ショコラティエの仕事 日本人ショコラティエの活躍

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洋菓子業界の中でも、最近よく耳にするのが「ショコラティエ」という仕事。 「ショコラティエ」とは、チョコレート菓子を専門に作る職人のことです。 単に「チョコレート菓子をつくる」と言っても、カカオ豆の選定からはじまることも。 南米のベネズエラやアフリカなど産地によって風味に大きく違いが出るため、カカオ豆ごとの特徴も知っていなければいけません。 また、チョコレートは湿度・温度の影響を受けやすいデリケートな食材です。 テンパリングひとつとっても、毎日微妙に調整しながらベストな状態に仕上げます。 ショコラティエが手掛けた美しいチョコレートは贈答品としても人気が高いため、味だけでなくデザインも重視したチョコレートづくりが求められるのです。 もちろん、ショコラティエはケーキや焼き菓子なども扱いますので、パティシエとしての技術と知識が必要であることは言うまでもありません。 通常、パティスリーに何年か勤務して、チョコレート部門の仕事を任されるようになり、チョコレート菓子を作る仕事をメインでしている職人を「ショコラティエ」と呼ぶと考えてよいでしょう。 それでは、どうすればショコラティエになれるのでしょうか。 日本では今のところ、「ショコラティエ」に関する特別な資格はありません。 菓子職人に与えられる資格には、「製菓衛生師」という国家資格がありますが、製菓衛生師は和洋菓子・中華菓子、その他の菓子全てを含む、菓子製造作業に従事する者で一定の経験や技能・知識があるものに対して与えられる資格のことで、特に分野がわかれているわけではありません。 では、現在「ショコラティエ」と呼ばれる人たちはどうやってショコラティエになったのでしょうか。 現在活躍中のショコラティエのほとんどが、国内の洋菓子店でパティシエとして腕を磨き、技術を身につけた後、海外のパティスリーやショコラトリーで修行を積んで帰国、パティスリーに入店してショコラ部門の担当になったり、自分のお店をオープンしているようです。 日本で有名なショコラティエといえば、ミュゼ・ド・テオブロマの土屋 公二氏、パレ・ド・オールの三枝俊介氏などの名前が挙がりますが、海外修行経験ゼロでありながら、チョコレート版ミシュランとも呼ばれるチョコレート愛好家の最高権威「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ(Club des Croqueurs de Chocolat。略してC.C.C)」の審査で、フランス在住以外の日本人として初エントリー、最高位を獲得したSコヤマの小山 進氏の例もあるので、海外修行経験が必須、というわけでもなさそうです。 さらに、日本人ショコラティエで日本に出店せず、パリでショコラトリーをオープンしているサダハル・アオキの青木 定冶氏、イケメンショコラティエとして女性に人気の吉田 守秀氏も2013年にMORI YOSHIDAをパリにオープンさせています。 彼らのように、日本人でありながらパリの美食家に愛されているショコラティエもいます。 小山氏や青木氏、吉田氏のように、海外の美食家をうならせる日本人ショコラティエがいるということは、日本のショコラティエの技術と感性が世界に通用するハイレベルのものである、ということの証明になるでしょう。 しかしながら、日本でのチョコレートの消費量は世界に比べてまだまだ少量。 ヨーロッパでの年間一人当たりのチョコレート消費量は、ドイツ・スイス・ベルギーではほぼ10キロであるのに対し、日本ではわずか2.2キロと少ないため、チョコレートの専門店が少ないのが現状です。 チョコレート文化が根付いているヨーロッパと比べ、専門店も購買者もまだまだ少ない日本のショコラトリーではありますが、海外でも通用する技術やセンスを身に付けたショコラティエやショコラティエ候補生が次々と誕生しています。 今はまだショコラトリー途上国の日本ですが、今後の可能性は無限大。 日本人独特の感性と繊細さを生かしたショコラティエが、世界中で活躍する日もそう遠くないかもしれません。
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