次はどんなお店で働く?経営スタイルから見る、パティスリーのいろいろ

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1月も終わり、約2ヶ月後には新年度が始まります。 春頃から夏にかけて、転職活動や就職活動を始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、お店の経営スタイルをもとに、パティスリー業態での仕事内容や特徴を分類してみました。 パティシエとして働く職場には、パティスリーやホテル、ブライダル、カフェなど、さまざまな『業態』があります。 なかでも多くのパティシエが経験するのが、パティスリーでの勤務。 そして、ひとことにパティスリーといえども、関われる仕事の範囲はお店によってかなり違ってきます。

パティスリーにもいろんなタイプがあることを知れば、自分が次のお店で働くイメージがしやすくなります。
「これからパティシエになりたい」「複数のお店でスキルアップをしたい」「独立を目指している」「他のお店の仕事内容が気になる」といったことを考えている方は、自分のキャリアを考える際の参考にしてみてくださいね。

個人が経営しているお店

いわゆる”街のパティスリー”。シェフがオーナー(経営者)としてお店全体を見るリーダーとなります。オーナーが既婚者の場合は『奥さん』が販売業務全般や商品の管理業務、経理関係の仕事を担っている場合もあります。販売はアルバイトでまわしているお店も多く、パティシエが販売業務に携わるお店も少なくありません。 また、個人経営型のなかでも、単一店舗のお店と複数店舗のお店では、関わる仕事の範囲が変わってきます。

単一店舗の場合

自店の商品は基本的に全部自分たちのお店で作っているため、店の商品全てを触るチャンスがあります。何よりオーナーシェフとの距離が近いので、目の前で技術を教えてもらったり、質問をしたりできるのが大きなポイント。少数精鋭で1人の裁量が大きくなるので、黙々と集中して作業をしたい人には向いていないかもしれません。
商品開発に挑戦するチャンスも掴みやすく、お店の経営面を知ることもできるので、将来独立を目指している人はもちろん、幅広いたくさんの技術を身に付けたい・いろんなことにチャレンジしたい!という人にぴったりな環境です。

複数店舗の場合

『パティスリー〇〇 本店』『パティスリー〇〇 ▲▲店』といったように、複数の店舗を経営しているタイプのお店です。単一店舗と違うのは、各店舗に現場のリーダーである『チーフ』がいるところ。店舗の数だけポジションがあるので、上のポジションを狙いやすい環境ともいえます。
製造体制は、各商品ごとに製造を分担しているところが多いです。 例えば、フィナンシェなどのドゥミセックはA店、パイ生地はB店で担当する、など…。同じようにして、自店の工場を持って役割分担をしているお店もあります。
ひとつひとつの商品をしっかり触れる分、すべての商品に関わるには時間がかかりますが、自分の関わるお菓子の理論を深く理解して、技術を特化して高めることができます。また、単一店舗タイプとはまた違った、他店舗との連携するスキルも身につけられるのもポイント。異動やヘルプ勤務があるお店だと、同じお店の中で新鮮な気持ちを持って働くことができます。

外国ブランドのお店

ヨーロッパを中心とした日本国外に本店を構えるお店と提携し、日本で支社や支店を立ちあげて経営しているタイプのお店です。海外でも人気のお店が、本場の洋菓子ブランドとして日本で人気を保っているケースも少なくありません。
ブランドもとが確立されている分、個人が新しい商品を積極的に提案することは難しい場合が多いです。
クリエイティブに仕事に関わりたい人には厳しい一面もあるかもしれませんが、海外ブランドで働く魅力は、生産効率の考え方や仕事体制など、国外の独自の価値観に触れられること。
ブランドの味を忠実に表現するためのノウハウを得て、精度の高い技術を身につけることができます。

企業が二つ以上の店舗を経営しているお店

ひとつの企業が複数の洋菓子店を経営している場合もあれば、飲食や他業界を本業とする企業がビジネスの一貫としてパティスリーを経営している場合もあります。パティシエは企業に雇用され、各お店のスタッフとして会社のメンバーに加わることになります。
企業がお菓子部門に明るくない場合、パティシエの裁量が大きくなり、仕事の進め方や管理などは現場に任せてもらえることが多いです。
新商品のアイデアや費用感を話し合う際など、専門分野の知識や価値観の共有に苦労することもありますが、個人経営のパティスリーと比べると労務環境や待遇が整えられているところが多いのも特徴です。

専門店

カヌレやチーズケーキ、いちごなど、時代のブームや消費者ニーズに沿った、数種類のケーキやフレーバーの商品に特化されたお店です。専門店は単一店舗のお店もあれば、他業界から参入するかたちでビジネスの一貫として立ち上げられたお店もあります。

ひとつのブランドとして長く人気を保つための新商品開発に試行錯誤したりすることもありますが、決められた枠の中でパティシエとしてのスキルを活かすことができる環境です。

まとめ

今回の記事ではパティスリー業態の仕事の特徴を大きく分類して紹介しました。 もちろんご紹介した限りではなく、複合的な特徴を持ったお店も多く存在します。

働くお店を決めるポイントは、「そのお店のお菓子を学びたい」「オーナーの人柄に惹かれて」「通いやすそう」「条件が整っていて続けられそう」などさまざまですが、”そのお店で何ができるのか”ということは、意外と見落としがちです。

一般的な特徴を押さえておけば、職場体験や採用面接で、仕事内容に関して具体的な質問もしやすくなります。
みなさんが今後次に働くお店を探す際、新しい道を切り開くための参考になると嬉しいです。

written by

森野みどり

PATISSIENTのライター。パティシエ経験者。

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