洋菓子業界の市場規模

  • 業界事情
  • 経営

main

洋菓子業界は流行が常に移り変わり、新しい商品、海外からの新ブランドの上陸など様々なトピックスが目まぐるしく移り変わる業界です。
ではその洋菓子業界の「市場規模」はどうなっているのでしょうか。
今回は2015年8月時点の、おおまかな動向をまとめてみました。

菓子全体にとっての洋菓子市場規模

2013年度には2兆円を突破、翌2014年度には2.1兆円を計上したとされるスイーツ市場。(この中にはスナック菓子なども含まれています。)
その中でも「洋菓子」の売上規模は
2014年には2,793億円
2015年の見込みは2,806億円
との予想が発表されています。

手軽に購入できるコンビニデザートだけでなくコーヒーとセットで楽しめるスイーツなど、コンビニエンスストアでも本格的な洋菓子の提供に力を入れており、消費者にとっては選択肢が広がるだけでなく洋菓子がより身近なものになっているというのも売り上げ増加の背景として考えられるようです。
その一方で、海外で話題のスイーツや単一商品に特化した専門店、またプレミアム感を求めるニーズに応える高級志向の洋菓子が注目されたり、洋菓子業界全体が依然として活気のあるマーケットであることは間違いありません。
ただしコンビニエンスストアの安価な洋菓子に顧客が流れることにより、個人店のパティスリーなどには厳しい現状があるのも事実です。

洋菓子市場の推移

洋菓子は材料の多くを輸入品に頼る場合が多いため、円安・物価上昇による原材料の高騰などの影響を直接的に受けてしまうという側面があります。
また小売り業態全体にとって打撃となる2014年の消費税アップなど、悩みの種が尽きない近年。
特に専門店や百貨店における洋菓子類の売上は、コンビニスイーツの充実や冷蔵・冷凍技術の進化におけるお取り寄せ人気の影響もあって堅調ながらもやや低迷ぎみといえます。

主要企業の売上動向

ここで主要な洋菓子メーカーの売上高を見てみましょう。

2013年2014年
株式会社不二家
(洋菓子事業単体)
273億円303億円
株式会社
シャトレーゼ
418億円430億円
モロゾフ株式会社279億円277億円


モロゾフは2億円のダウンですが、他2社は大きく増収し、伸びていることがわかります。
ただ営業利益は不二家が前年比マイナス20%(連結)、モロゾフも8.03億から7.27億円にダウン。
増税に加えて材料費・光熱費の上昇といった全体的なコスト増が原因となっているようです。

今後の洋菓子業界予想

チェーン店・百貨店・専門店そしてコンビニスイーツにおける洋菓子の国内市場は2015年にはそれぞれ前年比100.5~103.3%と上昇が予想されています。
食品原材料偽装問題や今後予定されている消費税のアップなど食の業界にとってはまだまだ課題が多い状況が続きますが、業界全体の売り上げは好調。
ただし、パティスリーにとってはコンビニスイーツや様々な新業態など競合との顧客争奪戦が予想されるため、好調な市場の中でいかに工夫して顧客を取り込むかが売上アップのカギとなりそうです。

 

ご意見・ご感想はこちら

パティシエントとは

パティシエントは、洋菓子・パン業界で働くすべての人の働くと学ぶを応援するサイトです。
夢や働きがいがあっても、離職率が高い洋菓子・パン業界。離職の理由に多く挙げられるのが、人間関係や労働条件のミスマッチです。
パティシエントは「どこで」「だれと」「どんな風に」働くのかがイメージできるリアルな求人情報や、仕事に役立つ業界内の様々な情報をお届けすることで、パティシエ・パン職人・販売スタッフをサポートします!
また、業界専門の転職エージェントがあなたにピッタリのお仕事を紹介する「転職支援サービス」を通して、より良い職場との出会いもサポートしています。