4月になり、新人さんが入社してきて慌ただしい日々を送っているパティスリーも多いかと思います。
先輩になったパティシエの中には、今までの業務に加えて新人の指導や段取りなど、考えることが増え、思うように仕事が進まずに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は悩める先輩パティシエに贈りたい、『仕事を上手く回す』ために参考になりそうなポイントを、筆者のパティシエ経験を元にまとめてみました。
「上手く仕事を回す」というのは、どういうことなのでしょうか? 一緒に考えてみましょう!
「仕事を速く」することの意味に気づいた瞬間
繁忙期はもちろん、仕事を速くしないといけない場面ってたくさんありますよね。
私は新米パティシエだった頃、先輩やチーフに「速くしろ!」と言われるがままに手を動かしても、なかなか仕事量をこなせずに悩んでいた時期がありました。
「仕事を速くするから、上手く回る」のではなく
「仕事を上手く回すために、速くする」のだということです。
と自分が努めるべきなのは、先輩が考えている段取りに沿えるようなスピードで仕事をすること。
『やり方』ばかりを考えて、「なぜ仕事を速くするのか」を考えられていなかったんですね。
それからは、仕事を速くする『目的』を意識して、手を速く動かすことができるようになりました。
ということは、単に個人の仕事のスピードをあげる”だけ”では、仕事の効率アップには直結しないことになります。
そこで、次に考えるのが”段取り”についてです。
段取りで重視したい5つのポイント
私は先輩が退職し、3年目に入った頃に自分で厨房の一日の段取りを組むようになりました。
熟考を繰り返し、上手く仕事を進められるようになったときに重視していたのは、以下のポイントです。
1.スケジュールを細かく決めすぎない
最初から「この作業に何時間何分かける」という予定を細かく決めすぎてしまうと狂った時の調整が利かなくなるので、午前中、ピーク前、ピーク後などの大雑把な区切りだけを決めておきます。
2.作業にかかっている時間を把握する
同じ作業でも、担当する人によって、かかる時間が変わってくる作業がありますよね。
「誰が」「どの作業に」「どれくらいかかるのか」を把握できれば、イレギュラー注文やトラブルがあった際でも臨機応変に対応しやすくなります。
3.仕事の組み合わせ方を考える
私の場合、同じ数の作業でも、トータルでかかる時間が出来る限り短くなるように心がけて作業の順番を決めていました。
例えば…
といった風に、工程で段取りを考えて作業することが多いかと思います。
考えるべきポイントは、何からやり始めてどういう順番で進めていくか。
ケーキの状態の見極めも含め、作業の段取り組みは、職人としての能力の発揮どころでもあります。
4.変動的に入ってくる仕事量を予測する
段取りが狂う要因は、おそらく『ケーキの追加』ではないでしょうか。
厨房内のことだけではなく、店頭の商品の動きや来店ピーク、曜日ごとの来客傾向なども毎日気にかけると、「今日はお店がこれから忙しくなりそうだ」という「空気」を感じられるようになります。
追加に手をとられる時間を予測できれば、段取りの調整もしやすくなるかと思います。
5.「なぜ上手く回らなかったのか」「どうしたら上手くいくのか」を分析する
もちろん仕事が上手く回らない日もあるかもしれませんが、「今日はダメだった…」で終わらせてしまうと、職場全体としての成長には繋がらないですよね。
なぜ上手くいかなかったのかを分析すると、次に実践するべき取り組みや課題点が自然と見えてくるかも知れません。
以上5点が私が段取り組みに関して気をつけていたことです。
まとめ
いかがでしたか? 「どうしたら仕事が上手く回せるんだろう?」と悩んでいる先輩パティシエに参考してもらえると嬉しいです。
先輩になったばかりのころの私は、新人教育の責任やチーフからのプレッシャーから、仕事をしんどく感じてしまう日々が続くこともありました。
しかし、自分で考え、周りと協力して仕事を上手く回せるようになると、忙しい時間も少しずつ楽しいものに変わっていきました。
今は大変な時期かもしれませんが、まずは先輩としての自分自身の悩みを乗り越えて、職場全体で成長していけると良いですね!