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【大阪府洋菓子コンテスト潜入レポート(後編)】入賞するにはどうすればいい?評価ポイントを審査委員に聞きました!


前回の記事でご紹介した、第52回大阪府洋菓子コンテスト。出品されたすべての作品を7人の審査委員がチェックしています。各部門は、審査委員それぞれが最も優れていると思う作品を選出。獲得票数の多かった作品に賞を与えます。今大会においては「どの部門でも僅差」だったそうで、甲乙つけがたい素晴らしい作品の数々が出品されたとのことでした。

では、審査委員は作品のどこを見て評価をしているのでしょう?今回、審査委員を務めた内のお一人である市原益夫さん(リーガロイヤルホテル/調理部次長 兼 製菓課課長シェフパティシエ)に、その評価ポイントをお聞きしました。

審査委員が見ている3つのポイント

●デザイン性
「まず、パッと見た時の第一印象。ピエスモンテで数年前から主流になっているのが、モチーフやメインを高い位置に置くデザインです。遠くから見て『宙に浮いているようなお菓子』であればデザイン性としては高評価。ただ、重心が高ければ高いほどバランスをとるのが難しくなるので、安定した位置にモチーフを置けるかどうかが技術に表れてくると思います」

●色づかい
「全体のデザインにも関わることですが、色づかいはとても重要です。マジパン、アメで自分の思うような色を出せるかどうかが肝。チョコレートは上から着色スプレーなど色をつけているのが主流だと思います。材料の合わせ方、色の調整、また全体の色のバランス感も含めて見ています。あくまでお菓子なので、美味しそうに見えるかどうかも大事ですね」

●ストーリー性
「デザイン性、色づかいに最も影響してくる部分です。例えばマジパン細工で作ったキャラクターや動物たちが単に土台の上に存在しているだけでなく、何か動きがあるとか、感情いっぱいに笑ったり怒っていたりする。そうすると、見ている方の想像力が掻き立てられます。コンセプトに関わってくることでもありますし、その作品に独自のストーリー性があるかどうかを見ていますね」

(作品例)

下は細く、上は大きい。
目線を上に持ってくるデザインが主流だそう。

カラフルでポップな色づかい。
マジパン独特のふんわりとした質感で
鮮やかでいて優しげな世界観を演出。

古時計の傍らで若かりし頃を思い出す老人。
自身も時計も年老いていくが、思い出はいつまでも色褪せない。

技術への評価ポイントは?

前述した3つのポイントは、チョコ・アメ・マジパン部門ともに共通の評価基準です。では、各部門ではどんな技術を見られているのでしょうか?引き続き、市原シェフにお話をいただきました。

●アメ細工&チョコレート細工=ツヤ
「アメ細工もチョコレートも、技術という点ではズバリ『ツヤ』を見ています。このツヤがどれだけ出てくるかが、ひきアメとテンパリングの技術に直結しているからです。ただ、作品を作る全てのパーツに同じだけツヤを出しても逆効果になる場合があります。メインのモチーフに一番ツヤを出し、飾りの部分は色味を抑えるなどして、よりメインを引き立てるようなテクニックが必要ですね」
2作品とも「作品の見せ所」が明確に分かる。
メインのモチーフに技術を集約させるデザイン構成も重要。

●マジパン細工=細かな仕事
「今大会で評価が高かったのは、細かいパーツを組み合わせている作品です。大振りなモチーフやキャラクターよりも、一つひとつの個体が小さく、そして瞳の輝きや視線、手の動き、髪の毛の束感などをいかに細かく表現できるかが審査の明暗を分けたのではないでしょうか。手先の器用さもあるとは思いますが、繊細な仕事ができる技術と集中力を持っているという判断になりました」

おもちゃの兵隊7体、少年と少女、リスが4匹。
時計の歯車や装飾が非常に細かく、高い評価を受けて最優秀賞受賞。

作品だけじゃない!仕事観や考えも見ている

デザイン性、色味、ストーリー性、そして技術。審査委員は作品を隅々までじっくりと観察し、お菓子に込められた想い、またパティシエの人間性までも想像するそうです。

例えば、マジパン部門で優秀賞を受賞したこちらの作品。 テーマは「カカオ農園からの贈り物」。
中央の女の子の幸せそうな表情から、いかにカカオが人々に幸せを与えているのかが伝わります。周りにいるキャラクターたちの表情、動きから、それぞれがどんな想いでカカオを育て、チョコレートを作り、女の子に届けようとしているのか。と、様々な想像をさせてくれる作品です。

そんな独自の世界観、ストーリー性はもちろんのことですが、審査委員の目をくぎ付けにしたのは、実は作品の「裏側」です。 ホワイトチョコレートの板の裏にナッツやレモンが!裏側にも細かな細工が施されており、「360度、どこから見ても美しい作品」と審査委員をはじめ来場者からも注目を浴びていました。また、このことから「見えないところであろうと手を抜かない」というパティシエとしての仕事観まで伺えるそうです。

こちらの作品はピエスモンテ・ショコラ部門で最優秀賞を受賞。 受賞者ご本人にお話を伺うと、「恐竜がどんな骨組みをしているのかを勉強した」とのこと。骨の上に筋肉があり、そしてごつごつとした皮膚がある…と、作品作りのために解剖学に近いことも取り入れたそうです。リアリティを追求する姿勢は、紛れもない「本物志向」であることが分かります。

このように自由なテーマ、デザインで出品できるコンテスト作品には、技術だけでなくパティシエの普段の仕事ぶり、考え方などが強く表現されます。過去のコンテスト画像を改めて見ながら、「この作品を作った人は、どんなパティシエなんだろう」と想像するのも面白いですね。

最後に

コンテストに出品するには、仕事が終わってからの時間や休日を使って作品を作らなければいけません。来場していた出品者に話を聞くと、2週間から1ヶ月は寝不足の日々が続くそう。職場でシェフや先輩から作品にダメ出しされることも多々あり、落ち込むこともたくさんあるといいます。

しかしコンテストは、自分だけのストーリーをお菓子で表現でき、表現するための技術を高める研鑽の場です。他店のシェフやパティシエからの講評もあり、また次のステップへ踏み出すためのアドバイスを直接受けることができます。そこで初めて「自分が磨くべき技術」や「人を惹きつけるデザイン」に気付けることもあるそうです。自分の力量を客観的にチェックしたり、次の目標を見つけたりなど…たくさんの刺激を受ける機会として、コンテストに挑戦してはいかがでしょうか。

もちろん、出品していなくても「審査委員」という腕章をつけた方に声をかけると、各作品について詳しく解説してくれます。他のパティシエがどんな作品を作るのか、そしてその作品はどんなところが評価されているのか、直接聞いてみましょう!

この記事の筆者

あかざしょうこ

1984年生まれ。PATISSIENTの編集ライター。「人生の教科書は人」をモットーに聞いたり書いたりしています。疲れたときは少女マンガに出てくるイケメンを眺めて癒されています。最近のブームは『執事たちの沈黙』。

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