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パティシエの海外事情・フランス編 パリの伝統とスイーツの文化


今日の日本に芸術的で新鮮な洋菓子の世界を持ち込んだフランスの洋菓子。
実際にパリに行って街を歩いていると、ハイセンスで伝統的な洋菓子店に並ぶ色とりどりの可愛らしいスイーツに出会うことができ、私たちの心と五感を驚かせてくれます。
街行く人々にそれらのスイーツは語りかけています。
「私を手にとって」と。

パリのサロン・ド・テ

パリの「サロン・ド・テ」の歴史は、ラデュレの歴史と深く関係しています。
フランスにはカフェのほかに、「サロン・ド・テ」すなわち「ティールーム」が存在します。
スイーツを食べながらお茶をするような"カフェ"はフランスの「サロン・ド・テ」に近いものなのです。

始まりは1862年。
フランス南西部出身で製粉業者であったルイ=エルネスト・ラデュレがパリのロワイヤル通り16番地に「ブランジュリー」をオープンさせました。

1871年、火災をきっかけにラデュレは「ブランジュリー」から「パティスリー」ヘと生まれ変わります。
ルイ=エルネスト・ラデュレの妻、ジャンヌ・スシャールはパリの「カフェ」と「パティスリー」を融合させることを思いつき、パリ初の「サロン・ド・テ」が誕生します。

食の都フランスではカフェやサロン・ド・テに座って、のどかなティータイムを楽しむ習慣が根付いています。
「サロン・ド・テ」の店内に入ると、目に飛び込んでくるケーキやタルトが所狭しと並べられたテーブルやケーキスタンド。
何種類もの手作りの焼き菓子をよく見ると、それぞれの形は一定ではないことに気付きます。
サロン・ド・テには、そのお店独自のハンドメイドの温もりと素朴さが広がっているのです。

パリの伝統

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フランスは料理に砂糖を使わない国のため、洋菓子はしっかりと甘く仕上げられています。
フランス菓子を食べ慣れてしまうと、日本製の洋菓子などは甘さを感じなかったりします。

フランスの中でもパリは美食の宝庫であると同時に、世界最高峰のパティスリーが軒を連ねる街でもあります。
パリの製菓業界というのは最先端の部分ばかりが脚光を浴びていると思われがちですが、そうではありません。
パリという文化的にリーダーシップを取り続けてきた街で長い年月をかけて育まれてきた“伝統の味”や“形”は今も大切に守られており、パリの老舗パティスリーである「ストレー」や「アンジェリーナ」等がそれにあたります。

1730年に創業された最も古く歴史あるパティスリー「ストレー(STOHRER)」は、モントルグイユ通りにあります。
かつてポーランド王スタニスワフ1世の娘マリーがフランス王ルイ15世に嫁いで来た時のお抱え菓子職人であった“ニコラ・ストレー”が、後にモントルグイユ通り51番地にパリで最初の「パティスリー」をオープンしたのです。
以来、老舗の味を求めて世界中からの客足が途絶えず、2004年4月にはエリザベス女王が来店するなど、日本人観光客もよく訪れる人気スポットになっています。

そして多くの人々から依然として愛され続けている1903年創業の「アンジェリーナ(ANGELINA)」。
モンブランで有名となったこの店は、ココ・シャネルも通ったという老舗の「サロン・ド・テ」。

パリの本店は白を基調とした造りで洗練された中にエレガントさが備わってどこか別世界に迷い込んだ空間となっています。
白に映える数多くの美しい洋菓子はショーケースに整然と並んでいます。
日本国内では銀座本店をはじめ、他9店舗で「アンジェリーナ」の老舗の味を味わうことができます。

“伝統の味”といえば、日本でも地方によって存在する銘菓が異なるように、同じくフランスでもそれぞれの地方で食べられるお菓子は様々です。
そこには代々受け継がれてきたその土地の伝統と風土が滲み出ています。

たとえばタルト・タタンは19世紀末にタタン姉妹が創ったもので、リンゴの生産地のロワール地方でスペシャリテとして出されています。
お菓子の本場フランス・パリは流行や人の動きが速く、単に“お菓子の種類を増やすこと“や”新しいこと”が=「良い」という訳ではないようです。

世界の美食家から注目を浴び続ける「フランス」という国で求められるのは、常にその時々の流行の先端に合うものを探しながら選び抜き、それを少しずつ顧客に提供し続けていくことなのかもしれません。

21世紀の洋菓子界をリードする第一人者として著名な「ピエール・エルメ」、女性の心を掴むパステルのイメージカラーで知られる「ラデュレ」や金色の缶のお茶で有名な「フォション」など、フランス出身のパティスリーのクオリティとセンスの良さは日本でも有名です。

たとえば「フォション」はフランスのガストロノミー界に大きな影響を与え続けていて、現在は“グロッサリー・ショコラ・ケーキ・パン・菓子・ジャム・惣菜・サロン・ド・テのメニュー”など4500種類以上、2500種のワイン・スピリット類に至るまでブランドが手掛ける領域は広がりをみせています。
現在世界33ヶ国、800の販売拠点で“フランスのガストロノミー”を発信し続けているのです。

時代ごとのニーズに応えながら精進し続けるフランスの洋菓子業界。
日本の旅行ガイドや雑誌だけではなかなかリアルな情報はキャッチしづらいものですが、私達は日常のメディアやニュースを通し、また現地に足を運ぶことによりフランスの洋菓子業界の小さな変化や伝統の深さ、なおかつ先端の新しいチャレンジを垣間見ることができるのです。

 

 

フランスのパティシエ

ではフランスでの「パティシエ」事情はどうなっているのでしょうか。
フランスでの「パティシエ(男性)」や「パティシエール(女性)」の社会的地位というのは、日本で置き換えるなら「医者」に相当します。

国家最優秀職人賞M.O.F.(Meilleur Ouvrier de France)はフランス文化の最も優れた継承者にふさわしい高度の技術を持つ職人に授与される称号で、その名誉は日本の「人間国宝」レベルです。
M.O.F.コンクールは3年に一度開催されていて、合格者にはフランス料理界の“最高の栄誉と信頼”が保障されることになります。
日本とは違いフランスでは女性がパティシエに就くことはほとんどなく、女性がなりたい職業の上位になることはありません。

近頃では「パリ屈指のパティシエ」という言葉に値する人が数多くいます。
その中でもフランスのパティシエ達が今か今かと、あるシェフ・パティシエの新しいデセールを待ち望んでいます。

その人物とは、パリの重要文化財にも指定されている高級ホテルの一つ「オテル・ド・クリヨン(Hotel de Crillon)」のシェフ・パティシエ “ジェローム・ショセス氏”です。
彼はフランスのクリエイティブ集団「クラブ・デ・シュクレ」の代表的なメンバーの1人でもあり、2005年パティスリー世界大会でフランスを優勝に導いたチームのキャプテンでした。
15歳の時から学校に通いながらパティシエを始め、これまで約10人のシェフの下で修行を積み、フランスの1つ星レストラン「レ・クレイエール」、ウジェニー・レ・バンの3つ星レストラン「レ・プレ・ドゥジェニー ミシェル・ゲラール」など、数々のグランメゾンで経験を重ねてきました。

2004年、ショセス氏はかつてのルイ15世の宮殿であり、マリー・アントワネットが宿泊したこともあるという格式あるホテル「オテル・ド・クリヨン」のシェフ・パティシエに就任しました。

彼が創り出すデセールは、歴史あるお菓子でも“新しい!”と思わせる華麗さと繊細さがあるデザインにアレンジされています。
パリの「プラザ・アテネ」のシェフ・パティシエである“クリストフ・ミシャラク氏”からも「彼の作品からは多くのインスピレーションをもらっている。」と絶賛されているほどフランスのパティシエ業界では欠かせないパティシエとなっています。

★フランスでパティシエになるには

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フランスでは多くの場合、見習いから始まります。
まず、スタジエ(見習い)を経験した後、国指定の職業学校に通い、卒業後は指定のコンクールに作品を出品していきます。
そこで受賞をして初めて「パティシエの免許」を取得することができるという厳しいステップを踏んでいく世界です。

先にも述べましたが、フランスのパティシエの社会的地位が高いことで日本と大きく異なるのは、フランスではパティシエ免許がなければ一定のお給料を支払われる事が許されていないということ。
この制度により、パティシエ職の技術水準を高く保っているという側面もあります。

そしてヨーロッパで唯一の「職人育成制度」がフランスにはあります。
職人を育成するための組織「コンパニョナージュ(職人組合)」は一人前になる若手職人の育成を促すための組合で、若者の職人技術の習得を支援します。

対象となる職種はパティシエを含む25種類です。
まずCAP(職業適正証)もしくはBEP(職業教育免状)を取得した後、企業で2、 3年の修行を積んでいきます。
フランスでは菓子職人が取得しなければならない資格が大まかに6種類のレベル別に分かれています。

CAPからスタートしているのはCAPが「職業に就くのに最低限のレベル」とされているためです。
基礎を築いた後は様々な都市の企業で研修を受けて回り、現地の人々と積極的に交流などをし、技術だけでなくそれぞれの土地の文化を学んで吸収をするという研修制度「ツール・ド・フランス」に参加します。

研修期間中はスミック(業種間一律スライド制最低賃金)に基づいて働いた分の100%の報酬が保証され、経済的にも自立が可能です。
そのうえその職業に必要な道具や制服などを除き、研修にかかる費用は企業が負担をしてくれるのです。

フランス全土どこに行っても日本人は多く、語学習得のためにフランスに渡っている人が多いのは勿論のこと、パティシエやパン職人になる目的の人も数多くいます。
パティシエを目指して渡仏をするなら、お菓子だけではなくヨーロッパの食材や芸術に触れ、その時々の感動や発見などを通じ、パティシエとして多くのことを吸収できるでしょう。
さらにフランスの伝統技術を受け継いでいく上で、与えられたものをそのまま作るだけでなく、自分なりの創造力をもって試行錯誤を繰り返していく作業が大切になってくるのではないのでしょうか。

 

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