先日リリースされたパティシエントの投稿型アンケート「パティシエ世論BOX」。
みなさんはもう使ってみましたか?
ここでたくさんの回答を集めたのが
「パティシエの給料安すぎじゃない?」
というアンケートです。日を追うごとに多くの回答が寄せられ、現時点では「安すぎる」82%、「安くない」18%という結果を集めています。従業員だけでなくオーナーパティシエや学生さんからのコメントも多数あり、関心の高さが伺えます。
では、どうしてパティシエのお給料は安いのでしょうか?今回はみなさんからいただいたコメントを引用しながら考えてみたいと思います。
パティシエの平均年収は?
企業形態やお店の規模によるものの、新卒パティシエの初任給は一般的におよそ15~18万円と言われています。
厚労省発表のデータをまとめている「年収ガイド」によると、パティシエの平均年収は全体で319万800円。これは月収に換算するとおよそ24万900円です。意外に高いのでは…?と思いますが、これは平均年齢が39歳前後といういわばベテランの域。勤務して数年の若いパティシエはこれよりもグッと給料が下がるかもしれません。

国税庁が発表した民間給与実態統計調査結果(平成28年分)によると、日本人の平均年収は420万円。他の業界から見ても、“製菓業界は全体的に給料が安い”ということは確かなようです。
●参考ページ
年収ガイド
国税庁 平成28年分民間給与実態統計調査結果について/ハ 平均給与
パティシエント/パティシエの給料の相場
パティシエの給料、上げたくても上げられない事情がある
何十キロもの重い小麦粉を運んだり、大量の生地を混ぜ合わせたり、腰を曲げた姿勢で長時間作業をしたり…。パティシエの仕事は重労働を極めます。忙しいシーズンには家に帰れない日が続く…なんてことも! 「こんなに頑張っているのになんでこんなに安いの?」と思ってしまう人は多い様子です。

ただ、製菓業界はどうしても利益が出にくい業態。とくにパティスリーは、お菓子の販売数が売り上げに直結しています。お菓子作りには手間がかかり、さらには材料費も高騰の一途。経費を圧迫しています。日々の売り上げから原価や人件費を差し引いてみると、利益として残る金額はわずか。昇給もあまり見込めないのが現実です。 また個人のパティスリーの場合にはオーブンやミキサーの導入など、開店のためにかかった資金を何年にもわたって返済していかなくてはなりません。季節ごとの新作ケーキ開発にも費用がかかりますね。だからといってケーキの値上げをすると、かえって売れなくなるというリスクも考慮する必要があります。
こうした理由から、従業員が不満を持っていることを重々承知してはいるものの、「給料を上げられない理由がある現状を分かって欲しい」と、苦しい胸の内を明かすオーナーシェフもいます。

入社時は双方納得した条件で働くことを決めたはず。それなのに従業員側から不満が出てしまうのは、やはり「労働と給料が見合っていない!」と感じてしまう人が多いからなのかもしれません。
一方で、給料以外の部分に魅力を感じている人も
一方でパティシエの給料の安さについて、ある程度納得して働く方がいます。アンケートでは少数ですがこうした意見もありました。


パティシエの中には「いくら給料が高くてもストレスが多くてつらい」という方や、「安くても人間関係さえ良ければいい」という方もいます。「給料なんてちょっとでいいからとにかくその味を覚えたい!」と覚悟の上で、憧れのシェフがいるパティスリーに入社した人も多いですよね。
パティシエの給料は安い!だけど…それ以外の価値もある?
華やかなイメージの裏で、たくさんの人の働きに支えられているお菓子作り。人生の大半を占める仕事の働き方をどう捉えるかは人それぞれです。自分の夢を叶えるためか、お金を稼ぐ仕事をしたいのか。または人に喜んでもらえる仕事をしたいのか…。
あなたはパティシエの仕事のどんな部分に価値があると考えますか?
製菓業界の市場や課題、働く喜び。色々な視点をもつと、見える景色が変わるかもしれません。
「パティシエ」という職業の価値を、今一度考えてみるのはいかがでしょうか。
職場で言えない本音、アンケートでこっそり話してみませんか?
パティシエの色んな本音が聞ける「パティシエ世論BOX」。ここでは回答やコメントだけでなく、誰でも匿名でアンケートを作れるんです。リアルではなかなか聞けない悩みや愚痴、疑問などなど…。ぶつけてみたら「私だけじゃなかった!」と思えるかもしれません。ぜひ活用してみてくださいね!