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TOPパティシエントマガジン > 好きなことだけを仕事に。型にはまらず「自分らしく自由に働く」パティシエールインタビュー

インタビュー

好きなことだけを仕事に。型にはまらず「自分らしく自由に働く」パティシエールインタビュー


今回はパティシエとしてフリーで活動している坂本幸雪(さかもとこゆき)さんにインタビュー。 現在坂本さんは、お菓子の受注販売、イミテーションを中心としたオーダーメイドケーキ製造、お菓子教室、さらにシュガーアートでパフォーマンスを行うアーティストとしても活動されています。

パティシエとして洋菓子店やホテルで勤務するなかで「自分の本当にやりたいこと、本当に好きなことはなんだろう?」と悩んだ結果、今の「自分らしい」仕事スタイルを見つけたそう。

組織に属さずに、自由奔放に周りを巻き込みながら自らのキャリアを積み上げている最中の坂本さん。 今回は活動拠点であるご自宅にお邪魔して、今の「生き方」を選んだきっかけや、「パティシエ」の枠を超えつつある現在の活動について伺いました。

坂本幸雪(さかもとこゆき)さん

福井県出身、神戸在住の29歳。高校のときにスイーツ甲子園へ出場し、優勝。神戸国際調理製菓専門学校を卒業後、神戸の洋菓子店へ就職。その後ホテルパティシエとして勤務し、Wilton(ウィルトン)のインストラクターへ転身。現在はスイーツ甲子園で出会ったシェフのお店であるショコラトリー「ラ・ピエール・ブランシュ」で働きながら、フリーで幅広い活動を行なっている。

シュガーアートの魅力を広めるべく、日々奮闘中



▲こどもを対象に開催した、グランフロント梅田での出張デコレーションレッスン。(写真提供:坂本幸雪)

―SNSを拝見しました。かなり幅広く活動されている印象ですが、今は具体的にどんなことをされていますか?

ショコラトリー「ラ・ピエール・ブランシュ」で月10日程度の製造補助アルバイトをしながら、福井県で月に3〜4日程度、Wilton(ウィルトン)公認のケーキデコレーション教室をしています。あとは受注生産でカップケーキやクッキーを作ったり、観賞用のイミテーションケーキやボードを作ったりします。



▲観賞用の作品を作る主な作業スペースは、2LDKの自宅の一角。SNSに載せる動画や写真撮影も自分でしているそう

関西ではなく、福井でシュガーアート教室をされているのはなぜですか?

以前は三ノ宮と京橋(大阪)の教室で講師の一員として勤めていたんですが、2年程前、ある先生から「福井でやってみたら?」と言われたことをきっかけに、まだウィルトンの教室がひとつもなかった福井県で、新しく教室を開いたんです。

シュガーアートはまだまだ知名度の低いジャンル。それに、福井は田舎なので、シュガーアートに触れるようなイベントや施設もなければ、知る機会もなかなかありません。私としてもシュガーアートの魅力を広めたいという気持ちがずっとあったので、思い切って福井で挑戦することにしました。
神戸からの行き来はありますが、固定費のかからない実家で場所を作って、1回帰るごとに3〜4日間集中して教室をやっています。

▲ウィルトンのレッスンコース内容は、クリームアイシング、フラワー&ケーキデザイン、フォンダン&ガムペースト、上級のアドバンスの4種類、全16回。

―レッスン内容はウィルトン指定のものがあるんですね。

ウィルトンでは、全国共通のメインコース4種類に加えて、単発のレッスンを自分で企画します。 単発企画の方は、「こんなの作れるようになります!」っていう試作を用意して撮影して、料金設定して、ブログ記事を作って募集かけて、地元新聞などに募集要項を載せてもらったりして…という風に進めます。

当たり前なんですけど、生徒さんが集まらなければ、お金にならないのでかなり必死ですね。自分がやりたいレッスンと生徒さんがやりたいものは一緒とは限らないし、ニーズを察知するのが難しくて、頑張って企画しても申し込みゼロみたいなこともありました。そうなると、もちろん収入もゼロです(笑)

―シ、シビア…。それを全部1人でされているんですよね。相当企画力が要りそうです。

でも、「お客さん」を意識した商品やサービスを用意するという部分は、ある意味洋菓子店と変わらないと思います。生徒さんにレッスンを楽しんでもらうことが一番。書籍を見ただけではわからないテクニックに実際触れることで、生徒さんに感動してもらえるのも嬉しいです。より多くの人にシュガーアートの魅力を知ってもらうためにも、教室の活動はこれからも続けていきます。

やりたい仕事ができないもどかしさを感じた修行時代

▲試作のシュガーカップケーキ。

―高校のときには、スイーツ甲子園で優勝されたそうですね。

学生のころからお菓子を作るのが好きで。同じようにお菓子が好きな友達と3人で出場しました。どんなお菓子を作るかイチから考えたり、いろんな味の組み合わせでムースを作ってクラスのみんなに食べてもらって感想聞いたり…お菓子を食べて喜んでもらえることが、すごく嬉しかったんですよね。

―専門学校卒業後は神戸の洋菓子店に入り、そのあとホテルで勤務されました。どんな修行時代でしたか?

最初に入ったお店は路面店でも規模は大きい方で、1年ほどお世話になりました。パティシエ希望で入ったのですが販売担当に配属されて、入社半年後には立ち上がったばかりのクレープの店舗に異動になり、毎日クレープを焼き続けていました。

やっぱり「ケーキの製造がやりたい!」と思って、規模が小さめのホテルに転職したのですが、私の仕事はカットケーキの仕上げや皿盛りがほとんど。ポジションは人が辞めない限り完全固定でした。今考えたらホテルの仕事としては一般的だと思うんですが、当時は知らずに入って少し驚きました。

15時で終わる仕事だったので労働環境には恵まれていましたが…ホテルの仕事に慣れてきた頃、ふと過去の自分を振り返ってみると、数年前の自分と比べて、何が成長できたんだろうと疑問をもちました。「このままじゃだめだ」と焦りを感じて始めた習い事が、ウィルトンのシュガーアートデコレーションです。

―なるほど…今職場ではできないスキルを、職場の外で学んだんですね。

もともとデコレーションには憧れがありましたし、どうせならゆくゆくは仕事に活かせることをやりたいと思って。それからどんどんシュガーアートにのめり込んでいきました。毎日ずっと同じ仕事をきっちりやるのが、向いていなかったのかもしれません。職場と自宅を往復するだけの環境で、憧れや目標になる人に出会えなかったので、自分で何とかしないといけないなと思ったんです。

自分のやりたい!が実現できるキャリアを見つけた

▲東京で開催されたシュガーアートコンテストの受賞作品(写真提供:坂本幸雪)

―そしてウィルトンでのレッスンを経て、インストラクターへ転身されるんですね。

レッスンのなかで、製菓学校では教われなかったシュガーアートのテクニックを知ることができて、本当に楽しくて。先生に勧められてコンテストに出品した際には賞をもらうこともできて、先生に褒めてもらえたこともすごく嬉しかったんです。シュガーアートがどんどん好きになって、大きなやりがいも感じるようになりました。

▲自分のお姉さんのウェディングケーキも製作したそう(写真提供:坂本幸雪)

それである日、「私もこういう仕事ができたらなあ」とぼやいたら、先生から「資格とってうちで働いたら?」と言ってもらえたんです。 ウィルトンは趣味で来られている方がほとんどだったし、パティシエのキャリアとして考えたことがなかったのでハッとしましたね。すぐに資格試験を受けて、無事合格することができました。

ただ、インストラクターの収入は授業数や生徒さんの人数に大きく左右されます。収入面はかなり不安定だったので、ホテルパティシエの仕事はアルバイトで続けさせてもらいながら、教室で働いていました。

―正社員として働くのとは、生活スタイルもかなり変わりますよね。不安はありませんでしたか?

正直なところ、世間的に正社員とフリーターではどうしても印象が違うじゃないですか。社会的地位といったら極端かもしれないですが…。最初はそこに不安はありました。
正社員は安定を得られるかもしれない。でも、充実感を見出せない環境の中で仕事を黙々と5、6年続けたとしても、きっと成長なんてできない。自分が自分の人生を一番楽しめる働き方をしたいと思ったので、すぐに吹っ切れましたね。

―やりたいことをやるために、悩んで模索した結果、今の仕事スタイルになったんですね。

「ラ・ピエール・ブランシュ」での製造補助のアルバイト、レッスン、オーダー作品制作にシュガーアートのパフォーマンス。今はいろんなことをやっていますが、やりたいこと・目標も増えていき、出会う人脈もガラッと変わり、充実した日々を送れていると思います!

ライブパフォーマンスとの出会いと巨匠の激励

▲音楽イベントでのシュガーデコレーションパフォーマンス(写真提供:坂本幸雪)

―ところで、最初にも伺った「シュガーアートパフォーマンス」というのは、どういうものなんですか?

音楽に合わせて即興で仕上げる砂糖を使ったケーキデコレーションや、アイシングを絞って大きなボードに絵を描いたりします。実はこれはまだ始めて1年くらいのものです。この間は、通っている異業種交流会で知り合った似顔絵師とDJの方とコラボして、神社の場所をお借りして、お砂糖で龍を描きました。

―神社ですか!?ずいぶん突飛ですね。なぜまた神社で?

やっぱりそう思いますよね(笑)もともとシュガーアートの個展をいつかやってみたいなあと思ってはいたんですが、異業種交流会で出会った人たちからの協力のもと、実現することができたんです。そのなかで縁があって、私がとにかく好きな場所…神社を個展の会場としてお借りできることになり、とんでもないスピード感に自分でも驚きました。

シュガーアートパフォーマンスは個展でのイベントとして挑戦したのですが、想像以上に楽しく、今までにない高揚感に出会いました。見にきてくれた友人だけでなく、たまたま通りかかった人も立ち止まって観てくれたのがとても嬉しかったです。

▲神戸・走水神社でのシュガーアートコラボパフォーマンス(写真提供:坂本幸雪)

神社で、シュガーで、大きな絵を描く…一般的なパティシエの仕事とは全然違いますね…!やろうと思ったきっかけは何だったんでしょう?

お菓子を使ったパフォーマンスを始めたきっかけは、SNSの動画で見かけたジャニス・ウォンです。日本でもデザートバーが人気なんですけど、グミで絵を描いたりするんですよ。私も最初見たとき驚いたんですが、「パティシエの仕事ってケーキを作るだけじゃないんだ」と衝撃を受けて、自分も挑戦したいと思ったんです。



▲自身初開催となるシュガーアートの個展イベント。シュガーアート作品奉納の様子(写真提供:坂本幸雪)

ただ、突拍子もないことをやり始めたので、正直業界の方からどう思われているか、不安はありました。SNSで発信しつつも、今も通っている教室…ものすごく尊敬している「東京シュガーアート」の先生にもずっと話せなくて。

でもある日、先生の方から、「SNS見たよ!シュガーパフォーマンスやってるんだって!?いいね!」って、褒めてもらえたんです。それどころか、パフォーマンススタイルについてのアドバイスまでいただけて。

―おお…!それは勇気づけられますね…!大きな自信になったんじゃないでしょうか。

すごく嬉しかったです。やりたいことは口にしていった方がいいんだということにも、確信がもてました。パフォーマンスをやると、シュガーアートを知らないたくさんの方の目にも触れて、知ってもらえる機会になります。SNSにアップした動画を見てお問い合わせをいただくことも少しずつですが増えてきて、今後は日本だけでなく、海外を舞台にパフォーマンスをすることが一つの目標で

いつ過去を振り返っても、「今が一番」

―気になっていたのですが、生活はできているんでしょうか…?

正直、お金に関してはそんなに余裕はありません。やりたいこと、できることの幅はどんどん広がっているので、自分のやりたいことでいかにお金を稼いでいくかというのが、これからの課題ですね。 日本では、シュガーアートでは習い事というイメージなので、興味がある人はいても、ビジネスとしてやろうと思う方は少ないと思います。 でも、パティシエをやっているなかでシュガーアートに出会えて、私は感動体験をたくさんしたので、もっと多くの人にシュガーアートの魅力を伝えたいですね。

―坂本さんのお話を聞いていると、「自分の人生を全力で楽しんでる!」ということが伝わってきます。

私はワクワクできる新しい世界をみつけました。自分のシュガーアーティストとしての活動を発信して業界の認知度を高め、自分の好きなことをやり続けることで味わえる感動を体現化し続けていきたいと思います。

お金を稼ぐだけの方法なら、多分いくらでもあると思います。でも、私はわがままに自分の好きなことをやり通したい。普通に洋菓子店で働いていたら絶対に歩まなかったキャリアですし「安定」とはほど遠いかもしれませんが、まだまだ進化できると思っています。 周りの経営者の方と関わっていくなかで、自分ももっと覚悟を決めて進んでいきたいなと感じたので、つい先日腹をくくって、今年中にファクトリーの立ち上げを宣言し、スタートしました。

過去に比べたら今が一番いいと思っていますが、まだまだもっと「今が最高!」と思えるような瞬間が待っていると思うので、これからもその感動を味わうために、挑戦していきます!

シュガーアーティスト 坂本幸雪

▲大阪・心斎橋BarTKでのシュガーアート壁画作品

HP:http://boneige.com/
ウィルトン福井
instagram:(@koyuki030201)(@wilton_fukui
Facebook:https://www.facebook.com/

イベント情報

▼8月31日/善知鳥神社パフォーマンス/青森
▼9月21日/Rock Star Hotel/大阪
▼10月10日/毛谷黒龍神社パフォーマンス/福井

この記事の筆者

森野みどり

PATISSIENTのライター。パティシエ経験者。(Twitter:@negitama000)

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