シェフパティシエになるために必要なこと

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パティシエとして働く中で、「シェフパティシエになりたい」と一度は考えたことがある方が多いのではないでしょうか。 ただ、「シェフ」と言うからにはその店を任される責任重大なポジションであり、明確な目標もなく、ただ仕事をこなしているだけではシェフにはなれません。 でも、具体的にどんなことをすれば良いのか。 ただ「がんばる」だけでは、自分がどの程度成長しているのか、なかなかわかりにくいものです。 そこで今回は、シェフパティシエになるために必要なことをまとめてみました。 様々な意見、方法がありますので、まずはひとつの参考として読んで頂けたらと思います。

シェフパティシエの仕事

まず、シェフの仕事とはどのような内容なのでしょうか。 シェフの仕事としてメインになるのは、やはり「おいしいお菓子を作ること」です。 もちろんどの立場においても「おいしいお菓子を作ること」が仕事ですが、シェフにおいてはそれが圧倒的なものでなければなりません。 何か一つ作業するにあたっても誰よりも早いスピードで、誰よりも丁寧に、誰よりも良いものを作りあげることが求められます。 見習いであれば洗い物や掃除などの雑用や部分的な先輩のアシスタントにおいて、中堅であれば任された1つのポジションにおいて、最大限の能力を発揮することが求められますが、シェフはその全てにおいて秀でることが必要なのです。 例えば、「理想のシェフパティシエ像」を思い浮かべてみてください。 菓子作りの全てにおいて、高い技術を持っている姿を想像する方が多いのではないでしょうか。 パティシエの仕事は技術職のため、技術が高ければ周りからも認められ易くなり、この人についていきたいと思わせるカリスマ性も生まれます。 もしそうでなければ、シェフの地位に就いたとしても誰からも尊敬されず、スタッフを引っ張っていくこともできず、お店がぐちゃぐちゃになってしまうことも。 そのために今からできることとしては、仕事のできる先輩やシェフの仕事をよく観察し、それを真似ること。 洗い物ひとつとっても、仕事のできる人は「いつやったの?」と思うくらい早く、きれいで、水や洗剤も無駄なく使っているものです。 どうやったらそんなふうにできるのだろうと観察眼を鋭くし真似ていくことによって、段取りや動き方がわかってきます。 そして、技術に加え、理論も勉強していくことも大切です。 勉強方法は今ではいくらでもありますよね。 製菓本は数え切れないくらいありますし、製菓学校時の教科書などを見返すのも大いに勉強になります。 他にも菓子作りに優れていることを示す「菓子製造技能士」の資格を取得するのも良いかもしれません。 この資格は、実技はもちろん、学科試験もあります。 忙しい現場で経験を積む中で、技術はあるものの理論が追いついていないケースも多い中、資格取得の過程で理論も合わせて学ぶことができるというメリットがあります。

スタッフの育成・管理

「菓子作り」に関すること以外では、スタッフの育成・管理もシェフの大切な仕事です。 パティシエの仕事は一人で仕込みから仕上げまでの全てをするわけではなく、ほとんどの場合が分業制。 その場合、シェフ一人が有能であっても、スタッフのレベルが低ければ出来上がるお菓子のクオリティも下がってしまいます。 全工程において高い技術力でお菓子を作るには、スタッフにどんどん育ってもらうことが必要なのです。 中堅レベルであれば、直属の部下の一人~二人のフォローでよかったものが、シェフになればその範囲は全スタッフにおよびます。 特に技術職の場合「技は見て盗め」という風潮があり、何も教えないところもあったり、最初の数年間は雑用のみといったようなこともあるようですが、今の時代にそれではせっかく頑張ろうとしている芽を摘んでしまうことになりかねません。 一人一人のスタッフの長所、短所を見抜き、レベルを把握し、一定の裁量を持たせ、たくさんの挑戦をさせ、ミスはフォローする。 そして自分の知識や技術は出し惜しみせず教えることが大切です。 そのために今からできることとしては、自分以外のスタッフが今何をしているかを把握するのが良いのではないでしょうか。 そうすることで、シェフになった時に的確な指示が出せるだけでなく、スムーズにお店を運営することもできます。 はじめは自分の仕事で精一杯かもしれませんが、少しずつ意識することから始めてみてください。

他にもやるべきことはたくさん!

他にも、お店によっては新商品の開発や売り上げ管理、材料の発注やシフト作りまでをシェフが行うところもあり、仕事量は膨大。 何か問題があればシェフの責任になり、やはりシェフの仕事は決して「楽」とはいえません。 しかしその反面、もちろんやりがいもあります。 スタッフみんなでおいしいお菓子を作り上げた時は充実感でいっぱいになりますし、そのお菓子でお客様においしかったと言ってもらえた時は、実に嬉しいものです。 自分が全ての責任を負っているわけですから、一スタッフである時よりもその嬉しさは何倍にもなります。 さらに、スタッフが成長していくこともやりがいのひとつです。 何もできなかった新人がカスタードを炊けるようになった、さらにはポジションを任せられるようになった。 その成長ぶりは、まるで自分のことのように嬉しいものです。 最後に、最も大切なのは、シェフを目指す心構え、「覚悟」と「努力」です。 これがなくではシェフは務まりません。 どんなときも全ての責任を負うのがシェフ。 良い時だけ自分の手柄にして、悪い時は自分は関係ない、なんてことはできません。 毎日、目の回るような忙しさの中でも、トラブルが起こることも多々あります。 何度も注意しているのにスタッフが聞いてくれない時もあります。 新商品をいくら出しても売り上げが落ち込む時もあります。 それでも全てを受け止め、改善策を考えていかなければならないのです。 そして、常に努力を続けることも重要です。 シェフになったからといって、そこがゴールなわけではありません。 技術を高め、知識を深めるのに決して終わりはないのです。 より良い菓子を提供できるように努力し続けられる人でなければ、お客様もスタッフも離れていってしまいます。 全ての責任を負う覚悟を持ち、最大の努力をし続けること。 そんな心構えでシェフを目指すなら、きっとその夢も遠いものではありません。 まずは今できることから始め、一歩一歩進んでいきましょう。
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