パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

酒類

• コニャック

コニャック【仏:Cognac】 フランス南西部・シャラント県の都市コニャックを中心とした6つの地域で生産されるブランデー。この地方の土壌は石灰質を多く含んでおり、糖分が少なく酸味が強いブランデー用ブドウの栽培に適しているとされている。 世界的に有名なブランドとして「レミーマルタン」「ヘネシー」「マーテル」「クルボアジェ」「カミュ」などがある。 製造方法 コニャックは特定のブドウから作られた白ワインをシャラント式蒸留機(単式蒸留機)を使い、蒸気熱ではなく直火で蒸留することが義務づけられている。この酸味の強いワインのアルコール度は低く、8%ほどである。 コニャックの蒸留は二段階で行う。初留を3回と再留を1回がセットとなり、オーク樽で熟成させる。初留におよそ8〜10時間、再留に10〜14時間必要とされる。この製法はコニャック地方で定められたもので、この製法で作られたブランデーのみがコニャックと名乗ることができる。蒸留機は2回とも同じものが使われる。 コニャックに使われるブドウの品種は「ユニ・ブラン(別名サンテミリオン種)」「コロンバール」「フォル・ブランシュ」の3品種のみが認められており、もっとも主流とされているのが「ユニ・ブラン」。 ※全体の10%未満であれば「フォリニャン」「モンティル」「セミヨン」「ジュランソン・ブラン」「セレクト」「メスリエ・サン=フランソワ」の使用も許可されている。 以上の基準に満たないものはコニャックとして販売することはできない。


• アマレット

アマレット【伊:Amaretto(アマレット)】 アマレットは、アーモンド風のリキュールで、主に杏子の核である杏仁から作られる。近年ではビターアーモンドやビター抽出液を使ったものもあるが、基本的にアーモンドは使われない。 甘苦いアーモンドのような香りで、少し赤みを帯びた琥珀色をしている。 アマレット(amaretto)とはイタリア語で「すこし苦いもの」という意味を指す。アマレットはイタリア発祥で、イタリアのデザートには欠かせないといっていいほど、イタリアでは主流なリキュールである。


• ウイスキー

ウイスキーは大麦や小麦、ライムギ、トウモロコシを原料に作られる蒸留酒である。国や地域によって作り方が大きく異なるので、味わいもそれぞれに特長がある。 ウイスキーの種類 スコッチウイスキー スモーキーなフレーバー。 ピート炭で麦芽を乾燥させて作られる。 アイリッシュウイスキー すっきりかつ、まろやかな味わい。 ピートを使用せずに作られる。 ジャパニーズ 繊細で上品、ソフトなニュアンスの品種。 ピートによるスモーキーな風味も控えめである。 アメリカン(バーボン) 甘く香ばしい味わい。 ホワイトオーク樽で熟成して作られる。 カナディアン ライ麦の香りが引き立つ、クセがない味わい。 使用方法 ウイスキーを使ったケーキや、ボンボンショコラなどに使われる。 チョコレートとの相性が総じて良く、パウンドケーキにチョコレートを加えたものにシロップにしてアンビベするなどの使い方がある。


• カルヴァドス

カルヴァドス【仏:calvados】 フランス・ノルマンディー地方で造られている、りんごを原料とする蒸留酒。 ノルマンディー地域以外で作られたりんごの蒸留酒はカルヴァドスを名乗ることはできないため、アップル・ブランデーと呼ばれ、別物とされている。


• キルシュ

キルシュワッサー【仏:Kirschwasser】 さくらんぼを砕き、種子や果肉ごと発酵させたフルーツブランデーである。 アンビバージュによく使われるほか、フルーツの風味づけに適している。苺との相性もよく、苺タルトのアンビバージュに使うと美味しくなる。 また、生クリームに加えることで、マスキング効果を発揮し、すっきりとした後味にすることもできる。


• ラム酒

ラム酒【英:rum、仏:rhum】 サトウキビから作られる蒸留酒。芳香性が強い。 色合いによって薄いものからホワイト、ゴールド、ダークと分類されている。 風味を基準にすると軽いものから、ライト、ミディアム、ヘビーに分類される。 生地の風味付けや果実の漬け込みに利用される。


• ブランデー

ブランデー(オドヴィ)【英:Brandy、仏:Brandy】 ブランデー(ブランディ、brandy)は、果実酒からつくった蒸留酒の総称をいう。 語源はオランダ語で、ブランデウェイン(brandeviin,「焼いたワイン」の意)から来ていて、その後オランダ語から英語へと広まった。「brandy」は、英語では「命の水」という意味になる。フランス語では、ブランデーを 「eau-de-vie:オドヴィ」と呼ぶが、これも英語の「brandy」と同様「命の水」という意味になる。 日本でブランデーが作られ始めたのは1950年ぐらいからといわれている。日本でブランデーを作っているメーカーとしてはサントリー、ニッカウヰスキー、麒麟麦酒などがある。 ブランデーは果実酒から作った蒸留酒を熟成して作る。主に白ブドウのワインが使われているが、りんごやさくらんぼから熟成したものもある。アルコール度が高く40度から50度ぐらいになる。熟成はおおよそ5~8年で、中には25年以上も熟成するものもある。果実ならではのフルーティーな香りや華やかさが、ブランデーの特徴である。 ブランデーの生産国で有名なフランスでは、「コニャック」や「アルマニャック」は原産地の呼称を保護する認証を受けているため、この地方で作ったものしかこう呼べない。また、これらの認証は法律で厳しく制限されていて、フランス産であっても認証のないものは「コニャック」や「アルマニャック」とは名乗れない。 ブランデーの製法 ブランデーの製造方法はいくつかの工程からなる。 1.収穫・発酵 まずブランデーの原料となる白ブドウを収穫する。収穫されたブドウは圧搾機にかけ果汁を絞る。絞った果汁はイースト菌や自然発酵で発酵させる。自然発酵のほうが時間や手間はかかるが高級品になりやすい。発酵が進むことで、白ワインができる。 2.蒸留 この白ワインを蒸留させ、アルコール成分を抽出する。蒸留して加熱することで蒸気として出てきたものを冷却することで、アルコール度数の高いブランデーが作られる。 3.熟成・調合 年単位で行われる熟成により、ブランデーは琥珀色に変わっていく。徐々にアルコール度数が低くなり、まろやかな味わいに変化する。最後に、熟成が完成したブランデーは瓶詰めされる前にメーカーの味や香り、イメージに合わせた調合が行われる。そのためには、熟成年数の違うものを混ぜ合わせて1本を完成させる。 ブランデーの等級 ブランデーは熟成年数によって等級が分かれている。 熟成年数の低いものから、 スリースター V.S.(Very Superio) V.O. (Very Old) V.S.O.P. (Very Superior Old Pale) ナポレオン X.O. (Extra Old) Hors d'âge(オール・ダージュ) それ以上、となっている。 ブランデーの熟成年数は「コント」という単位が使われていて、蒸留した年をコント00、熟成1年目をコント0、熟成2年目をコント1と数える。スリースター、V.S.と呼ばれるのはコント2からで、ナポレオンと呼ばれるはコント6から、X.O. と呼ばれるのはコント10からとそれぞれ決まりがある。


• ポワール・ウィリアム

ポワール・ウィリアム【仏:poire Williams】 洋ナシから作られるリキュールである。 オードヴィ(ブランデー)としてのポワールウィリアムも存在する。 こちらは蒸留酒になるので、色は透明で風味、アルコール度数などが異なる) 主に、フランスのアルザス地方で作られ、風味はまろやかである。 日本で作られる食材は繊細なものが多いので、リキュールなどは風味をつけるため、すなわち原料となる食材の香りを際立たせる事に使用する場合が多い。 ポワールウィリアムの場合は、洋梨を使った菓子に使われる。


• 醸造酒

醸造(じょうぞう)酒は、酵母により原料をアルコール発酵させて作られた酒を指す。アルコール発酵させたまま蒸させないため、アルコール度数は低い酒になる。 最も代表的な醸造酒は、ワイン、ビール、日本酒で、西欧諸国は果実を発酵させて造る酒が、欧州から中東、アフリカ大陸にかけては穀物の種子を発芽させた酒が、日本を含む東アジア一帯は麹を使った酒が伝統的に作られていた。 醸造酒の種類と製造方法 醸造酒は大きく分けて、「単発酵酒」と「複発酵酒」に分けることができる。 単発酵酒 酵母を加えてアルコール発酵させる酒で、酵母の栄養となる糖分が原料に含まれているものが該当する。例えばワイン(ブドウ酒)、シードル(リンゴ酒)、馬乳酒などである。 複発酵酒 デンプン質を最初に糖に変えたあと、アルコール発酵させるお酒で、原料が米や麦などの穀類の場合などに該当する。 方法は「単行複発酵酒」と「並行複発酵酒」の2種類に分けられる。単行複発酵酒はビールのように穀物を麦芽に変えてデンプンを糖化した後に発酵させる方法を言う。並行複発酵酒は日本酒のようにデンプンを糊化してコウジカビなどで糖化する時に同時にアルコール発酵をさせる方法をいう。


• シードル

シードル【仏:cidre、英:cider(サイダー)西:Sidra(シドラ)】 りんごから造られたスパークリングワイン。アルコール度数は2~8%程度の甘口のものが多いが、辛口のものも存在する。ふじや紅玉などの糖度が高い日本産のりんごが使われたものも出回っており、繊細ですっきりとした味わいに仕上がっている。


• ワイン

ワイン【英:wine (ワイン)、仏:vin(ヴァン)】 ブドウから作られる醸造酒で、大きく分類すると赤ワイン、白ワイン、ロゼワインに分けられる。この他にスパークリングワインや、発酵途中でブランデー等のアルコールを添加し発酵を止める酒精強化ワインがある。 近年人気が出ているワインとしては、白ワインで使うブドウ品種を赤ワインの製造方法で醸造した『オレンジワイン』がある。 製造方法 赤ワイン 熟した黒ブドウを果汁、果皮、種子を木樽やステンレスタンクで熟成、発酵させたもの。 白ワイン ブドウの果汁のみを発酵させたもので、原料となるブドウは白ブドウ。 ロゼワイン 作られ方はいくつかあるが、代表的なものは赤ワインと同様に黒ブドウを発酵させ、ピンクに色づいてきたところで果皮、種を分離させる方法がある。 発酵した液体は、澱(おり)という沈殿物と上澄みの部分が分かれるので、澱が入らないように上澄みを別の容器に移し替える作業を行う。 その後、ろ過処理を行い、不純物(もろみなど)をとり除いたものが瓶詰めされる。 現在では、ノンフィルター(にごりワイン)を意図的に作っている醸造所もある。にごりワインは、ろ過されたワインに比べると果実繊維や酵母が多く残っており、ミネラルや食物繊維が豊富に含まれている。 特徴 ワインは日本酒などの他の醸造酒と違い、熟成が可能である。 熟成により、深みがでる、風味の複雑さが得られるなどの効果がある。熟成に向くのは主に赤ワインで、タンニンやアントシアニンが含まれるもの。白ワインは長期で飲み頃を迎えるものもあるが、貴腐ワインなどの高価なものが多い。 使用用途 赤・白・ロゼワインは、フルーツのコンポートやマリネ、ゼリーなどの風味付けに、 スパークリングワイン(シャンパン)はソルベ、ゼリー、ボンボンショコラに使われる。 酒精強化ワインはバターケーキやクリームの風味付けに使われる事が多い。 ワインの種類 赤ワイン 白ワイン ロゼワイン シャンパン


• 赤ワイン

赤ワイン【英:Red wine(レッドワイン)、仏:Vin rouge(ヴァンルージュ)】 果皮が黒、暗赤色のブドウが原料で、果汁、果皮、種子を一緒に発酵させたもの。 飲用以外だと、食事やデザート、煮込み(コンポート)、マリネの風味付けに使われる事が多い。 またスパイスとの相性も良く、シナモンやクローブ、黒コショウ、スターアニス、ジュニパーベリーなどに加え、果物と一緒にサングリアなどに使われる。 作られ方 1. 収穫 2. 除梗、破砕→発酵タンクへ 3. 発酵 酵母を加え発酵 4. 圧搾 果汁と果皮、種子を分ける 5. アルコール発酵 6. 澱引き 上澄み液をタンクに移す 7. 二次発酵 8. 濾過、貯蔵、熟成 9. 瓶詰め 若飲みタイプのボジョレーヌーボーなどの作られ方は炭酸ガス浸漬法という。ブドウを房から外した後、炭酸ガスと一緒にタンクに入れ、蓋をして発酵させることで、短い期間でブドウの香り(果実香)をワインに移す事ができる。 特徴 地域、ブドウ品種、作り方、作り手、作られた年によって味が変わる。 熟成に向くタンニン、アントシアニンが豊富なタイプや、若飲みタイプのものなど、種類は様々。 保存方法 瓶に入ったものは横にしてコルクを乾燥させないようにする。ワインセラーなどの高湿度・温度が一定で涼しく、光や振動のないところで保管する事が望ましい。温度帯は13~15℃が望ましい。 ワインセラーがない場合は、新聞などでくるんで野菜室で保管するとよい。夏場は床下、冬場は暖房の当たらない床下や押し入れなどで保管できるが、温度が低すぎると果実味が抜ける場合があるので、注意が必要。 一度コルクを開けたものは、できるだけ空気に触れないように、移し替えたり、バキュバンをつかって保存すれば多少持ちはよくなる。 ただし開封後は味の変化があるため、ワインの状態を確認する必要がある。


• 白ワイン

白ワイン【英:White wine(ホワイトワイン)、仏:Vin blanc(ヴァンブラン)】 果皮が緑、または黒、暗赤色のブドウが原料。黒、暗赤色のブドウも使うが、果皮と種子を取り除いて果汁だけで作るため、色は透明(白)のワインとなる。 飲用以外だと、食事、デザート、煮込み(コンポート)やマリネに使われることが多い。 白ワインの特性上、青い草の香りがあるものもあり、ハーブとの相性が良い。 貴腐ワインやアイスワインには、はちみつや、熟成したアプリコット、バニラなどの香りもある。 作られ方 1. 収穫 2. 除梗、粉砕 3. 圧搾(果汁と果皮、種子を分ける) 4. 発酵 5. ⑤圧搾 果汁と果皮、種子を分ける 6. ⑥アルコール発酵 7. 澱引き 上澄み液をタンクに移す 8. 2次発酵(※行われないことが多い) 9. 濾過、貯蔵、熟成 10. 瓶詰め 特徴 地域、ブドウ品種、作り手、作られた年によって味が変わる。 甘口のものから辛口のタイプがあり、赤ワインに比べると早飲みタイプのものが多い。 甘口の中には貴腐ブドウで造られたものがあり、高価で長期保存も可能なものもある。 保存方法 白ワインは赤ワインよりも低い温度帯で飲むものも多いが、長期保存する場合は、高湿度・温度が一定・振動がない・日が当たらないワインセラーで行うのがベストである。ただし、白ワインは長期保存に向くものは少ないので、多くの飲食店などで冷蔵保存されている。 ただし、5℃以下になると味や香りが減少する傾向にあるため、温度が下がりすぎないように注意が必要。 抜栓後は空気に触れないように、移し替えるかバキュバンを使用し冷蔵保存する。 飲むのに適している温度は、ワインのタイプにもよるが主に8℃程度、熟成されたものは13℃。


• ロゼワイン

ロゼワイン 黒ブドウから作られるワイン、また、赤ブドウや白ブドウを混ぜ合わせて作られたワインをさす。 一般的には、黒ブドウを原料に赤ワインと同じ工程で作っていく。 他の製法としては、ワインに色がついた時点で果汁から果皮や種子を分離させる(マセレーション法)や、黒ブドウを原料に発酵後の果汁を抜き取る方法(セニエ法)、黒ブドウの果皮で果汁に着色する直接圧搾法がある。 ヨーロッパのワイン法では、完成した赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを作ることは禁止されており、例外的にシャンパーニュのみで許されている。 甘口~辛口までのタイプがあり、シャンパンやスパークリングでもロゼは多く、その華やかな見た目からもお祝いの席で使われることが多い。 特徴 ロゼワインといってもその色味は様々、黒ブドウを使ってその渋みを調節している事もある。基本的にはフルーティーなものが多いが、比較的濃いピンク色をしているもののほうがより渋みを感じる。 保存方法 保存の温度帯、飲み頃は白ワインと同様で、8℃前後で保存し、早いうちに飲む事が望ましい。


• シャンパン

シャンパン【英:champagne(シャンペイン)】 スパークリングワインの一つ。 フランスのシャンパーニュ地方で作られるもので、一定条件下で作られる白、ロゼの発泡性ワインである。 原料は、赤用のピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、白用のシャルドネの3種類。 他のワインでは、ボトルに年号(ヴィンテージ)が表記されているが、シャンパーニュにおいては当たり年のブドウで造った、ヴィンテージシャンパンも存在する。また、そのブドウと他のブドウを混醸されたものも多く出回っている。 シャンパンの特長は、異なる畑のブドウを混醸することなどがある。 フランスでは、ピンク色の焼き菓子に浸して食べられ、ビスキュイシャンパーニュと呼ばれている。 作られ方 1.圧搾 4000kgのブドウから絞った2050ℓ分の一番果汁はキュヴェと呼ばれ、上級シャンパンに使用される。 2.キュヴェ仕上げ 畑(またはその近隣)から集めたキュヴェに、当たり年やワインを加えることでメーカーの個性を出す。 3.発酵 4.樽出し 5.瓶内で2次発酵 6.動瓶(ルミュアージュ) 澱が口の近くにたまるように、3週間~3ヵ月かけてゆっくりと動かす 7.澱引き 8.詰栓 保存 他の多くのスパークリングワインと同様、フレッシュなシャンパンであれば冷蔵庫(6~9℃)で冷やすのが望ましい。 抜栓前に瓶を振ってしまうと、抜栓と同時に中身が炭酸ガスと同時に噴出してしまう。 抜栓後は、炭酸ガスがなくならないように、早めに使い切るか、専用の栓をして保存する。


• リキュール(混成酒)

リキュール【仏: liqueur】 混成酒 リキュールは蒸留酒に果実やハーブを加えて香味をつけ、砂糖やシロップ、着色料を加えた混成酒のことで、菓子の風味づけやカクテルの材料になる。 リキュールの歴史 もともとリキュールは薬酒として作られ、11世紀頃に錬金術師によって作られた。生命の水と呼ばれ重宝され、リキュールとして研究開発された。13世紀頃には薬草の成分としてレモンやバラ、オレンジフラワーなどを加えるようになる。当時は嗜好品としてよりも薬としての役割が強く、リキュールづくりに薬草や香草が多く用いられた。リキュールが嗜好品として使われるようになったのは15世紀に入ってからである。アジアから香辛料が伝わるようになり、リキュールにも用いられるようになった。近代に入り、医学の進歩と共に、リキュールは薬から嗜好品へと変貌していった。 リキュールの種類 リキュールは、大きく分けて4種類に分類される。 薬草・香草系 もとは薬草から始まったリキュールだが、今は加工技術が進歩し、どんどん新しいリキュールが誕生している。香草・薬草・スパイスの類を主原料としたリキュールは、古くからあるリキュールで薬の役割を担っていた。 例:アニゼット など 果実系 果実を主原料とし、果肉・果皮・果汁を使用しており、現在種類・製造量ともに最も多い部類となる。風味が良いため製菓にはこのリキュールがよく使われる。 例:グランマルニエ(オレンジキュラソー)・コアントロー ナッツ・種子系 コーヒーなどの豆や果実の種子を主原料としている。こちらも甘味の強いものが多いため、製菓でよく使われるリキュールである。 例:アマレット、カルーア など その他 近代に入って新しく開発されたもので、卵やクリーム、ヨーグルトといった乳製品やたんぱく質を使ったリキュールである。 例:ラムチャタ など 製造方法 リキュールには様々な製法がある。一般には香味原料から成分の抽出し、配合、熟成、仕上げという順番で作られる。 まずはベースのなる蒸留酒を決める。この時、癖のあるものにするか少ないものにするか、2種類以上の蒸留酒を混ぜたものにするかなどで仕上がりが変わってくる。 主な方法として、「蒸留法」「浸漬法」「エッセンス法」「パーコレーション法」の4つがあり、場合によってはこれらを組み合わせることもある。 蒸留法 ベースになる蒸留酒または水と香味原料を混合させたものを、蒸留して香味成分だけを残す方法で、高級なリキュールを作る時にこの製法がよく取られる。にごりのないきれいなリキュールが作れる。ただ、加熱して行うため、繊細な香りを残したいものや果実などの香味原料だと変質してしまうため、この製法は向かない。 浸漬法 古くからリキュール作りに行われてきた製法で蒸留させない混成酒である。冷浸法と温浸法2種類があり、冷浸法は梅酒、果実酒のようにベースの蒸留酒に香味原料をそのまま漬けこむ製法である。一方、温浸法は、お湯に香味原料を漬け込み、お湯が冷めてからベースの蒸留酒を加える製法である。 エッセンス法 天然または人工のエッセンスオイルをベースの蒸留酒に入れて香りをつける製法である。他の製法と併用して行える。 パーコレーション法 ベースの蒸留酒または水に、香味原料を循環させて香りや味を抽出する。加熱しないので、繊細な香味原料を使用して成分の抽出するときに使う方法である。これらの方法で作られた原酒をもとに、さらに香味液を加えるものもある。


• カルーア

カルーア【西:Kahlúa】 カルーアは、アラビカ種のコーヒーを100%使用したコーヒーリキュールである。 カルーアという名前は、アラビア語でコーヒーを表す俗語、カフワ(kahua)からきている。 1930年にメキシコでアラビカ種の高品質なコーヒー豆を栽培していたアルバレス兄弟によって最初のレシピが生み出され、1936年に化学者であるモンタルヴォ・ララによって完成された。70年以上も前に完成されたカルーアは、現代でも世界中の人々に愛されている。


• グランマルニエ

グラン・マルニエ【仏:Grand Marnier】 1880年にフランスのアレクサンドル・マルニエ・ラポストル (en:Alexandre Marnier-Lapostolle) によって作られたオレンジ・リキュール(オレンジ・キュラソー)の一つである。グラン・マニエとも呼ばれている。アルコール度数が40度。 グラン・マルニエはコニャックにビターオレンジの蒸留エキス分を加え、オーク樽で熟成させて作られる。食後酒としてストレートで飲まれるほか、カクテルやデザートにもよく用いられる。焼成しても香りが残るため、クレープ・シュゼットやデニッシュ、ブッシュ・ド・ノエル、クレーム・ブリュレなどにも使われる。ビターオレンジの苦味を感じられるが甘い香りがするため、クランベリーソースなどの苦味のあるフレーバーに香りづけ目的で加えられることもある。 グラン・マルニエと似たオレンジ・リキュールにコアントローがある。 両者とも度数は同じ40度であるが、製法の違いによって色も味の違いがある。グラン・マルニエは琥珀色でオレンジの苦味が感じられるのに対し、コアントローは白色で、オレンジの苦味はなく、糖分が高い。


• コアントロー

コアントロー【仏: Cointreau】 コアントローとはフランス産のリキュールのひとつで、コアントロー社が製造するホワイトキュラソーの1つである。アルコール度数は約40度で、色は無色透明。 オレンジの香りと甘さが特徴で、カクテルや菓子などに幅広く使われている。数多くのカクテルのレシピになくてはならないものとして挙げられているところから、バーには必ずあるリキュールとされている。香りが豊かでクセがないため、洋菓子において幅広く使われる。