ババオラムも本場の味!南仏の老舗「ラ・メゾン・ジュヴォー」関西初出店を取材

  • フランス

1948年、南仏プロヴァンスで誕生したパティスリー『La maison JOUVAUD(ラ メゾン ジュヴォー)』。その老舗ブランドの日本3号目となる京都祇園店が、2018年5月25日(金)に晴れてオープンしました。ショーケースに並ぶお菓子はすべてフランスで生まれたレシピ、フランスの材料をそのまま使っています。つまりフランスで食べても日本で食べても、まったく同じ味のケーキを楽しめるパティスリーとなっています。

パティシエのみなさんが気になるのは、やっぱりお菓子の内容ですよね。そこで今回は日本で統括シェフを務めているルドヴィック・サバリ氏に、「『ラ メゾン ジュヴォー』のおすすめのお菓子」を教えてもらいました!

材料もフルーツもフランスのものを使った本格フランス菓子

▲広尾店、KITTE名古屋店、京都祇園店を統括するルドヴィック・サバリ氏。日本に来て8年目になり、日本語もとても上手。

創業当時から70年変わらないスペシャリテ「シトロネル」

『ラ メゾン ジュヴォー』で外せないのが、「シトロネル」。こちらのレモンケーキは11層で構成され、オペラのような食感。「クリームはバターやレモン、あとイロイロ入っているけどヒミツ」だそうで、レモンのさっぱりとした風味が口いっぱいに広がります。レシピは70年前に完成していて、3代にわたって受け継がれているとのこと。時代が変わっても70年間、ずっとフランス人に愛され続ける伝統のケーキです。

ラム酒がたっぷり効いた「ババオラム(サヴァラン)」

ブリオッシュ生地にラム酒やシロップをたっぷりと染み込ませて作られる「ババオラム」。サヴァランは工程が多く、日本では主要商品としてあまりショーケースに並びませんが、サバリ氏によれば「フランス人は大好き。日本で見つけるととても喜んでくれるお菓子なんです」とのこと。

サバリ氏のイチオシ「プチ・デジラード」

「サバリシェフのおすすめはどれですか?」という質問に、うーん…と一瞬悩んだあとに答えてくれたのが、写真左から2番目の「プチ・デジラード」。自家製のプラリネを使ったチョコレートムースは、サバリ氏自慢の一品です。名前とコロンとしたフォルムは、カリブ海の西インド諸島にあるラ・デジラート島に由来しているとのこと。

手の平からはみ出るほど大きなメレンゲ菓子「ロカイユ」

店内に並ぶ商品でも一際目をひいたのが、大きなメレンゲ菓子「ロカイユ」です。ロカイユとは、フランス語で「岩」。一晩かけて乾燥させたサクサクと軽い食感の「ベーシック」のものと、ほうじ茶やナッツ類を混ぜ込んでねっとりとした食感を少し残した「生」のロカイユがあり、食べ比べてみても面白いですよ。

京都という土地に根差した店作りを目指す

創業者のジルベルト・ジュヴォー氏から数えて約70年の歴史をもつ『ラ メゾンジュヴォー』。現在は孫にあたるピエール・ジュヴォー氏が3代目としてオーナーシェフを務めています。

日本での出店を手がけるのは「あずきバー」など数々のヒット商品を生み出してきた井村屋株式会社。2003年の東京出店を皮切りに名古屋店、そして今回の京都祇園店をオープンすることになりました。同社の浅田剛夫会長は「伝統を守りつつ変化も受け入れる姿勢は当社のポリシーにも近く、オリジナリティを追求したお菓子の数々をぜひ日本に広めたいと思いました。また、京都の人はそんな『ラ メゾン ジュヴォー』の値打ちをじっくりと理解してくれると感じているので、地域に根ざしたお店づくりに取り組みたい」と話します。

▲オープンにあたって、現オーナーシェフの妹であり共同経営者でもあるマイイ・ジュヴォー氏も来日。「京都の新旧入り混じった街並み、小川に囲まれた風景はプロヴァンスにとてもよく似ている。ジュヴォー家のお菓子と想いを次世代に繋げていきたい」と話してくれました。

最後に

2018年5月25日オープンの『ラ メゾン ジュヴォー』。最後にサバリ氏に、日本で一緒に働くメンバーについてお聞きしたところ「フランス菓子に対するモチベーションが非常に高く、プライドを持って働いてくれていると感じています」ととても良い関係を築けていることが伺えました。

また「日本のお客さんは味にも見た目にも質の高いものを好むので、きっちりキレイに仕上げたいと考える僕の仕事観とマッチしています。フランスから持ってきた本場のお菓子を、たくさんの人に食べてほしい」と熱く語ってくれました。

本格的なフランス菓子を研究したい!と考えている方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

▲軒が連なる京町屋をリノベーションした京都祇園店。暖簾と木の格子で、見た目は割烹のよう。京都の街に馴染む、和の雰囲気たっぷりのパティスリーです。

▲濃厚な抹茶ケークとセミドライイチジクの相性抜群。ケーク抹茶フィグ。

▲キャラメルもラインナップ。抹茶やフランボワーズ、バニラなど5種類。

▲マロングラッセやチョコレート、メレンゲ菓子を好きな分だけ買える量り売りコーナーも!

written by

あかざしょうこ

1984年生まれ。PATISSIENTの編集ライター。
「人生の教科書は人」をモットーに、聞いたり書いたりしています。

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