時代のニーズに答える!「カロリーオフの甘味料」

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近年では体型維持や健康志向からカロリーを気にする消費者が増える中、ファミリーレストランや居酒屋チェーンのメニュー、コンビニエンスストアの食材など、あらゆるところでカロリー表示がなされていますよね。 洋菓子業界でも野菜を使ったケーキなど、ヘルシーさを売りにした商品を打ち出すお店も増えてきています。 ですが、砂糖や乳製品などハイカロリーの材料を使う洋菓子では、まだまだ低カロリー化への工夫がされている商品は少なく、パティシエの皆さんも試行中なのではないでしょうか そこで今回は、砂糖のような甘みを出すことができる、カロリーオフの甘味料についてご紹介したいと思います。

甘味料の種類

◆甘味料とは…

食品を甘くするためのものの総称で、食品衛生法では食品添加物に分類されます。 天然の食品に含まれる甘み成分を精製・濃縮したもの(代表的なものは砂糖や蜂蜜・水あめなど食品として扱われるもの)や天然の食品から特殊な処理によって甘み成分を合成した既存添加物(代表的なものはステビアやキシリトールなど)の天然甘味料と、天然の食品に存在しない甘み成分を人工的に合成した合成甘味料(代表的なものはアスパルテームやスクラロースなど)があります。
低カロリーの甘味料とは… 甘味料の中で、低カロリーとされる甘味料は主に天然甘味料の中の「糖アルコール類」に分類されるものと、合成甘味料に分類されるものに多く存在し、中には砂糖の数百倍の甘みを感じるものもあります。
 

◆天然甘味料…天然に存在する甘み成分を人工的に合成したに含まれる低カロリー甘味料

ステビア… キク科の植物ステビアの葉を粉砕もしくは抽出したもので、甘さは砂糖の約300倍近くと言われています。 キシリトール… 樹木などから抽出されたキシランを分解したキシロースを還元したもので、カロリーは砂糖の25%程度と低いが、甘みは砂糖と同等とされています。 水に溶ける際に吸熱するため、清涼感を出すことができます。 ソルビトール… ブドウ糖(グルコース)を還元したもので、カロリーは砂糖の75%程度と低いが、甘みも砂糖の6割程度とされています。 キシリトール同様、水に溶ける際に吸熱反応を起こすため飴などに多く使用されています。 また、高い保湿効果があるため、焼き菓子などのパサつき防止にも効果を発揮します。 エリスリトール… ブドウ糖を発酵させて作られるもので、カロリーが極めて低く、甘みは砂糖の7割程度とされています。 高甘味度甘味料との併用で砂糖に近い甘みを出すことができます。

◆合成甘味料…天然に存在しない甘み成分を人工的に合成したもの

アスパルテーム… アミノ酸由来の合成甘味料で、アスパラギン酸とフェニルアラニンが結合してできたものです。 甘みは砂糖の約200倍とされ、カロリーは砂糖と同等ですが、高甘味度甘味料のため、少量で甘みを出すことができます。 アセスルファムカリウム… 酢酸由来の合成甘味料で、甘みは砂糖の約200倍とされています。体内で消化されず排出されるため、カロリーはゼロカロリーとされていますが、後味に独特の苦みを感じる場合があります。また、使用量については厚生労働省の告示である「食品、添加物等の規格基準」により制限が定められていますので注意が必要です。 スクラロース… 砂糖を基に作られた合成甘味料で、甘みは砂糖の約600倍とされています。 こちらもまた消化されないため、カロリーはゼロカロリーとされています。 サッカリン(サッカリンサンナトリウム)… 甘みは砂糖の約200~700倍とされ、摂取してもカロリーにならないとされています。 サッカリンの場合は水に溶けにくいため、通常は水に溶けやすいサッカリンサンナトリウムが使用されています。 使用量については「食品衛生法」により制限が定められていますので注意が必要です。

時代のニーズ × 低カロリーな甘味料

カロリーオフ甘味料についてご紹介しましたが、この低カロリーな甘味料を使うことで消費者へのアプローチはどのようにすることができるのでしょうか? 全ての商品を低カロリー化するのではなく、ショーケース内の1アイテムに低カロリー化した商品を加えることで、大きく生産ラインを崩すことなく上手にコスト管理をしながら取り組んでいる店舗もあります。 また商品数を絞りながら特別感を出すこともお客様へのアプローチとしてはいいかもしれません。 お客様に分かりやすいように、低カロリー甘味料を用いてカロリーカットをしている旨を商品名と共に表示するなどカロリーを気にされているお客様の眼を惹きつけるようなディスプレイを考えてみてはいかがでしょうか。 低カロリー甘味料には砂糖とは違った甘みの感じ方をするものもあり、砂糖を全て低カロリー甘味料に替えてしまうと、味の感じ方も変わりますので、砂糖の使用量を減らし、その分を低カロリー甘味料に置き換えてみても良いのではないでしょうか。

低カロリー化への挑戦

パティシエの皆さんにとっても低カロリー化への挑戦は新しい発展へのチャレンジではないでしょうか? 「Toshi Yoroizuka」のオーナー鎧塚俊彦さんも「ラカント」という羅漢果抽出物とエリスリトールを配合した低カロリー甘味料を使ったお菓子をプロデュースされており、洋菓子の低カロリー化へのニーズを感じさせられますね。 甘味料での低カロリー化以外にも、カロリーの高い生クリームをカロリーカットされた低脂肪分クリームや豆乳ホイップに置き換えるなど、低カロリー化への研究をすることで洋菓子業界の新しいニーズに答えられるようになるのではないでしょうか。
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