パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

製造過程

• メレンゲ

メレンゲ【仏:meringue(ムラーング)】 卵白に砂糖を加えて泡立てたもの。 メレンゲを乾燥焼きして作ったお菓子をムラング・セッシュという。 また、ムラング・セッシュにクレム・シャンティイを挟んだお菓子はムラング・シャンティイと呼ばれる。 注意点 ボウルなどの器具に油脂分が残っていると、卵白の泡立ちが妨げられてしまうため、器具はきれいに洗って完全に乾燥させた状態で使用する。 また、卵黄に含まれる油脂分も卵白の泡立ちを悪くするため、割卵や卵白と卵黄をわける際は注意が必要。 卵白の泡立ちは鮮度や温度によって異なるため、作るメレンゲによって使い分けたり、砂糖を加えるタイミング・量の調整が必要になる場合もある。 →卵黄・卵白の性質 メレンゲの種類 ムラング・イタリエンヌ ムラング・スイス ムラング・フランセーズ


• ムラング・イタリエンヌ

ムラング・イタリエンヌ【仏:meringue italienne】 イタリアン・メレンゲ【英:Italian meringue】 卵白に高温で煮詰めたシロップを加えて泡立てて作るメレンゲ。 粘性があり、かたくしっかりとした質感が特徴的。 主にムースを作る際やバタークリームのベースに使用される。 保形性があるのでケーキの表面にしたり、絞り出してデコレーションすることもできる。 作り方について イタリアンメレンゲは、砂糖を水に溶かしてシロップにすることによって、多くの砂糖を加えられる。そのため、他のメレンゲと比べて粘性が強いメレンゲができあがる。仕込みの際はミキサーを使った方が、シロップが均一になじみ、綺麗なメレンゲにすることができる。 基本的には卵白の重量に対して二倍量の砂糖を加える配合が多い。 シロップにせずに二倍量の砂糖をそのまま加えた場合、砂糖が卵白の水分を吸収し、砂糖が溶けるための水分が足りなくなるため、途中で一定以上泡立たなくなってしまう。そのため、砂糖が溶けるのに必要な水分をシロップにすることで補う。 また、砂糖は全てシロップにしてしまうのではなく、一部を卵白に加えて泡立てる。これは砂糖を加えることで、砂糖が卵白の水分を吸収することでメレンゲの泡が壊れにくくなるため。そのため、砂糖を入れずに泡立てた卵白にそのままシロップを加えるよりもメレンゲがきめ細かく仕上がる。 シロップを加えるのに適切なメレンゲの泡立ち状態のタイミングは、卵白に対する砂糖の量、すなわち配合で変わってくる。シロップの砂糖量が多いほどシロップの粘性が強まり、メレンゲに加えたあとは泡立たなくなってくるため、卵白をしっかりと泡立ててからシロップを加えた方がよい。 シロップを加える状態の目安 卵白に対する砂糖量が150%以下→五〜七分立ての状態 卵白に対する砂糖量が150%(〜200%)→六〜九分立ての状態 泡立てた卵白に熱したシロップを加えることにより、卵白の気泡の中の空気が熱により膨張して体積を増し、気泡が大きくなっていく。そのため、シロップを加える段階でできている気泡が小さい方が、シロップを加えてからも気泡が大きくなりすぎず、きめの細かいイタリアンメレンゲを仕上げることができる。 シロップの温度 加えるシロップは118℃〜120℃に煮詰め、水分を飛ばしてから加える。 この温度は非常に重要で、適正な温度でシロップとメレンゲを合わせられなかった場合、うまくなじまずにシロップがそこにたまって固まってしまう。結果的に砂糖が分量分メレンゲに入らず、締まりがなく、もろもろとした粗い仕上がりになる。 シロップの温度が低かった場合も煮詰めすぎた場合もシロップは固まってしまうため、砂糖を加えた卵白が泡立つタイミングとシロップが煮詰まるタイミングが合うように作業を進める必要がある。 シロップは110℃を越えると、煮詰まるに連れて泡が小さくなり、粘りが出てくる。118℃前後になると、バラバラだった泡の大きさが揃ってくるため、小さい泡が均一になった状態が、温度計を使わずに温度を見極める際のひとつの目安になる。 煮詰まったシロップを氷水の中で丸めると、小さな球を作ることができる。(プティ・ブーレ) 作った球が水あめのような柔らかい状態であれば、118〜120℃になっていると判断できる。 メレンゲが熱をもっている状態で泡立てをやめると気泡が壊れやすい状態のまま仕上がってしまうため、良い状態まで泡立てたあとはミキサーの速度を落とし、粗熱がとれるまで粒を揃えるようなイメージでゆっくりと泡立てる。 →セレ


• ムラング・スイス

ムラング・スイス【仏:meringue suisse】 卵白を加熱して泡立てるメレンゲのことで、別名ムラング・ショード【仏:meringue chaude】ともいう。 砂糖が多く入るので、きめが細かいメレンゲになり、細工ものやケーキの土台にも使うことができる。 メレンゲ細工のキノコを作る時などに使われる。 手順 卵白に砂糖を加えて軽く混ぜ、湯せんにかけて、50度くらいに温めてから泡立てる。 この際、卵白は62度で凝固するため、卵白が煮えないように気をつける。 温度計などを使い、適正温度に調整すると良い。


• ムラング・フランセーズ

ムラング・フランセーズ【仏:meringue française】 加熱をせず、冷たい状態で泡立てるメレンゲで、別名ムラング・フロワッド【仏:meringue froide】とも呼ばれる。 手順 卵白に砂糖を三回に分けて加えて泡立てる。 泡立てる卵白は、しっかり冷やしておくこと。 砂糖を数回に分けて入れること。 一回目は砂糖の3分の1を入れ、ホイッパーのすじがついてきたらまた3分の1を入れ、少しボリュームがでたら残りを入れる。 注意点 ・卵白に油分(卵黄など)が入らないように気をつけること。 ・卵白に対して砂糖が半分以下のレシピの場合、最初から砂糖を全部加えないとキメが荒くなってしまう。 ・たてすぎた場合や生地を合わせるときにボソボソになる場合はホイッパーでメレンゲを崩し、状態を整えてから使う。 ・卵白にたいして砂糖が半分以上入るレシピの場合、最初から砂糖を全部入れると目の詰まったメレンゲができるが、ボリュームがでない。 モンブランの土台などしっかりしたメレンゲを作る際には適しているので、作る製品によって砂糖を入れるタイミングや量は調整するようにする。 ・メレンゲはたてすぎると、生地と混ざりにくくなり、離水して状態も悪くなるので、作りたいメレンゲの状態の気持ち手前でとめて調整するとよい。


• アンビバージュ

アンビバージュ【仏:imbibage】 アンビバージュとは「染み込ませるもの」という意味で、ジェノワーズやビスキュイ等の焼いた生地・菓子を湿らせて柔らかくし、風味をつける為に染み込ませる液体のこと。 主に刷毛を使って塗るように染み込ませていく。染み込ませる事をアンビベ(imbiber)と言う。 基本的に、水と砂糖を混ぜ合わせて沸騰させ、冷ました「シロップ」に洋酒を加えて作られるが、配合や洋酒の種類は菓子に合わせて自由に作られる。 注意点 扱いの難しいものではないが、刷毛についた生地がアンビバージュに混入してしまうため、使用後そのまま保存すると腐敗の原因になる。 再使用のために保管する場合は、茶こしなどで漉してから冷蔵庫で保管すると良い。 また、量を多く作った場合は、小分けにして冷蔵保存し、早めに使うようにする。


• フォンダン

フォンダン【仏:fondant 】 フォンダンとは煮詰めた砂糖をきめ細かく再結晶化したもの。 「口中でとろけるような菓子」という意味をもつ。 フォンダンには白ざらめ糖や上白糖を使用する。 白ざらめ糖はグラニュー糖より結晶が少し大きく、精製度は同程度に高いため、溶かして煮詰めても色が濁らず、甘さにくせがない。 上白糖にはビスコ糖といわれる転化糖が微量に含まれており、フォンダンの結晶を小さくなめらかにする効果がある。 手順 (1).材料を鍋に入れ、114〜118℃になるまで加熱してシロップを作る。 (2).大理石や熱に耐える平らな場所にシロップを流し、粗熱がとれて40~50℃くらいになるまで冷ます。 (3).熱がとれてシロップが水飴状になったら、木杓子などでシロップをすり混ぜ、ロウ状になるまで練る。 混ぜ始めると再結晶化がおこりすぐに白っぽくなる。 少量を作る場合は台に流すと熱がすぐに下がってくるため、流して2~3秒したら撹拌し始めるようにする。 温度が下がるとボロボロとしてまとまりにくくなるため、少し熱い段階で混ぜ始め、手早くまとめていくと良い。 (4).手早く生地を練り込んで、ひとまとめにする。 すぐ使わない場合はでラップで包んで冷蔵または冷凍で保管する。 まとめきる前にブロワイユーズ(粉砕機)を通すと、よりきめ細かいきれいなフォンダンができる。


• アイシング

アイシング【英:Icing】 アイシングとは、粉砂糖と卵白や水を練り混ぜて作った砂糖衣のこと。ロイヤルアイシングと呼ばれることもある。 クッキーやパウンドケーキなど表面にかけたり、絞り出してデコレーションしたりする。 近年では、食用色素を使ってアイシングに着色し、カラフルに飾ったアイシングクッキーの人気が上がっている。 作り方 粉糖に乾燥卵白を入れ、水と練り合わせることもあれば、粉糖に卵白を加え、練り合わせて作るものもある。 粉糖に卵白を合わせる場合、卵白は少しずつ加えると良い。 アイシングは少量の卵白でできるため、初めは作りたいアイシングの量より少ない量で作り、必要な分だけ粉糖や卵白を足していくと良い。 一気に卵白をいれてゆるくなってしまったものに粉糖を加えると、想像以上の量になってしまう。 アイシングに色をつける際は色粉を使用する。 色粉はダマになりやすいため、少量の水や卵白で溶いたものを少しずつ合わせるとよい。 また、アイシングは卵白が入っているため空気に触れると乾燥していく。 使わない時などは濡れたふきんをかぶせたり、ラップをはったりすることで乾燥を防ぐことが必要である。 商品によっては、レモン汁を入れたり、コーヒーペーストなどを入れて味をつけたりすることもある。


• パスティヤージュ

パスティヤージュ【仏:pastillage】 シュガークラフトとも呼ばれている。 16世紀の菓子職人が考案したと言われ、19世紀末頃よりこれを使ったピエスモンテがつくられるようなった。 粉糖・ゼラチン・卵白などを練って作るもの。練るにはかなり力がいるので、ミキサーを使った方がよい。作った段階では粘土の様なこの生地は、乾燥するとカチカチに固まる性質がある。 すべて食品で作られているので食べることもできるが、あまり美味しいものではない。 基本的に観賞用として利用されている。薄く伸ばした上に文字や絵を書きケーキに乗せたり、ウェディングケーキなどの立体的な工芸作品が作られている。 性質・特徴 パスティヤージュは1ミリ以下まで薄くできるのが特徴。これによりマジパンやアイシングより繊細な細工が可能になり、お花やレースなどを作ることができる。 また表面を陶器のようにスベスベで美しく仕上げることができる。さらにドレスのドレープの様な表現もできる。粉糖や卵白の量を調整することで作りたい物に合わせて固さが変えられる。柔らかくすると絞り出し袋に入れて、絞ることもできる。 基本的には白色だか、着色料で色を着けることもできる。ベースが白色なので、美しく発色する。 扱い方 鑑賞用の作品を作るにはまずは綿棒を使ってパステヤージュを均一に伸ばす。パスティヤージュがくっつく様なら手や綿棒にコーンスターチを振るとよい。 これをナイフで切り抜いたり、マジパンスティックや抜き型などを使って形を整えパーツを作る。乾燥しやすいので、作業中使っていない生地にはラップか濡れたダスターをかけておくとよい。パーツができたら、しっかりと乾かす。この時、ドライフルーツメーカーを使うと早く乾燥する。 出来上がったパーツを薄いパスティヤージュで接着して組み立てていく。 環境にもよるが、固まるまで数時間はかかるので、大きな作品を作るには数日かかる。 こうして作られたパスティヤージュは芸術性が高く、毎年全国規模のコンテストが開催されている。飴細工と組み合わせててピエスモンテが作られることもある。 注意点 水に弱いので、湿度の高い所には置かない。保存するときは乾燥剤と共に密封しする。ケーキの上に乗せるときも食べる直前に置くか、フルーツや生クリームに直接触れない様にする。


• カラメル

カラメル【仏:caramel】 砂糖を茶色い状態まで焦がしたもの。キャラメルとも呼ばれる。 作り方 砂糖を鍋で焦がして、茶色くなってきたら水(液体)を入れて色をとめる。 この際、水を数回に分けて砂糖を溶かしていくとダマになりにくく、均一に溶かすことができる。 水を入れるときに熱い液体がはねやすいので気をつける。 水を入れるタイミングは、一度色がついて砂糖が泡立った泡が消えるタイミングが目安の一つ。 用途 プリンの型に流し入れる。またはスプーンなどで垂らし固め、使用時に型に入れて焼くこともできる。 水の代わりに生クリームを入れるとキャラメルソースになり、ムースや焼菓子にも応用がきく。ヌガーにも使用される。


• グラサージュ

グラサージュは複数の意味をもち、作業工程などによっては違う呼ばれ方をすることもある。 1.糖衣を着せること【仏:glaçage】 卵白、粉砂糖を練ったもの(フォンダンやアイシング、グラスなど)を焼きあがったパウンドケーキなどにコーティングする。 冷凍したムースにソースかけをすることもグラサージュと呼ばれる。 2.(1)の目的に使用する半製品の総称 グラサージュと口にした時に連想されやすいのがグラサージュ・ショコラ【仏:Glaçage au chocolat】。 ムースなどの土台に上掛けする、柔らかい艶出しのチョコレートのソース。 砂糖(水あめ、転化糖など)、ココア、生クリーム、水を混ぜたものを105℃から110度ぐらいに煮詰め、最後にゼラチンを加える。 甘さを控える目的で、砂糖を減らすと、光沢やつやがないものになってしまう。 煮詰める際、水分が蒸発するとともに、なべ底はこげつくのでしっかりと混ぜる必要がある。 ココアを使ったものは、味の風味が乏しくなるため、カカオマスを入れることも。 3.凍らせること【仏:glaçage】 glace:氷 glacer:凍らせる。急激に冷やす。


• ガナッシュ

ガナッシュ【仏:ganache】 溶かしたチョコレートに沸騰した生クリームを加え混ぜてつなげたものを指す。 トリュフのセンターに使ったり、ガナッシュクリーム(チョコレートクリーム)やチョコレートムースを作るのに使ったりする。 ガナッシュに洋酒などを加え、そのまま型に流したものが「生チョコ」である。 手順 湯煎で溶かしたチョコレートに、沸騰したクリームを3分の1量加えて混ぜる。 このとき、使うチョコレートの種類によっては繋がりが悪いことがあるが、しっかりと混ぜることで乳化する。 ベースが綺麗にまざったら残りのクリームを少しずつ加え、ツヤが出てなめらかになるまで混ぜ合わせる。 このとき、中心からゆっくり混ぜて繋げ、徐々に全体を混ぜるようにすると綺麗に繋がる。 ホイッパーではなくヘラを使って混ぜると、余分な気泡を入れることなく、口どけのよいガナッシュができる。 作り方のコツ なめらかで口溶けがよくツヤがあるガナッシュを作るには、きれいに乳化させることがカギとなる。 (乳化=水分と油脂分が混ざりあった状態にすること) 空気が入ると綺麗に乳化しなかったり口どけが悪くなったりするので、ホイッパーを使う場合はガシャガシャと混ぜないように注意する。 ハンドブレンダ―を使う方法もあり、空気を抜き、細かく組織をつなげてより乳化しやすい状態で作業することができる。


• プラリネ

プラリネ【仏:praline】 ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツに、砂糖を焦がしたキャラメリゼした物、その後フードプロセッサーなどでペースト状にしたものをプラリネペーストという。 そのペーストをチョコレートに混ぜたものや、ボンボン状の製品にしたものをプラリネと呼ぶこともある。 手順 鍋に水とグラニュー糖を入れ、弱火で全体が細かい泡が立つまで煮詰めていきローストしたナッツ類をくわえ、混ぜ合わしていく。 しばらくすると白っぽくなり、糖化し始める。焦げ付かないようにしっかりとまぜあわせていき、そのまま加熱し続ける。 糖化した砂糖が、カラメル化してくるので、好みの色で火を止める。 砂糖に火を加え、カラメルを作った中に、ナッツ類を加えて作ることもある。 ポイント シロップを使って作る際は、シロップは115℃から120℃ぐらいが望ましい。低すぎると水分が多く、糖化ぜず、煮詰めすぎると飴感が強いので均等に混ざらない。 糖化してから煮詰めて、色を入れる際しっかり混ぜないとムラになるので注意する。


• タン・プール・タン

タン・プール・タン【仏:tant pour tant】 粉未アーモンドと砂糖を同量比で混ぜ合わせたものを指す。 フランス語で同率比の意味。略称としてタンプータン、T.P.Tとも書かれることもある。 焼菓子、マカロンなどに使われる。 手順 アーモンドなどのナッツ類と砂糖を合わせたものをミキサーで砕いてからローラーにかける。ローラーがなければアーモンドプードルと粉糖を同量で合わせたもので代用できる。


• シュトロイゼル

シュトロイゼル【仏:streusel】 シュトロイゼルは、クランブルに使われるサクサクとしたソボロ状のクッキーである。 手順 1.バターと砂糖をすりあわせる。 2.粉とアーモンドプードルを入れ生地をひとまとめにする。 3.粗い網などでこして冷凍庫で冷やして、冷えたらばらばらにちらして焼く。 焼くときにこまめにかき混ぜ、パラパラになるようにし、均一に火がはいるようにする。 焼いたものをムースのふちにつけたり、飾りに使ったり、タルトに乗せて焼いたりする。 シュトロイゼルをつけることで、生菓子にサクサクとした食感を加えることができる。


• ドリュール

ドリュール 【仏:dorure】 焼き菓子やパンに塗るために溶き卵のこと。 ドリールとも呼ばれる。 必要に応じて水や牛乳、塩などを加える。