【54種類】知っておきたい洋菓子の種類!国別の特徴・歴史も紹介

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ヨーロッパで誕生し、日本に伝わってきた洋菓子。
その種類や名前の由来など、あなたはどれだけ知っていますか?

今回は意外に知らない、主な洋菓子の分類・種類・名前をまとめました!

洋菓子の種類を分類ごとに紹介

洋菓子の種類を知る前に押さえておきたいのが「分類」です。
日本では大分類として和菓子・洋菓子に大きく分けられており、洋菓子は明治以降で日本に伝来したお菓子のことを言います。
その洋菓子のうち、中分類として含まれる水分量によって生菓子・半生菓子・干菓子の3種類に分けられています。

  • 生菓子
    水分量が30%を超える洋菓子。主にクリームやフレッシュフルーツを使うものが生菓子にあたります。消費期限は作られた当日中です。
  • 半生菓子
    生菓子の中でも製造方法や種類によって水分量が10〜30%の間になる洋菓子のこと。焼き込みのタルトやパウンドケーキなど、消費期限が数日間あるものを半生菓子と呼びます。
  • 干菓子
    水分量が10%以下の洋菓子。長期保存が可能で、クッキーやキャンディなどが分類されます。

分類を知った上で、次は洋菓子の種類と名前をチェックしていきましょう!

洋菓子の種類①スポンジケーキ

小麦粉・卵・砂糖を主としたスポンジ生地を使ったケーキ全般のことを言います。
生地の種類には卵白と卵黄を別に泡立てるビスキュイ生地(パータ・ビスキュイ)、同時に泡立てるジェノワーズ生地(パータ・ジェノワーズ)があります。
主なケーキは以下の通りです。

洋菓子の名前①-1 ショートケーキ

主に生地とクリームの層で構成されたもの。クリーム以外にもフレッシュフルーツやジュレ、ガナッシュを用いることもあり、アレンジは様々です。層を重ねて作られることから、海外ではレイヤーケーキと呼ばれるのが一般的です。
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洋菓子の名前①-2 ロールケーキ

スポンジ生地を板状に焼成し、クリームを塗って巻き上げたもの。生地とクリームだけで作られるシンプルなものから、クリームの種類や中に巻くフレッシュフルーツを変えたり、デコレーションしたりなど、専門店ができるほどアレンジが幅広いお菓子です。

洋菓子の名前①-3 シフォンケーキ

アメリカ発祥。シフォンケーキ型を使って、中央に穴が空いた形に焼き上げるケーキです。バターの代わりにサラダ油を使い、卵白の分量が多いことでふわふわの柔らかい食感に仕上げていることが最大の特徴です。
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洋菓子の名前①-4 パンケーキ

オーブンではなくフライパンなどの平鍋を使って丸く焼くケーキのこと。日本ではホットケーキと名称で広く親しまれています。アメリカ圏のお菓子のイメージがありますが、ヨーロッパ圏・アジア圏、南米やオーストラリアなど世界各国で一般的なお菓子と知られています。

洋菓子の種類②バターケーキ

生地にバターを多く含んだケーキ全般のことを指します。
スポンジケーキよりも生地の密度が高く、バターの風味が特徴です。
主なケーキは以下の通りです。

洋菓子の名前②-1 パウンドケーキ

イギリス発祥。小麦粉・バター・砂糖・卵を1ポンドずつ使うことに由来しています。フランスでは「カトルカール」と呼ばれ、これも4つの材料を同量使うことを意味しています。
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洋菓子の名前②-2 フルーツケーキ

パウンドケーキ生地にラム酒などに漬け込んだフルーツやドライフルーツを練り込んで焼いたもの。

洋菓子の名前②-3 バウムクーヘン

ドイツ発祥の代表的なお菓子。中心に穴があり樹木の年輪のような模様が特徴です。ドイツには国立洋菓子協会が定めた『バウムクーヘンの定義』が存在し、厳しい基準をクリアしたものだけが本物のバウムクーヘンだと認められます。

洋菓子の種類③シュー菓子

シュー生地を使ったお菓子のことを言い、バター・水・小麦粉から作られています。
生地は水分を含んでいるため、焼成中に蒸気が発生します。
その蒸気を利用して生地を膨らませていて、軽い食感が特徴です。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前③-1 シュークリーム

シュー生地にカスタードクリームを詰めたもの。フランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」、英語圏では「クリーム・パフ」と呼ばれています。「シュ」はフランス語でキャベツを意味しており、丸く絞り出して焼く形状に由来しています。
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洋菓子の名前③-2 エクレア

フランス発祥。細長く焼いたシューにクリームを詰めるか挟んだもの。さらにシュー皮にチョコレートなどで糖衣がけしているものが一般的で、フランスでは最も基本的なお菓子と言われています。
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洋菓子の名前③-3 サントノレ

複数の小さなシュークリームをカラメルで組み立てたフランス菓子。パリのサントノレ通りのパティスリーで考案されたことに由来しています。バリエーションも多く、華やかな見た目からお祭りや特別な日に食べられることが多いそうです。

洋菓子の名前③-4 パリ・ブレスト

自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」の開催を記念して考案されたことに由来したリング状のシュークリーム。クリームにプラリネを加えていたり、ムースリーヌにするなどが一般的です。

洋菓子の種類④発酵菓子類

パンのように、酵母を使い発酵させて作るお菓子のことです。
発酵する工程を加えることでクッキーやケーキも「発酵菓子」と呼ぶ場合もあります。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前④-1 サヴァラン

焼き菓子の一種で、ブリオッシュ生地をシロップや洋酒に浸し、クリームを飾るお菓子。デザートとして食されているババをプティガトーとしてアレンジしたものです。ババはラム酒を使用しますが、サヴァランに使われる洋酒の種類に決まりはありません。ブリオッシュ生地に「発酵」の工程があるため、発酵菓子に分類されています。
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洋菓子の名前④-2 デニッシュペストリー

バターと砂糖を多く配合した生地を発酵させ、パイのように層を作って焼いた菓子パンのこと。クリームやフルーツといったフィリングのバリエーションが幅広く、食事として食べられることもあります。

洋菓子の名前④-3 シュトレン

ドイツ発祥の菓子パン。ドイツ語で「坑道」を意味し、酵母の入った生地にレーズンやドライフルーツ、マジパン、ナッツなどが練り込まれ、外側に粉砂糖をたっぷりまぶすことでクリスマスまでの保存食として広まっています。ドイツでは生地配合によってバリエーション名称があります。
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洋菓子の種類⑤フィユタージュ類

フィユタージュは折り込みパイ生地を意味していて、パイ生地を使ったお菓子全般のことを言います。
生地をバターで包み、伸ばして折っての繰り返しで層を作り、サクサクと独特の軽い食感と風味を生み出しています。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前⑤-1 ミルフィーユ

フィユタージュでクリームを挟み、表面に粉砂糖や糖衣がけしているものを基本としたケーキ。カスタードクリームを用いられることが一般的です。日本では苺のミルフィーユをナポレオンを呼ぶこともありますが、海外では通常のミルフィーユのことを指します。
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洋菓子の名前⑤-2 タルト

パイ生地で作った皿型の器にクリームやフルーツなどを詰めたもの。タルトは総称でもあるがホールサイズの大きなものを指し、1人分のサイズはタルトレットと呼ばれます。卵液を入れて焼き上げるタルトは甘くないため「セイボリー」に分類されます。

洋菓子の名前⑤-3 アップルパイ

アメリカを代表するお菓子。砂糖煮にしたりんごを詰めて焼き上げたパイのことを言います。タルトと異なるのは、ホール型だけでなく生地を巻いて焼いたロール型やサンド型などのバリエーションがあります。

洋菓子の種類⑥キャンディ類

味や色をつけた砂糖や水飴を煮詰め、常温で固めたお菓子のことです。
フランスでは「コンフィズリー」と呼ばれる。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前⑥-1 パート・ド・フリュイ

フランス菓子の一種で、フルーツのピューレに砂糖などを加えて煮詰めて固めた一口サイズの砂糖菓子。ゼラチンや寒天といった凝固剤は使わず、フルーツに含まれるペクチンの作用でゲル化させています。
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洋菓子の名前⑥-2 キャラメル

砂糖、生クリームまたは牛乳、バター、蜂蜜を115〜121℃程度に熱し、固めた砂糖菓子。乳製品を使用していることが特徴で、日本では生クリームを多量に使う生キャラメルもあります。

洋菓子の名前⑥-3 ヌガー

砂糖と水飴を低温で煮詰め、ナッツやドライフルーツなどを混ぜて固めた砂糖菓子。歯に粘りつくようなねっとりとした食感が特徴ですが、メレンゲを加えることで軽い食感を生み出す「ヌガー・ド・モンテリーヌ」もあります。

洋菓子の種類⑦チョコレート類

カカオ豆を発酵させた後、焙煎したカカオマスを砂糖やココアバターと溶かし、固めたお菓子のことを言います。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前⑦-1 ガトーショコラ

ガトーショコラはフランス語であり、日本でのチョコレートケーキ全般のこと。生地、クリームにチョコレートを使用しています。世界各国に種類があり、フランスの「オペラ」「フォンダン・オ・ショコラ」、アメリカの「ブラウニー」、オーストリアの「ザッハトルテ」もガトーショコラの一種です。

洋菓子の名前⑦-2 トリュフチョコレート

チョコレートと生クリームを混ぜたガナッシュを、球状に丸めてココアパウダーやチョコレートで糖衣がけしたもの。キノコのトリュフの形状に似ていることが由来しています。

洋菓子の名前⑦-3 ボンボン・ショコラ

中にフィリングを詰めた一口サイズのチョコレート。板状で層を作った後に切り分け、チョコレートコーティングを施す方法は「フランス方式」と呼ばれ、型にチョコレートを流し込んでからフィリングを詰めていく方法は「ベルギー方式」と呼ばれます。

洋菓子の種類⑧デザート類

フランス語の「dessert(デセール)」に由来しています。
元々、料理だけで摂取できない糖分やビタミンなどの栄養素を補うため役割があり、食後に食べるものとして知られています。
主な種類は以下の通りです。

洋菓子の名前⑧-1 プリン

イギリスの蒸し料理「プディング」を原型に、牛乳と砂糖を混ぜた卵液を加熱してカスタードを固めたものです。ポルトガルなど南米では「フラン」、フランスでは「フレーム・カラメル」と呼ばれます。凝固剤を使用して固めるものはケミカルプリンに分類されます。

洋菓子の名前⑧-2 ババロア

フランス語で「バイエルンの」を意味しており、バイエルン王国の貴族のために考案されたデザートと言われています。固めるために凝固剤を使っていることが、ムースやプリンとは異なる特徴です。

洋菓子の名前⑧-3 ゼリー

主に果汁、ゼラチン(凝固剤)、砂糖の組み合わせて固めたもの。

洋菓子の名前⑧-4 クレープ

パンケーキの一種ですが、パンケーキよりも生地が薄く、巻いたり折ったりして様々な材料を包み込んで作ります。クレープに洋酒を注いでフランベするものを「クレープ・シュゼット」、クレープ生地を何枚も重ねたものを「ミル・クレープ」と呼びます。生地にそば粉を使うのは「ガレット」と言います。
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国別でよくわかる洋菓子の特徴と歴史

「洋菓子」といえば最初に思い浮かべるのは、フランス菓子ではないでしょうか。
しかし、洋菓子は西洋菓子の総称であり、ヨーロッパの各国に様々なお菓子の起源が存在し、製法や傾向などにも少しずつ違いがあります。
またアジア圏にももちろんスイーツを楽しむ文化が根付いています。
各国のお菓子にはどのような特徴があるのか、それぞれの国の伝統菓子と一緒にご紹介します。

国別・洋菓子の特徴①ドイツ菓子

ドイツ菓子は、基本的な生地やクリームなどの製法はフランス菓子と変わりません。
種類は大きく分類すると、比較的シンプルな焼き菓子のクーヘンや、生クリームやフルーツを使ったトルテなどがあります。
日本のケーキと比べるとサイズが大きく、直径30cmのトルテも珍しくありません。
大きさに対して甘さは控えめで、素朴で親しみやすいものが多いです。

シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ

ドイツで圧倒的人気を誇っている定番のケーキ。直訳すると「黒い森のさくらんぼ酒ケーキ」で、シュヴァルツヴァルト地方の特産品であるさくらんぼの洋酒を使って考案されました。フランスでは「フォレ・ノワール(黒い森)」として広まっています。

シュトロイゼルクーヘン

シュトロイゼルは「そぼろ」を意味しており、バター、砂糖、小麦粉を混ぜたほろほろとした食感の菓子パン。ドイツのパン屋・ケーキ屋にとって定番の商品として広まっています。

レープクーヘン

シナモンやナツメグなどの香辛料を使ったクッキー。チョコレートや砂糖でコーティングされ、日持ちすることからクリスマス菓子として親しまれています。ドイツではレープクーヘンの最低限の品質が法律で定められていて、基準を満たさないと「レープクーヘン」の名前で販売できないそうです。
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国別・洋菓子の特徴②イギリス菓子

イギリスといえばアフタヌーンティーとスコーンを思い浮かべるかもしれません。
紅茶とともに軽食やお菓子を食べる習慣があるイギリスでは、お菓子の種類が非常に充実しています。
ふわふわとした食感よりも、ボリュームのあるものが好まれるため、泡立て器を使用せずに木べらだけで作ることもあるそうです。

ヴィクトリアスポンジケーキ

ヴィクトリア女王がアフタヌーンティーの際に一番気に入っていたというケーキで、2枚のスポンジ生地にラズベリージャムをサンドしたシンプルなお菓子。イギリスでは最もメジャーなお菓子として親しまれています。

クリスマス・プディング

イギリスの伝統的なクリスマスケーキ。各家庭で作ることが浸透していて、様々なレシピが存在します。プリンとは違い、パン粉や小麦粉、牛脂、ドライフルーツ、ナッツなども使います。
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ファッジ

イギリスでは専門店があるほど人気のお菓子。砂糖と牛乳や練乳、バターをベースにチョコレートやフレーバーを混ぜ込んだ砂糖菓子でキャラメルに似ていますが、食感はほろほろとして口の中で溶けやすいものです。

国別・洋菓子の特徴③イタリア菓子

実はフランス菓子より古い歴史をもつイタリア菓子。
イタリア語で甘いという意味を持つ『ドルチェ』は、お菓子を示す言葉として私達日本人に馴染み深いですね。
傾向としては蜂蜜やチーズ、ナッツ類を使用したお菓子が多いようです。

ティラミス

ティラミス(Tira-mi-su)は直訳すると「私を上に持ち上げて!」で、「食べて元気になる」という意味を持ちます。エスプレッソを染み込ませた生地にカスタードソース・マスカルポーネチーズを合わせたクリームを合わせた層を重ねたケーキです。

マリトッツォ

ブリオッシュ生地やパン生地にクリームを挟んだ菓子パン。イタリアでは朝食としても浸透しています。伝統的なものはオレンジピールやレーズンなどが加えられます。

パンナコッタ

イタリア語で「煮詰めたクリーム」を意味した伝統的なデザート。プリンと似ているが卵液を使用せずゼラチン(凝固剤)を加えている点に違いがあり、卵を使っていないため砂糖と凝固剤が溶ける程度に加熱して作ります。
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国別・洋菓子の特徴④ウィーン菓子

ウィーン菓子はウィーンに限ったものではなく、オーストリアの他の地域でも似たお菓子が作られていることも少なくありません。
製法はシンプルで、ナッツや香辛料などを生地に混ぜ込む手法が特徴的です。

ザッハトルテ

ウィーン菓子を代表するチョコレートケーキで「チョコレートケーキの王様」と称されています。200年前の配合や作り方が伝統として守られており、濃厚な味わいのため、無糖の生クリームを口直しに添えることがあります。

カルディナール・シュニッテン

卵黄の比率を多くした黄色の生地と、メレンゲ生地を交互に絞って焼いたストライプ柄が特徴のケーキ。カトリックの旗をモチーフにしています。コーヒークリームを挟むのが一般的ですが、ジャムだけを挟んだ昔ながらのものもあります。

モア・イム・ヘムト

「白いワイシャツを着たムーア人」という由来を持つ伝統的なデザート。フォンダンショコラに似ており、ケーキの中からチョコレートが溶け出します。

国別・洋菓子の特徴⑤フランス菓子

マカロンの発祥地はイタリアであるとも言われており、今フランス菓子として市場に出ているものでも、実は発祥が違う国であるものは数多くあります。
かつてのフランス菓子は食後のデザートとして嗜まれることが多かったため、料理とのバランス、料理に負けないようなコクのある味わい、すなわち甘みやお酒のきいたものが必要とされていました。
そういった背景から技術と食文化の大きな発展によって、フランス菓子は現在のように幅広い形へと変化したのです。

タルト・タタン

型の中にキャラメリゼしたりんごを敷き詰め、タルト生地をかぶせて焼き、ひっくり返して切り分けて食べる家庭的なお菓子。ホテルの料理人の失敗から偶然生まれたという逸話があります。

カヌレ

ボルドー女子修道院で作られていたと言われている焼き菓子。カヌレとは「溝のついた」を意味しており、溝のついた型に生地を流し入れて焼くことが特徴です。日本でも専門店ができるほど定着しており、カヌレ型を使ったアレンジ菓子も登場しています。

ガレット・デ・ロワ

「王様のお菓子」という意味があり、王冠が乗ったパイ菓子です。中にフェーブと呼ばれる陶器の人形が入っており、切り分けた際にフェーブが当たった人は王冠を被り家族から祝福を受ける風習があります。

国別・洋菓子の特徴⑥スペイン菓子

国土が広く、アーモンドやスパイス類の栽培が盛んなスペイン。
スペイン産の素材を活かしたお菓子が多く、またミルクやバターもたっぷりと使うことが特徴です。
隣国のポルトガル、フランスの文化の影響も受けており、地域によって様々なお菓子が伝えられています。

ポルボロン

ポルボは粉、ロンは崩れるを意味しており、崩れやすくほろほろの食感が特徴のクッキー。ポルボロンを1つ口に入れ、崩れないようにポルボロンの名前を3回言えると幸せになれるというおまじないが伝えられています。

フラン

プリンのことを言い、カスタードクリームを冷やし固めたお菓子。プリンよりも長く冷やすため、食感は硬めに仕上がることが多いようです。

バスクチーズケーキ

バスク地方で生まれた、表面を黒く焦がしたチーズケーキ。ベイクドチーズケーキの一種ですが、中はしっとりと溶けるレアチーズケーキのような食感です。日本ではコンビニスイーツをきっかけに流行し、広く親しまれています。

国別・洋菓子の特徴⑦アメリカ菓子

世界一の大国、アメリカは移民が多く、各地に様々なスイーツ・お菓子があります。
甘くてボリューミーなものが多く、アメリカンクッキーやチェリーパイはその代表格です。

カップケーキ

アルミや紙のカップに生地を流し込んで焼いた小さなケーキ。デコレーションアレンジで個性を出しやすく、日本では専門店も登場しています。

ドーナツ

リング状のものだけでなく、形状は様々あるが揚げている小麦粉のお菓子を指します。しかし揚げるだけでなく「焼きドーナツ」や「茹でドーナツ」など加熱にも様々な方法があります。

ニューヨークチーズケーキ

ベイクドチーズケーキの一種ですが、ニューヨークチーズケーキは蒸すように「湯煎焼き」でじっくり加熱することで白っぽく焼き上がります。また土台にグラハムクラッカーやクッキーを砕いたものを型にいれているのも特徴です。

国別・洋菓子の特徴⑧韓国の菓子

伝統的なお菓子で言えば、もち米粉を乾燥させて水飴を塗った「油菓」や「韓菓」などがありますが、洋菓子のジャンルはまだまだ歴史の浅い韓国。
しかしながらアレンジが得意で、基本のレシピをもとに独自のお菓子を生み出しています。
カラフルで可愛いものが多く、韓国スイーツは今後も注目です。

トゥンカロン

マカロンの進化系として人気が高まった焼き菓子。韓国語の「トゥントゥンハン(太った)」が名前の由来とされており、マカロンよりもボリュームがあり、見た目もカラフルなものが多いです。

センイルケーキ

韓国での誕生日ケーキにあたるものです。フルーツやクリームで豪華に飾りつけるのではなくシンプルに仕上げ、メッセージプレートではなく直接ケーキにメッセージを書き込むスタイルが主流です。

クロッフル

クロワッサンとワッフルが合わさってできた比較的新しいお菓子。クロワッサン生地をワッフル型で焼き、クリームやチョコレートなどでトッピングすることでお菓子にも軽食にもできます。

国別・洋菓子の特徴⑨台湾の菓子

屋台が発展していることもあり、タピオカミルクティーに代表されるワンハンドスイーツが有名です。
またタピオカなど弾力性のある食感が好まれる傾向にあり、ビタミンたっぷりのフルーツや身体に優しいヘルシーな素材を使っていることも特徴です。

台湾カステラ

「昔ながらのケーキ」を意味する古早味蛋糕(グーザオウェイダンガオ)など地方により呼び名が異なりますが、特徴としてプリンのような卵感の強いふわふわ食感が挙げられます。オーブンで蒸し焼きにするのが一般的な作り方として広まっています。

パイナップルケーキ

台湾では「鳳梨酥(オンライソー)」と呼ばれており、パイナップルをジャム状にし、クッキー生地で包んで焼いたお菓子です。

豆花(トウファ)

台湾だけでなく中国やマレーシア、シンガポールなどでも人気のあるデザート。豆乳でプリン状のものを作り、フルーツやシロップなど季節に合わせてアレンジされます。

まとめ

いかがでしたか?
改めて見てみると、もしかしたら「あまり変わらないのでは?」と思われた方もいるかもしれません。
島国の日本と違い、国境が複雑で隣接しているヨーロッパ諸国では、ざまざまな地域の文化が影響して混ざり合ってきた歴史があります。
そのため、長い歴史を持っている洋菓子の起源も、はっきりしていなかったり、諸説存在していたりするものも数しれず存在します。
またフランスは酪農、イタリアは粉物が栄えているため、原材料の何を中心に考えるかで、国の特色が出てくる部分があるようです。

西洋菓子の分類にはっきりとした定義はなくとも、今回紹介した国以外にも、変わった伝統菓子はたくさん存在します。
日本ではあまり見られないようなケーキにも、注目していきたいですね!

written by

森野みどり

パティシエ経験者。
推しウィーン菓子はヴァニレキプファルン。食べた後歯が大変なことになるけど、ドイツ菓子のモーンクーヘンも好きです(笑)

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