洋菓子店(ケーキ屋)の仕事内容や1日の過ごし方、やりがいを詳しく解説!

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洋菓子店・パティスリー・ケーキ屋さんで働きたい!
でも、仕事内容は?具体的に何をするの?が気になっている方必見!

洋菓子・パン業界専門の求人サイト「パティシエント」が、洋菓子店(ケーキ屋)での仕事内容や1日の過ごし方、やりがいなどを詳しく解説します!

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洋菓子店・パティスリーの仕事内容

洋菓子店・パティスリーの仕事内容は、大きく「販売」と「製造」があります。それぞれの仕事内容について解説していきます。

お店の顔となる販売スタッフ

洋菓子店に欠かせないお菓子を作るのはパティシエたちですが、丁寧に作ったお菓子もお客様に食べていただけないと意味がありません。
そこで活躍するのが販売スタッフの存在です。
単にお菓子を販売し、接客するだけでなく、実は様々な仕事をしています。

ケーキの箱詰め

洋菓子店の場合、ケーキはお持ち帰りいただくことがほとんどです。
お客様から指定されたケーキはショーケースからスタッフがピックアップ。
会計後、箱にケーキを入れていきます。
お客様が持ち運んでも、繊細なケーキが崩れたり壊れたりしないように、ケーキをしっかりと守る必要があります。
ケーキの数によって箱の大きさを変えたり、隙間ができないようにスペーサーを使いながら入れていったり…さらに、お客様をお待たせしないようにスピードも大切。
実は様々なテクニックが詰め込まれています。
慣れるまで時間はかかりますが、綺麗に箱詰めできた時は達成感があります。

熨斗・ギフト・ラッピング対応

ケーキの他、焼き菓子は贈答品・手土産としても多く利用されます。
相手への贈り物なので「自分の好みで選べない」と悩まれるお客様もいます。
その場合、訪問先の家族構成や年齢層、食物アレルギーがないかなど、詳しくお聞きし、喜んでいただけるお菓子の相談に乗ることも。
提案の末「ありがとう」と言っていただけた時、販売スタッフとしてのやりがいを感じるそうです。
贈り物は、お客様の大切な方との関係性を深めるもの。
熨斗の宛名書きや綺麗なラッピングができるようになるには反復練習が必要ですが、誠実に対応することで「またあなたに相談しに来た」というお客様が増えるのです。

電話応対・予約管理

洋菓子店には「今日は空いていますか?」「何時までですか?」「このケーキはまだありますか?」「ケーキを予約したい」など、様々な電話がかかってきます。
中でも大切な内容としては、誕生日ケーキの予約に関わるお問い合わせです。
来店されて現物を見ているわけではないので、どれくらいの大きさか?どんなケーキか?といった商品のご案内に加えて、メッセージの内容は?ローソクの数は?受け取り日時など、必要な項目を漏らさずお聞きする必要があります。
しかし、お客様の大切な日を一緒にお祝いできる、というのは洋菓子店だからこその喜びです。

レジ会計

お客様全員が利用するレジは、お店の顔とも言えます。
合計金額をレジに打ち込み、会計が進みます。
その際「合計金額」「受取金額」「お釣り」の3つをしっかり確認する必要がある大事な業務です。
レジの種類はお店によって異なりますが、中にはケーキ一つひとつの金額を手で打ち込まないといけない古い機種を使っているお店も…。
お金を扱う業務は責任重大ですので、最新のレジを導入しているお店だと安心です。

陳列・売り場作り

ショーケースへの商品補充はもちろん、ケーキの並べ方を工夫したり、クリスマスやバレンタインなど季節のイベントに合わせた飾りつけやPOPの作成、レジ周りに置く商品選びといった販売促進には、販売スタッフのアイデアが活かされています。
「このお菓子がよく見られている」「女性はこのお菓子を選んでいる」など、普段からお客様に一番近い距離で接している販売スタッフだからこそ気づけることが多くあるからです。
お客様が自分の狙い通りに購入していかれた際は、自分のアイデアが発揮できた!と手応えと喜びを感じます。

その他店内の管理

店内やショーケースケーキ、窓の清掃などお店の清潔感をキープするための掃除や、ケーキ箱の在庫や伝票の管理など、お客様が来店される前後の仕事も様々。
イートインスペースがあるお店なら、ドリンクの準備、食器を下げたり洗い物をしたり。
お客様がいない時間を活用して、細かな仕事もこなしています。

販売スタッフは様々な仕事を担っていますが、もちろん初めからすべてを完璧にこなせる必要はありません。
ほとんどのお店にはきちんとマニュアルがあり、上司や先輩の指導のもと、一つひとつ覚えて一人前になっていくことができます。

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お菓子を作る製造スタッフ(パティシエ)

パティシエの仕事は、洋菓子店に欠かせないケーキ、焼き菓子、バースデーケーキなどを作ります。
お店によってはゼリー、チョコレート、パフェ、かき氷を作るところも。
単に「作る」以外にも、パティシエは様々な仕事に取り組んでいます。

商品の製造

洋菓子店に訪れるお客様の目的は「お菓子を買うこと」です。
パティシエは、来店されたお客様が求めるお菓子を作り、お店に並べておく必要があります。
商品の種類で担当分けされていたり、製造工程担当分けされていたり、もしくは担当がなく状況に応じて臨機応変に作るお店も。
製造体制はお店の規模や方針によって大きく異なります。
また同じケーキでもお店によって作る過程や材料が異なり、学べることは千差万別です。

材料管理・発注業務

製造以外では、お菓子を作る材料の管理も仕事の内。
クリーム、卵、フルーツなどは適切な保管をしなければ痛んでしまうため、お客様の健康を守るために特に注意を払って管理しています。
パティシエはいつも何をどれくらい使ったかをチェックし、無くなりそうなら前もって業者に発注します。
また洋菓子店では、材料だけでなく、生地やジュレといったケーキの構成の一部分を前もって製造し、ストックしておきます。
いつ作ったものが、どの冷蔵庫に入っているかを把握しておくことも大切です。

生産管理・製造管理

実は洋菓子店に並んでいる数々のケーキや焼き菓子は、すべてその日に作っているわけではありません。
何日かかけて生地やジュレ、ソースなどを作りだめしています。
このことをキッチンでは「仕込み」と呼び、この仕込みをどれだけ効率よく進められるかが、お店の製造力の肝になります。
最初のうちは製造計画を意識することは少ないかもしれませんが、「何日分の仕込みをしている」と理解できているとスムーズに仕事を覚えられるでしょう。
また製造計画を立てられるようになると、パティシエのリーダーやスーシェフといった管理職にキャリアアップすることができます。

衛生管理

洋菓子店に限りませんが、食品を扱うお店では衛生管理が重要です。
衛生管理を徹底しなければ、異物混入などお客様の健康被害に繋がってしまいます。
衛生管理はお店ごとのルールもありますが、国で決められた基準(HACCP)をもとに、厨房機器、機材、環境は清潔に保たれているか?ゴミや排水をきちんと処理しているか?など、細かなチェック項目があります。
パティシエとして働く上で「美味しいものを作れる」以前に「食品を扱う」という意識をしっかり持っておく必要があるのです。

製造スタッフ(パティシエ)も、お菓子を作るにあたって様々なことを意識し、仕事に取り組んでいます。
販売スタッフと同じく、初めからすべてをこなせる人はいません。
誰もが失敗を経験し、シェフ・先輩から教えてもらいながら「パティシエの技術」を身につけていきます。

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利益を確保する店舗責任者

販売スタッフ・製造スタッフの仕事内容について解説しましたが、洋菓子店にはその他にも店舗を管理する責任者がいます。
小さなお店ではオーナー(経営者)自身が責任者を担っていることがほとんどですが、数店舗展開するお店には、お店ごとに「店長」や「シェフ」が置かれていることも。
仕事内容について解説します。

売上の管理

日々の売上金を確認し、日報や週報を使ってオーナーに報告を行います。
ただ「レジ締め」「レジ金確認」だけの仕事ではありません。
売上を記録・報告するのは、オーナーや経営者が経営を行うためです。
売上の内訳からニーズを分析したり、目標に届かなかった原因を考えたり、経営をさらに良くしていく情報も合わせて報告すると店舗責任者として信頼されます。

シフトの作成・人件費の調整

洋菓子店は飲食店と同じく、スタッフはシフト制で働いています。
シフトは1日あたりの労働力を決定する大事なもの。
適切に決めないとスタッフの誰かに負担が偏ったり、業務がスムーズに進められず、お客様に迷惑をかけることにも繋がります。
しかし、スタッフの働きやすさも大切です。
できるだけ希望を受け入れながら業務を円滑に進めるシフト作りに頭を悩ませる。
そんな店舗責任者も少なくないようです。

スタッフの教育

新人を指導したり、成長を促したり…スタッフを教育することも、店舗責任者としての仕事。
目的は「利益の確保」です。
そのためにもお客様がいつ来ても満足していただける状態を作っておくことが大切なので、スタッフがしっかりと接客対応できるように教育する必要があります。
人が関わることなので接客とは別の難しさがありますが、教育の末活躍してくれた際には、やりがいを感じられるところです。

季節イベントの販売促進・行事準備

クリスマスやバレンタイン、母の日など洋菓子店にはいくつかの繁忙期があります。
お菓子を求めるお客様が増える時期に、ちゃんと自店の商品を選んでもらうこと。
それが「利益の確保」に繋がります。
事前に季節商品の宣伝を行ったり、POPの準備や売り場計画など、売上管理と連動して戦略を立てていきます。
最近はSNSを活用しているお店が多く、今後店長はSNSの運用スキルも必須になりそうです。

洋菓子店の責任者は、販売もしくは製造で一通りの仕事ができるようになった人が就くことがほとんど。
通常業務はできることがベースで、徐々に責任者としての仕事を任されていくケースが多いようです。
その分お給料も高く、やりがいも大きいポジションです。

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洋菓子店・パティスリーの1日

それぞれの仕事内容は分かりましたか?次は、洋菓子店の1日を覗いてみましょう。
とあるお店の、ある日の1日を例に挙げています。

販売 製造
7:00〜 業務開始
開店に向けてケーキの仕上げ!
9:00〜 業務開始
ケーキをショーケースに陳列
仕込み開始
翌日以降の仕込みをスタート!
10:00〜 朝礼
本日のケーキ・予約の確認
朝礼
本日のケーキ・予約の確認
11:00〜開店 営業スタート
お客様優先で接客・販売
休憩
午後に備えてリラックス
12:00〜 休憩は交代で! 仕込み再開
16:00 在庫チェック 片付け
業務終了

残って自主練する人も◎
18:00〜 片付け準備
19:00 閉店 売上確認
清掃など
20:00 業務終了

働くイメージはつきましたか?営業時間やお店の規模によって1日の過ごし方も異なりますが、大きな流れはどのお店も同じです。
アルバイトは「午前の準備だけ」「午後の接客だけ」など、柔軟に働くこともできます。
洋菓子店のすべての仕事を正社員のスタッフだけで行うのは難しいため、短時間勤務のアルバイトスタッフの協力は不可欠なのです!

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洋菓子店・パティスリーで働いて身に付くこと

洋菓子の基礎知識

自店の商品をきちんとお客様に伝える仕事なので、必然的にケーキや焼き菓子について詳しくなります。
ケーキの名前の由来や歴史、どんな材料で作られているのか、味わいなど。
お客様にイメージをしていただくことができれば、購入にも繋がりやすい上にお店のファンになってくれます。
販売スタッフであれば、基礎知識だけでなくパティシエの仕事ぶりを間近で見て、製造工程での工夫やこだわりも知ることができます。
洋菓子にハマって自店だけでは飽き足らず、他店を巡って食べ歩きをし、ケーキ研究をする人もいます。

贈り物・ラッピングの知識

先述した通り、お中元、お歳暮、その他お祝いなど贈り物としてお菓子は定番です。
熨斗の種類やマナー、色に込められた意味など、ギフト関連の知識がつきます。
ギフトの知識は洋菓子店だけでなく百貨店での接客で活かせます。
また会社勤めをしていても取引先に贈り物をする機会は多々ありますので、得た知識から適切に手配することができるでしょう。
もちろん自分自身が大切な人に贈り物をする時にも、マナーを心得た贈り方ができます。

臨機応変さ

洋菓子店はゆったり落ち着いた印象かもしれませんが、パティシエは常にたくさんの種類のケーキを効率よく製造していて忙しく、販売もたくさんの仕事を同時にこなしています。
落ち着いた雰囲気に感じるのは、スタッフは一人ひとりが「お客様の笑顔をいただくために…」を考え、臨機応変に接客に取り組んでいるからでしょう。
洋菓子店に限らず、サービス業は「臨機応変さ」を身につけさせてくれる業種です。

洋菓子店・パティスリーで働くやりがい

お客様と長いお付き合いができる

洋菓子店は住宅街に位置していることが多く、地域に住む方から「誕生日は、あそこのケーキ屋さんで予約しよう」と毎年利用されることも。
特別な日だけでなく、ケーキのファンになってくれたら毎月通ってくれたり、贈り物を必ず注文してくれたり…お客様と長いお付き合いができます。

感謝の言葉が嬉しい

洋菓子店で働く人に「やりがいは何ですか?」と尋ねると、ほとんどの方が「お客様からの感謝の言葉です」と答えます。
製造はお菓子の味で、販売は接客で、お客様の笑顔を生み出します。
繁忙期は忙しくバタバタと過ごしがちですが、そんなスタッフの心を支えているのが「お客様に喜ばれている」という実感なのです。

街を元気にできる!

洋菓子店の価値は、実はケーキを販売するだけではありません。
ケーキの評判が有名になればなるほどお菓子好きの注目を集め、地域に訪れる人が増えることも。
例えば兵庫県の三田市は「エスコヤマ」が地域活動に積極的だったこともありますが、三田市に訪れる人を増やしているという実例もあります。
洋菓子店は街の活性化にも一役買う存在なのです。

まとめ

洋菓子店・パティスリーのお仕事はイメージできましたか?
洋菓子店の喜びは「お客様を笑顔にできること」「幸せな気持ちにすること」にあります。
あなたにもし、同じ気持ちがあるなら洋菓子店でのお仕事は合っているかもしれません。

お店によって良いことと悪いこと、厳しいことと嬉しいことが異なります。
「興味はあるけど不安」という方は、洋菓子・パン業界専門のキャリアドバイザーにご相談くださいね。

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written by

あかざしょうこ

1984年生まれ。PATISSIENTの編集ライター。「人生の教科書は人」をモットーに、聞いたり書いたりしています。

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