【最新版】ウエディングケーキの種類とトレンドを徹底解説!

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ホテル・ブライダル業界で働くパティシエなら、ぜひとも知っておきたいウェディングケーキのトレンド。
パティシエがオリジナルのケーキをデザインすることを強みにするブライダル企業も増えてきていますし、街のパティスリーがオーダーを受けて作ることもあるウェディングケーキ。
今回は、そのウェディングケーキのトレンドをご紹介します!

最旬ウエディングケーキ7選!

まずはウエディングケーキの最新トレンドをチェックしていきましょう!

白+ワンポイントフラワー


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とことんシンプルな真っ白のケーキに、ワンポイントであしらったお花が印象的。
ふたりの思い出のお花をセレクトしたり、ブーケに使っているお花やカラードレスの色とリンクさせたりと、意味を持たせることでオリジナル感がグッと増します。

技ありクリームコーティング


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ランダムに凹凸を出してナッぺすることで波模様のように動きを出したデザイン。
パレットナイフの動かし方次第で模様が変わるのでセンスが問われます。
クリームの厚さでと光の当たり具合で陰影が変わり、角度によっていろんな表情を見せられるウエディングケーキ。

高さのある白壁ケーキ


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トレンドの「シンプル」「スタイリッシュ」の2つのキーワードを体現しつつ、写真映えもするウエディングケーキ…と追求していくと、より高く、細くなっていく傾向に。
まるで壁のようにそびえることから“白壁ケーキ”と呼ばれることも!

オンブレケーキ


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オンブレ(Ombre)とはフランス語で「陰影をつける」という意味があり、段階的に濃淡をつけた、いわゆるグラデーションのこと。
ロマンティックな雰囲気のウエディングケーキになり、女性らしさが演出できると高い人気を誇っています。

ブラシストロークケーキ


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ブラシストロークとは「筆の動き」のこと。
溶かしたチョコレートを刷毛で薄く延ばして作ったパーツを使い、絵筆を走らせたような芸術的なデザインが特徴です。
ロシア・モスクワのパティスリーが発祥と言われるケーキで、そのインパクトから徐々に欧米、日本へと伝わってきました。

エディブルフラワーケーキ


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食用に育てられたお花「エディブルフラワー」を用いた華やかなウエディングケーキ。
可愛らしい雰囲気の「ヴィオラ」や「ナデシコ」、小さく可憐な「スイートアリッサム」などのお花が人気です。
見た目だけでなく、食感や味わいもゲストと一緒に楽しめますね。

ジオードケーキ


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「ジオード」とは日本語で「晶洞石」という鉱物のこと。
自然にできた水晶の塊で、アメジストなどが有名です。
ジオードは飴細工や琥珀糖、金箔などを使って表現され、その神秘的なデザインはウエディングシーンにぴったり。
まるで食べられる宝石のようですね!

ウエディングケーキの基礎知識!ベースとなる3つの種類

パティシエが仕事として関わるウェディングケーキの種類は、大きくわけて3つ。
パティシエのみなさんが普段作っている”生ケーキ”の他に、シュガーケーキや食べられないイミテーションケーキなどがあります。

イミテーションケーキ

出典:http://www.louange-tokyo.com/

イミテーションケーキは、発泡スチロールなどの食べられない土台をグラスなどでコーティングし、ショートニングなどで装飾を絞って作る”食べられないケーキ”
見た目の質感を本物に近づけるべく、生クリームでデコレーションされることもあるようです。
ケーキ入刀を行う部分のみ本物のケーキで作られます。
イミテーションのケーキを作るのも、ウェディングに関わるパティシエの仕事のひとつ。

出典:http://www.louange-tokyo.com/

本来ケーキは非常に脆くて繊細なものですが、イミテーションケーキなら素材の重さや性質に大きく制限せずに高さを出すことが叶い、デザインにこだわって豪華に作り上げることができます。

シュガーケーキ

出典:https://www.instagram.com/

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こちらはパスティヤージュのシュガーケーキ。砂糖・ゼラチン・卵白などを練り混ぜて粘土状にしたペーストを使って飾り付けます。
中身は、バターケーキであることもあれば、発泡スチロールで作られる場合も。
イミテーションケーキ同様、細かいデザインを実現できるのがシュガーケーキの魅力。
保存がきき、シュガークラフト部分は湿気などの影響がなければ100年もつそうです!

フレッシュケーキ

出典:http://patisseriemontblanc.jp/

いわゆる『生のウェディングケーキ』と呼ばれるフレッシュケーキ。
通常、『食べるもの』であるケーキはフレッシュであることが当然ですが、主に『飾られるもの』として作られるウェディングケーキの場合、前提はまた違うものとなってきます。

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重さや劣化などの制限があるといえども、生の食材を使ってできるギリギリのラインで新郎新婦の希望を実現させるのも、プロのパティシエの仕事。
イミテーションケーキの豪華さとはまた違い、食材の色や特性を活かしたフレッシュならではの魅力が溢れています。

近年のウェディングケーキの傾向

披露宴でのウェディングケーキは、衛生面の管理が大変なことや費用が高くかかるフレッシュケーキよりも、融通の利くイミテーションケーキが主流とされてきました。
しかしながら、ファーストバイトやサンクスバイト、ラストバイトが定番化するに連れ、自然な演出を行うためにもフレッシュケーキが選ばれることが多くなってきています。

特に最近は、新郎新婦がプランナーやパティシエと直接ケーキのデザインを細かく打ち合わせをすることも増えているそう。
フレッシュ・イミテーションに関わらず、デザインにこだわったオリジナリティあふれるケーキを作りあげていくことが主流となりつつあるようです。

海外の伝統的なウエディングケーキ3選

【アメリカ編】1段で長方形のスクエア型


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クリームやチョコレートで絵やメッセージなどを描いたり、フルーツをふんだんに盛り込んだりデザインが施しやすいことが特徴です。
フレンドリーでアットホームなパーティーを好むアメリカでは、新郎新婦が「共同作業」で最後のデコレーションをして切り分け、自分たちでゲストにケーキを配るという演出が定番です。

【フランス編】シューを積み上げたクロカンブッシュ


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シューはフランス語でキャベツ。
欧米では、「赤ちゃんはキャベツ畑から生まれる」と言われており、そのシューを積み上げることで子孫繁栄を願っていたのだとか。
その風習は現代にも引き継がれ、クロカンブッシュは今でも定番のウェディングケーキとして取り入れられています。

【イギリス編】伝統の3段ケーキは日本にも影響大


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1段目(一番大きい段)は、出席したゲストに配られ、その場で食べる用。
2段目は当日来られなかった方へお裾分けする用。
一番上の3段目は長期保存しておき、結婚式から1年経った「記念日」に2人で食べるのだとか。
シュガーケーキ発祥の国・イギリスらしい風習です。

ウエディングケーキの起源

ウェディングケーキの起源は、古代ギリシャ時代に、花嫁の頭上にビスケットをまいて新郎新婦の繁栄を祈ったことであると言われています(諸説あります)。
その後、18世紀後半頃、バターケーキにマジパンをかぶせ、アイシングなどでレース模様を描いたウェディングケーキがイギリスでつくられるようになったのが今のようなウェディングケーキのはじまりです。
それからも、その時代ごとの流行を取り入れながら今のような生クリームなどでデコレーションしたケーキが一般的に広まっていきました。

ウエディングケーキ作りのリアルに密着!

ウェディングケーキはブライダル事業に特化している企業やホテルであれば自社でつくることもありますが、式場によっては街のパティスリーに委託している場合もあります。
そこで今回は、ウェディングケーキに携わったことがないパティシエ必見の、「ウェディングケーキ製造現場」の様子をご紹介します。
店や式場によってパターンはいろいろですが、今回はパティスリーで受注した場合を例に挙げてみます。

打ち合わせ

ウェディングケーキの製造は、打ち合わせからはじまります。
式場のプランナーが打ち合わせを行う場合、パティシエが出向く場合などケースは様々。
新郎新婦は、「世界にひとつだけのウェディングケーキにしたい!」と思っていても、実際打ち合わせの場になると、やりたいことが多すぎてデザインが決まらないということもよくあります。
流行は次々と変わっていくため、オーソドックスなものから流行のものまで、パティシエ側も勉強しておく必要があるでしょう。
イメージやコストを具体的に説明しながら、ケーキのデザインを決めていきます。

コスト計算

ウェディングケーキは当日のお客様の人数や、一人当たりのコストの計算が大切です。
ゲストは100人、一切れ700円であれば、全体でどの程度の予算をかけていいのか、など検討していきます。
飴細工、チョコレート細工を使うとどうしてもコストがかかってしまうことなどもお客様に説明しなければいけません。
これらは作るのに時間がかかってしまうため、人件費・技術料がかかるのです。

式当日までの流れ【スクエア型ケーキの例】

2~4日前まで

納品4日前、チョコレート細工のパーツを作ります。
味の良さより加工のしやすさを優先させるため、プラスチックチョコと呼ばれる溶けにくいチョコレートを使用します。
融点が高く、一度固めると加工したままの形で持ちが良いのが特徴です。

飴細工の場合は2、3日前に作ります。
飴細工は製造工程で室温の温度管理が大切なので、専用の工房でつくることが多いです。
ケーキの土台となるジェノワーズは2日前に四角い方で焼きあげ、冷蔵庫で一晩休ませます。

前日

ほぼ完成まで作業を進めます。
ジェノワーズにイチゴと生クリームをはさみ、ナッペして平面を整え角も綺麗に整えます。
最終的にナッペする時に平面をキレイに取りやすくするため、これを冷蔵庫で休ませます。
ウェディングケーキは長時間常温にさらされるため、出来立ての状態では納品しません。
作りたてのケーキだと型崩れがしやすいので、休ませておいたケーキの土台に最終的なナッペを行い、生クリームで綺麗にコーティングするのです。

当日

早めの時間にフルーツをカットし、ケーキに乗せてツヤ出しのゼリーでフルーツをコーティング。
チョコレート細工を最後に乗せて出来上がりです。
フルーツを当日に乗せるのは、早めに乗せると果実の果汁が生クリームに沁み込んでしまうため。
最後まで気は抜けません。

納品

いよいよ式場へ納品です。
その際、運搬途中に傷がつくことを想定して直し用の生クリームとスパテラも持っていきます。
式が始まる直前に会場に設置し、最終的に見た目を整えて納品完了です。
式場によってはケーキ入刀が終わったケーキをカットする場合もあります。

ここまでがパティシエの仕事。
実際に結婚式の様子を見る機会は多くはありませんが、後日お手紙などでお礼の言葉をくださる新郎新婦の方もいらっしゃいます。

ウエディングケーキを作れる職場は?

実際にウエディングケーキを作ることができる主な職場は以下の3つ。

ホテル

ホテルのウエディング施設は会場が広く、天井が高いことが多いのでゴージャスなデザインケーキや高さのあるケーキが選ばれやすいことが特徴です。
また、一流シェフが所属するホテルや海外の有名シェフとコラボしたケーキを提供するホテルも。
ホテルのパティシエはペストリー勤務となるので、入社後はレストランや宴会などのデザートを作る部門に配属される場合もあり、ブライダル部門に携われるかどうかは人員状況や運次第といえます。
ラグジュアリーホテルや外資系ホテルなど、ブライダルに力を入れているホテルを選ぶと良いでしょう。

ゲストハウス

専属パティシエがイチから手作りしている会場や、仕上げのみを行っている会場などさまざま。
基本的にはウエディングプランナーが打ち合わせをした内容に沿って作りますが、会場によっては直接新郎新婦と打ち合わせをする場合もあり、自由度が高いのが魅力。
レストランウエディングは料理に力を入れている分、フルオーダーケーキになることが多いので、レストラン営業のある会場を探すのがおすすめ。

式場提携のパティスリー

ホテルやゲストハウスに比べると数は少なめですが、会場と提携し、ウエディングケーキの卸をしているパティスリーもあります。
パティスリーで販売するケーキや焼菓子の製造をしながら技術を磨きつつ、ウエディングケーキの製造にも携われるので一石二鳥。
新郎新婦が会場へ持ち込むために自分たちでオーダーをしてくることもあるので、直接関わることができるのもうれしいポイントです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?シンプルでスタイリッシュな中にも新郎新婦のこだわりが光るケーキが目白押しでしたね。
ウエディングケーキのトレンドはだいたい3年サイクルで入れ替わると言われており、パティシエ自身でも市場のリサーチをすることは欠かせません。
一生に一度の思い出となるウエディングケーキ、私も作ってみたい!という方は、ホテルやゲストハウスなど、興味のあるお仕事を探してみてくださいね。

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