洋菓子製造・パティシエの平均年収は約344.8万円です。
日本全体の平均年収443万円と比較すると、やや低めと言えるでしょう。
下積み時代なども含めると給料は少なく感じますが、高収入を稼ぐパティシエも当然います。
この記事ではパティシエの年収傾向や初任給のほか、給料アップを目指す方法もご紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
(※参照:洋菓子製造、パティシエ – 職業詳細 – job tag – 厚生労働省)
パティシエの平均年収
平均年収344.8万円は、製菓工場のパート従業員・独立開業したパティシエも含めた統計です。
求人サイトで募集されている正社員のパティシエなら、平均年収は380万円前後。
一般的な内訳としては月収23万円、ボーナスが月収1.5ヶ月分ほど支給されることが多いようす。
パティシエは就職先によって年収に幅があるので、気になる方は求人サイトで確認してみましょう。
パティシエで収入が高い業態は?
パティシエの収入は業態によっても異なります。
1〜5店舗ほどの中小規模のパティスリーでは、シェフ、スーシェフで月給30万円前後であることが多いようです。
年収の高い業態としては、上場企業や大手ブライダル企業、10店舗以上持つ大手パティスリー、百貨店などで全国展開している洋菓子ブランドなどが挙げられます。
上記のような大手企業でシェフやチーフになると、年収500万円程度まで昇給することもあります。
パティシエの初任給は月給18万円
新卒パティシエの初任給は、月給18万円程度が一般的と言われています。
お店の規模や業態によっても異なりますが、1年目の年収相場は200万円台です。
スキルありきの世界なので、経験の足りない下積み時代は、正直厳しく感じることもあるでしょう。
しかしやる気と実力次第では、比較的若く経験が少なくてもチャレンジできる職場もあります。
パティシエの形はさまざまなので、新卒・未経験の方はこれから目指すキャリアに合わせて色んな職場を知る事が大切です。
パティシエで給料アップを目指す方法
パティシエとして年収を上げる方法をまとめました。
スキル・経験を磨く
パティシエは職人としての側面が強いため、年収を上げるのに実力は欠かせません。
特に下積み時代は、まずクオリティを上げるために自主トレーニングや勉強を行うのが最優先です。
さらに裁量を持たせてくれる職場であれば、仕事の中でも効率よく経験を積むことができるでしょう。
留学なども費用・時間に余裕があれば有効ですが、目の前の仕事と地道なトレーニングだけでも得られるものはたくさんあります。
転職する
パティシエとして経験があるなら、より給料のいい職場を探すのが最短の方法です。
洋菓子業界はいまだにブラックな職場もありますが、業界内の報酬形態は少しずつ見直されています。
年齢が若い方やブランクのある方が歓迎されるケースもあり、想定年収を超えられる可能性も。
「年収にやや不満がある」という方は、まず色んな求人情報を見て、自分のスキルを活かせる職場があるかチェックしてみましょう。
独立開業する
パティシエとして一気に年収を上げるなら、独立開業は大きなチャンスとなります。
ただし成功する保証はないので、個人店で経営がうまくいかないリスクも覚悟しなければなりません。
独立開業で失敗しないためには、下積みとなるキャリア形成、スキルアップが重要です。
どんなお店を展開したいのか、どんな商品を作りたいのかを整理し、その分野に特化した経験を積んでおきましょう。
パティシエの給料はどう決まる?
パティシエの給料水準は、主に3つの項目で決まります。
スキル
パティシエは実力第一の職種なので、スキルがある人材は歓迎されます。腕がいいかどうかだけでなく、どんな技術を身に着けているか、開発のセンスがあるかもスキルの一つと言えるでしょう。
就職などでスキルをアピールしたい場合は、製作した商品写真などのポートフォリオを用意しておくとスムーズです。
経歴
中途採用であれば、パティシエとしての職務経歴も見られるポイント。
どんなお店・企業で勤めていたか、どんなポジションを経験したか等で、任せられる内容も変わります。
また職歴そのものよりも、経験の中から学んだことを活かせるかどうかが最も大切です。
華やかな経歴ではなくても、経験を実力に変えられる人材は給料にも反映されるでしょう。
マネジメント能力
パティシエとしてのスキル・経験以外で給料に影響するのが、職場を回すマネジメント能力です。
特にホテルやブライダル等、多くの人と連携する業態で重視される傾向にあります。
マネジメント能力を磨くには経験が必要ですが、身につけばどの職場でも一生の財産になります。
パティシエとして給料を上げるには、技術以外で差をつけるのが案外近道かもしれませんね。
パティシエの報酬形態・福利厚生
給料だけでなく、福利厚生が十分かどうかも仕事選びの重要なポイントですよね。パティシエも人手不足になりつつある今、福利厚生に力を入れるお店や企業が増えてきました。
- 社会保険
- 研修制度
- 従業員割引
- インセンティブ制度
- 産休、育休
若くして独立するパティシエは増えていますが、長期的なキャリアや生活の変化も踏まえて働き方を選びましょう。
福利厚生を求めるなら大手へ就職しよう
パティシエは職人色が強く、個人経営の小さなパティスリーだと福利厚生が充実していないケースも。
福利厚生を求めるのであれば、食品メーカーやホテルへの就職をおすすめします。
食品メーカーやホテルは福利厚生だけでなく、研修制度、労働環境なども整備されている事が多いです。
安定した条件で長期的なキャリアを築きやすいので、ワークライフバランスを重視する方は業態で仕事を選ぶといいでしょう。
有名パティシエの年収はいくら?
テレビや雑誌、SNSで見かける有名パティシエの年収って気になりますよね。
参考として、日本一有名なパティシエと言われる鎧塚俊彦シェフで年収6000万円と噂されています。
また世界的な巨匠ピエール・エルメはブランドの年商だけで159憶ですから、本人も多額の収入を得ている事が想像できますね。
さらに芸能事務所に所属しているような有名パティシエは、企業とコラボレーションした商品監修、書籍出版、テレビ出演などの副収入もついてきます。
パティシエになるためにかかる費用
パティシエになるための費用で浮かぶのは、まず専門学校の学費ですよね。
さらに自主的にトレーニングするために、製菓用具や材料費がかかることも考えられます。
しかし専門学校に通わず、未経験からパティシエになることも可能です。
費用をかけずにパティシエを目指すのであれば、未経験のアルバイト等からスキル・経験を身につけるのもいいでしょう。
パティシエが収入以外に得られるもの
パティシエとして年収に求める水準は、やりがいの有無にもよるのではないでしょうか。
憧れたお店で働く時、苦労して開発した商品がお客様に喜ばれた時、年収以上の満足感を得たという声は珍しくありません。
まして洋菓子業界は、お客様の大切な日を彩り、日々の癒やしとなる役割を担っています。
パティシエという仕事には、他の職種では得られない経験・価値があるのです。
年収は生活する上で重要ですが、パティシエとして素晴らしいやりがいがあることも見失わないでくださいね。
私たちパティシエントは、洋菓子業界で働く皆さんを応援しています!