もうすぐ4月。春は就職や転勤、転職などで新しい環境に身を置く人が多い季節です。期待に胸を躍らせる一方で、新しい職場になじめるかどうか不安に思う人もいるはず。とくに新卒入社のパティシエの方たちは、「販売からスタート」「下働きばかり」といった現実に、挫折して辞めてしまう人も多いのです。
こうした悩みの大きな力になってくれるのが、職場でのコミュニケーション。先輩方はあなたと同じ悩みを乗り越えてきた方たちばかりです。先輩やスタッフとの距離が縮まれば、質問がしやすかったり、まわりがフォローしてくれたりと、働きやすさがグッと上がります。
そこで今回は、入社初日からできる“新しい職場に早くなじむコミュニケーションのコツ”と、“社会人としてNG！気をつけたい行動”を3つずつご紹介します。
最初が肝心！新しい職場に早くなじむコミュニケーション、3つのコツ
1)イメージは第一印象で決まる？ まずは丁寧なあいさつから
新しい職場に入るとき、避けて通れないのが「挨拶」や「自己紹介」。一般的に人の第一印象は3秒～15秒ほどで決まるそう。身だしなみをきちんと整え、笑顔でハキハキと挨拶をするだけで、プラスのイメージを相手に印象付けることができます。
挨拶の具体例としては
・名前
・出身校(または前職の店名)
の2つに加え、「1日でも早く仕事を覚えるよう頑張ります！」など、仕事にかける意気込みを見せると良いですね。新しく入るあなたと同じように、迎え入れる既存スタッフも緊張するもの。話のきっかけになりそうな一言を挟むだけで、共通の話題に発展しやすくなります。
そして初日は、顔を合わせたすべての人に挨拶することを目標にしましょう。もし「あの人に挨拶しそびれてしまったかも…」と気づいたときは、相手が忙しくない頃合いを見て「今日から入りました○○です、よろしくお願いします」とこちらから声をかけましょう。この行動でスタッフさんたちとの距離感がグッと縮まります。
2)名前を呼ばれると親近感がわく！顔と名前を早く覚えよう
次に重要なのは、スタッフさんたちの顔と名前を覚えること。
誰でも自分の名前を呼ばれると相手に親しみを覚えます。不自然にならない程度に「○○さん、ちょっとお聞きしてもいいですか？」と話しかけてみましょう。どうしようかとためらっているうちに話しかけにくい雰囲気になってしまうことがあるので、初対面の今がチャンスです。
3)手取り足取り教えてくれる職場はない！自発的＆確実に仕事を覚えよう
どこの業界でも言えることですが、新人への指導は既存のスタッフが通常業務を進めながら行うことがほとんどです。自分の仕事が終わったら、「何かほかにできることはありますか？」とたずね、積極的に教えを請う姿勢を見せましょう。これはまわりに自分のやる気を伝えることにもつながります。また、教えてもらうときは必ずメモを取り、不安な点は「こういうことで合っていますか？」と指示を復唱しましょう。あやふやな状態で作業を進めれば失敗を招き、かえって迷惑をかけてしまいます。
社会人としてNG！気をつけたい3つの行動
1）質問しないで勝手に進めてしまう
「わからないと思われるのがイヤ」、「質問をして手を煩わせてしまうのは申し訳ない」。お店が忙しいときにはとくに遠慮してしまいがち。しかし聞きそびれると時間ばかりが過ぎ、「覚えていて当然、できて当然」と思われてしまいます。疑問点は最初のうちにクリアにしておくことが、のちの働きやすさにつながります。
2)「自分のやり方」を主張する
「製菓学校で習った」「使い方を知っている」といった場合でも、あなたが知っている方法だけがベストではありません。「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、まずはお店の方針にしたがってやり方を覚えることが重要です。
3）無断欠勤は絶対NG！
無断での欠勤・遅刻は社会人としてのマナーに欠ける行為です。寝坊した場合でも嘘をついてごまかそうとするのではなく、分かった時点で連絡を入れ正直に謝りましょう。製菓業界はチームワークが不可欠。突然ひとりでも欠けると全員の仕事に支障をきたし、お客様にまで迷惑をかけてしまいます。
まとめ
今までご紹介してきたコツの軸となるのは“コミュニケーション”です。もちろん「私は口下手だから」「コミュ障だから」という方もいるでしょう。でも、口下手なら“聞き上手”になれば良いのです。先輩パティシエの話や仕事ぶり、お菓子に対する思いなど、現場は学ぶべきことが山盛り。疑問に思うことは何でも聞くことが、のちのコミュニケーションにつながっていきます。
せっかく入った職場なのですから、後悔することなく、長く楽しく働きたいですよね。まわりと上手にコミュニケーションを取りながら、パティシエとしてのキャリアを育んでいきましょう。
