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『400人の求職者と採用側の声から考える』パティシエの現状と採用ニーズの変化【前編】


パティシエント編集部の森野です。今回が2019年最初の更新になります。 今年も『パティシエントマガジン』をよろしくお願いいたします。

さて、当マガジンの運営元である『パティシエント』は、「ヒトとシゴトをココロでつなぐ」をモットーに、製菓・製パン業界専門の人材紹介を中心としたサービスを行なっています。
今回は昨年の振り返りとして、パティシエントの事務所にて、キャリアコンサルタント・西田と、編集部・赤座で社内ミーティングを開催。

2018年の1年間で聞いてきたお店・企業や求職者の生の声や統計データをもとに、改めて浮き彫りになってきた業界の課題や、採用のニーズの変化…そして、『これからのパティシエの働き方』について話したことを、前後編に渡ってお伝えしていきたいと思います

◆パティシエントの人材紹介サービス

人材紹介とは、求職者とお店・企業の間に入り、採用支援をするサービスのこと。求人応募・転職支援エントリーをした求職者にヒアリングを行い、適性や相性などを見極める。

本記事に登場するスタッフ

キャリアコンサルタント 西田健(写真右)

元寿司職人。多くの企業と求職者に関わり、パティシエントの第一線で活躍中。マイブームは鮭の塩焼き。

編集部 赤座祥子(写真左)

編集部のディレクションを担当。業界で働く人たちの役に立てる情報発信をすべく、日々奮闘中。粉糖のかかった焼き菓子が好き。

2018年の求職者のニーズと傾向

求職者に聞くのは、働く上で何を大切にしたいか

赤座(以下、赤):データを見てみると、2018年にパティシエントに転職支援を登録されたパティシエ志望者は約400名。そのうち半数以上が20代の女性でしたよね。全体的に多かった希望業態はなんでしょう?

西田(以下、西):希望が多かったのはホテル・ブライダルやカフェですね。ホテル・ブライダルは比較的労働環境が整っている上に、パティシエの仕事の中でもより華やかなイメージがありますし、おしゃれでゆったりと働けそうなカフェ業態の人気は平行して高いです。

赤:業態そのものに憧れを抱いているんですね。

西:ただ、ホテルやカフェの場合は、調理業務が多くなるという実情を知らない人も多いです。
僕たちが求職者に念入りなヒアリングを行うのは、理想と現実のギャップによるミスマッチが起こらないようにするため。希望しているお店で、本当にやりたいことが実現していけるかどうか…長期的な可能性を見出しているんですよね。その結果、希望と違うお店を提案することもあるわけです。

赤:長年夢見ていた仕事に就いたのにも関わらず、「思っていたのと違った…」という理由で早期退職になったという人も一定数いると思います。条件がよければいいというわけでもないでしょうし、自分がお菓子にどんな風に関わりたいかが大切ですよね。

赤:求職者アンケートを見てみると、やはり給与や長時間労働・休日などの条件面が原因で転職を考える人が多いですね。手作りを突き詰めると必然的に勤務時間は長くなるわけですし、もうこの時点でギャップがある…。

西:パティシエ志望の人が本当にやりたいのは間違いなくお菓子作りなので、手作りのお菓子を作りたいとなれば、それが一番実現できるのはパティスリーです。 とにかく条件、という希望で来た求職者が、ヒアリングを経て最終的にパティスリー志望に収まるのも珍しくありません。
求職者が本当にやりたいことを実現できる環境で、できるだけ希望を叶えられるところで働けるのが一番だと思います。

条件を重視するのは『時代の仕組み』が変わってきているから

赤:求人の応募対応をしていても感じたのですが、今年は転職の際に条件を重視する人が多かったんじゃないでしょうか?

西:圧倒的に多かったです。特に若手のパティシエは、「業界外の一般企業に近い条件で働きたい」「12時間以上の勤務でも大丈夫だけど、残業代はきっちり支給して欲しい」「福利厚生が整っているところに移りたい」という人が増えてきました。

赤: 業界的に当たり前だった、「長時間労働・休みは少ないもの」という状況の受け止め方が変わって来ているのかもしれないですね。

西: 「最近の若者は根性がない」という話ではなく、働き方改革が進んでいるように、世の中そのものの価値観が変わりつつあります。今の若手層の仕事に対する理想と、職人的修行を積んできたオーナー世代の理想がどんどん離れてきてしまっているんですよ。

赤: つまり、働き手の価値観は世の中の動きに合わせて出来上がっていっているわけですね。

西: 今の若手層が望んでいるのは、安定した労働環境でお菓子作りの仕事を長く続けていくことでしょう。 実際、月4〜5日の休みだったり極端に薄給だったりするお店は、人がいなくなってお店をたたむことになってしまうような状況になりつつあります。

赤: 求職者の今のニーズを考えると、そうなってしまうのも無理もないかもしれませんね…。

西: 給与についても、『最低でも月給(額面)18万円』を求めている人が大半ですね。月給15〜16万円でひとり暮らしとなると、生活が成り立たなくなります。その上に専門学校や大学での奨学金の返済がある人は、とてもじゃないけどひとり暮らしなんてできません。

赤:そりゃそうだ…。パティシエになるために学校へ行く人も多いですから、その給与だと実家暮らしでもかなり厳しいですね。

西:なので、引っ越し前提でお店を探すことが叶わずに、「実家から通える範囲で」と、選択肢が狭まっている人が増えているのも現状です。

採用側が求職者に求めること

中途採用の人材に求めることは、「コミュニケーション力」

赤: 条件重視の求職者が増えているのに対し、採用する側も、悩んでいることはたくさんあるかと思います。採用側は、中途採用の人材にどんなことを求めているんでしょうか?

西: 若手・中堅・ベテランに関わらず、「コミュニケーション力」を求めているところが圧倒的に多いです。オーナーからよく聞くのは、自分が仕事に対して考えていることを発信してほしい・相談してほしい・わからないことは聞いてほしい、ということでしょうか。

赤: 仕事をする上で基礎的なことのように思いますけど、製菓業界は仕事中の会話が少ない職業柄、コミュニケーションが苦手な人が多いですよね。

西: いえ、実はそんなことはないんですよ。というのは、職場では聞きたいことを聞けずにそのままにしてしまうような若手パティシエも、パティシエントでのヒアリングでは自分の考えをしっかり言葉にできている人が多いです。むしろ、実はすごく活発だという人も珍しくありません。

赤:なるほど…ということは、職場でだけ話せなくなってしまうという人が結構いるんですね…。疑問すら口にできなくなっているのはなぜなんでしょう?

西: ひとりひとりが集中して作業する職人仕事である手前、「聞きづらい」とか「聞ける空気ではない」と感じてしまい、聞けない。聞かない。そんなことが続き、しまいには「教えてもらえない、放置されている」と思い込んでしまう人もいます。それに対し、既存メンバーは横目で追いながら聞いてくれるのを待っている、でも自分からは言わない…お互いがお互いの発言を待っているような受け身同士になっている状態ですね。

赤: 若手や新人パティシエにとって、聞けば済むようなことが聞けない環境ができてしまっているんですね…。

西:自分の近くで先輩に厳しく怒られている人を見た人が「あの先輩は怖い」と自分でイメージを作り切ってしまう。そんな「失敗できない」というプレッシャーから起こしてしまった失敗を隠してしまったり、「もっとこうしたほうがいいのに」と思っても、ルールだから逆らえないと思い込んでしまったり…。
結果、問題をなかなか解決できずにお互いがストレスを溜め、どちらかがの心が折れてしまうということが、現場では起きています。

赤: 自分でストレスを溜めるような考え方になってしまっていますね…。本当に、言葉さえあればすぐに解決しそうです。若手だけでなく、常に誰かが何かの気持ちを押し殺している、職場が生んでしまっている環境…。

西:鶏が先か卵が先かのような話ではありますが、社会経験が浅くて未熟な若い人たちから本音を引き出すには、「話していいんだ、相談していいんだ」という環境を、上の立場の人間が作る必要があります。

赤: となると、求められているのはコミュニケーションを取れる人というよりは、コミュニケーションをとれる環境作りをしていってくれる人でしょうか。採用側が一番問題視しているのは、職場の関係性作りの部分なんですね。

後編ではこれからのパティシエの働き方について迫ります!

前編では転職時に条件を重視する求職者が増えていること、そして採用側が中途採用の人材に求めていることについてお伝えしました。 それに基づく問題が露わになりましたが、お店を経営して人を雇う採用側には、お給料を払うという大きな責任やそれぞれの事情があります。

後編では、前編での話を踏まえてパティシエントが考える『これからのパティシエの働き方』や、実際に採用側に提案している新しい取り組みについてお伝えしていきたいと思います。

→→後編はコチラ!

この記事の筆者

森野みどり

PATISSIENTのライター。パティシエ経験者。(Twitter:@negitama000)

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