「日本人パティシエはココがすごい!」フランス人からの評価って?

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みなさん、はじめまして。今年からパティシエントで記事の執筆に加わりましたRodyです。
フランスに住んで4年目になります。フランスと日本の架け橋となるような現地のパティスリー情報をみなさんにお届けしていきたいと思います!

さて、お菓子大国とも言われるフランスに住む私も、もちろんお菓子が大好きで、普段から地元のパティスリーで新作のケーキを食べ歩いています。そのなかでフランスのパティシエやオーナーシェフと話をすることも多いのですが、「日本人は、真面目に働いてくれる」「日本人は手先が器用なんだ」などの言葉をいただき、私たち日本人にとても良い印象を持たれていることが分かってきました。

そこで今回は、フランスのパティスリーのオーナーシェフ、そしてフランスで活躍している日本人パティシエにも、「日本人パティシエのすごいところ」を詳しく聞いてみました!

オーナーシェフから見た、日本人パティシエの『すごい!』

出典:https://www.instagram.com/

日本人パティシエはとにかく真面目!

どのオーナーシェフに聞いても、まず出てくる感想がコレ!
日本と同じく、フランスでもパティシエは朝が早く体力が必要とされる仕事です。パンが主食のフランスでは、ベーカリーだけではなくパティスリーでもパンを朝から販売しているお店が多く、営業開始が「朝6時」ということも珍しくありません。したがって出勤時間は営業開始よりもっと早く、真夜中に眠たい目をこすりながら家を出る…というのがフランスのパティシエ事情。そんな過酷な労働に耐えきれないのか、当然のように遅刻や無断欠勤をしてしまうのがフランス人パティシエだそうです。

遅刻、無断欠勤が絶えないなか、日本人パティシエなら「ちゃんとお店に来てくれる」。仕事に対する真面目な姿勢は、フランス人パティシエ、特にオーナーにはとても立派に映るそうです。「だから日本人は、信頼して雇えるんだよね」とおっしゃっていました。

味を忠実に再現する能力は、世界でもトップレベル!

海外の技術を取り入れることが得意な日本人。世界屈指の観光大国となった”古都”の京都や奈良の建造物も、元々は中国大陸に派遣された遣唐使が日本に持ち帰って、日本風にアレンジされたものですよね。お菓子作りの技術も例外ではなく、日本人の「そのお店の味を再現する技術」が非常に高いことは、フランス人パティシエの間で有名だそうです。ちなみにフランス人の場合、お店のルセットがあったとしても、「自分はこっちの方がスキだから」とついついアレンジしてしまうこともあるのだとか…。良い意味でも悪い意味でも”自分らしさ”を大切にするフランス人パティシエは、時にオーナーシェフを困らせてしまうようです。

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その点、日本人であれば、お店の顔となるお菓子の味を忠実に再現するので、安心して仕事を任せることができるそう。
また、その味や技術を日本に持ち帰っても高いレベルで再現できることが、日本の洋菓子技術が高い評価を受けている理由なのだろうとおっしゃっていました。

同じ日本人パティシエだから分かる『すごい!』

現在フランスで働いている”日本人パティシエ”にもお話を伺いました。同じ日本人だからこそ分かる、日本人パティシエのすごいところとは…?

衛生管理への意識が高い!

まずは衛生面。日本人はフランス人と比較しても、衛生管理への意識が圧倒的に高いそうです。
たとえば日本のパティスリーは定期的に保健所から衛生チェックが入りますが、フランスだと半年の間に一度もチェックされなかったこともあるのだとか。また日本人パティシエは爪を短く切ったり肌を清潔にしたりなど、日頃から神経を使って異物や雑菌の混入を防いでいますが、フランス人の場合「言われなければOK!」というテキトーぶり…。日本で働くにあたって”当たり前”の衛生管理は、実はフランスから見れば高いレベルだったんだと気づいたそうです。

協調性がある!

続いて仕事面。パティシエという仕事には、チームワークが不可欠ですよね。ところがフランスは個人主義社会なので、自己主張がとにかく強いそう。日本人のように協調性に長けている人には、なかなか出会えなくて困ったことがあるとおっしゃっていました。「誰かが困っていたら助ける」といった道徳心や協調性は、日本人だからこその大きな強みと言えるのではないでしょうか。

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繊細な作業が得意!

そして、手の器用さと繊細さは、日本人の何よりも『すごい!』ところ。フランス人に比べて手が小さく指が細い日本人は、細かい作業が非常に得意。繊細で難しい飾り付けなどは、フランス人よりも日本人の方が丁寧に仕上げるようで、現地のパティシエたちを度々驚かせているそうです。

まとめ

フランスでの日本人パティシエの評価、いかがでしたか?
手先が器用で繊細な仕事ができ、お菓子の味を忠実に再現する日本人が、製菓業界でいかに優れた「職人」であることが分かっていただけたのではないでしょうか。もちろん技術だけでなく、仕事に対して真面目で、細かいところにまで気を配れるからこそ、フランスで強い信頼を得ているようでした。

みなさんの中には、「毎日同じルーティンで疲れる」と感じている方も多いと思います。でも、その仕事の中で繰り返し取り組んでいる”ごく当たり前”の作業や意識は、海外のパティシエたちから見れば、実はとても『すごい!』こと。世界に誇れる技術と志を持つ日本人パティシエのみなさん、自分が当たり前のようにしていることを「強み」として考えてみてくださいね。

written by

Rody

フランス在住4年目。
在仏日本女子コミュニティふらんぽん(http://franpon.com/)ライター。
フランスと日本の架け橋となるようなパティスリー情報をお届けします!

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