。0.5〜3%程度の塩が添加されている。 薄塩バターという名前だが、日本の物より塩分が多く含まれている場合があり、使うときは注意が必要である。 ブール・サレ(Beurre salé) 有塩バターのこと。3%以上の塩が添加されている。日本の有塩バターより塩が多く含まれている。 フランスでは主に発酵させた無塩バターが製造されている。 バターの成分規格は、乳脂肪82%以上、無脂乳固形分2%以下、水分16%以下。 有塩バターの場合は乳脂肪80%以上とされている。 バターの性質 バターにはお菓子作りには欠かせない三つの性質がある。 1.可塑性 バターが13〜18℃の時に限られるが、固形でありながら自由に形作れる柔軟性がある。 折り込みパイ生地を作るときに役立つ性質。 可塑性のあるバターは柔らかい生地と一緒に織り込むことができる。 これを加熱するとバターの水分は蒸発し、油脂は生地に吸い込まれ、もともとバターがあった場所が空洞ができる。 この性質により、パイは美しい層状に焼きあがるのである。 2.ショートニング性 可塑性のある固形油脂が、小麦粉の中に薄い膜状に広がってグルテンをバラバラに分断する性質。 クッキーのサクサクとした食感はこの性質によるものである。バターの配合量が少ないクッキーはグルテンがしっかりと形成されるため、パリンと割れるような硬い食感になってしまう。 3.クリーミング性 バターがクリーム状の固さにあるとき、攪拌することで大量の空気を取り込むことができる。 バター生地がきめ細かい気泡をたくさん含んでふっくらとしているのはこの性質によるもの。 これは、バターの中に混ぜ込まれている気泡を核として、熱せられて発生した空気や膨張剤から発生した炭酸ガスが、大きく膨らんでいくため。 以上の三つの性質がお菓子の形状や食感に直接影響してくる場合が非常に多い。 これらの特徴は一度溶かしたバターを再び冷やし固めても発揮されない。 他の油脂にはない芳醇な香りがある。バターの配合量の多い焼き菓子ではこの香りが直接、製品の風味となってくる。 温度による状態の変化 バターは5℃以下の状態だとしっかりと固まっており、パレットナイフで切り分ける時も少し力がいる。 15℃前後になると、可塑性のある状態となる。 30℃前後になると、融解が始まる。 40℃に近づくと、完全に液体となる。この状態のバターを 溶かしバター、ブールクラリフィエ【仏: beurre clarifié】 と言う。 溶かしバターを凝固しない温度で放置すると、三層に分かれる。 一番上の薄い層には気泡を含む成分、一番下には乳漿(水分、たんぱく質、糖質など)が沈殿する。 これらの間にある一番量の多い、溶けた乳脂肪の黄色っぽい色の層を澄ましバターと言う。 澄ましバターにはたんぱく質やアミノ酸が含まれていないので、メイラード反応がおきない。そのため、クレープ生地など、バターの風味を抑えて焼き色をつけたくない場合に使われる。 溶かしバターをさらに加熱すると茶色く変色し、こうばしい香りがする様になる。これを 焦がしバター、ブールノワゼット【仏:beurre noisette】 と呼ぶ。 バターの高騰 近年では数年に一度のペースで需要の高まる冬季に深刻なバター不足に陥っている。 その度に政府主導で追加輸入が行われているが、輸入品は国内産の物と比べると高価になってしまうことが多い。この状態を受け、各メーカーもバターの代替品として、品質の高いマーガリンやファットスプレットなどを開発している。 これらの代替品は全量をバターと入れ替えて使用することもできるが、バターと混合して使用することもできる。このように配合比率を変えたりバターをあまり使用しないお菓子を開発したりするなど、さまざまな対策を練っている店やメーカーも増えている。