街でうわさの人気パティスリー、どんなお店なのか気になりますよね。
食に敏感な人が多いフランスでは、おいしいお店はすぐに口コミで広がります。
フランスの人気店が集まっているエリアと言えば、パリを思い浮かべると思いますが、実はパリ以外にも人気店はたくさんあるんです!
今回はフランス北西部、パリからTGV(新幹線のような特急鉄道)で約2時間半で到着する都市・ナントから。アートの街として知られるナントは、「フランス人が選ぶ住みたい街ランキング」で毎年上位にランクインするほど住みやすいエリアとして評判です。そんなナントで話題のパティスリーを3店、ご紹介します!
Vincent Guerlais(ヴァンサン・ゲルレ)

現在ナントに4店舗を展開しているヴァンサン・ゲルレはショコラティエとしても有名です。サロンデュショコラ・パリのC.C.C.品評会にて2年連続金賞を受賞。また、2007年より、ショコラティエ・パティシエ界最高峰の国際的洋菓子協会「ルレ・デセール」の会員となりました。
店内は高級ブティックのような洗練された空間。

ショーケースにはケーキ、ショコラ、マカロンがズラリと並んでいました。



中でも人気なのが、「Bulle de Saveur(ビュル・ド・サーバー)」「Yuzu(ユズ)」

▲ビュル・ド・サーバー €4.70(約615円)
ヘーゼルナッツの土台にバニラクリーム、ダークチョコレートムースをキャラメルで包んでいます。

▲ユズ €4.40(約576円)
日本の柚子フレーバー。ショートブレットを土台にダークチョコレートムース、クリーム状の柚子を使用しており、繊細な日本の柑橘とチョコレートのコンビネーションから生まれる香りが絶妙です。
公式サイト
http://www.vincentguerlais.com/
DEBOTTE(デボテ)

創業160年、ナントの老舗ショコラトリー&パティスリーであるデボテ。家族3世代に渡って4店舗を経営しており、地元では有名なお店です。Gilbert Débotté(ギルバート・デボテ)と彼の二人の息子たちは、パリの有名店「Lenôtre(ルノートル)」とイッサンジョー国立製菓学校での訓練を経て、製菓技術を磨き上げました。「ナントの伝統に根ざしたブランドを確立し、勤勉で熱意ある仕事をする」という経営方針だそうです。
店内は歴史あるパティスリーティーサロンの雰囲気。


店内右側にはチョコレート商品が並びます。


人気商品の「Tarte Fraises(イチゴタルト)」と「Gâteau Nantais(ガトー・ナンテ)」

▲イチゴタルト €1.75(約230円)
こちらは一口サイズのタルト。日本と同じく、フランス人にもイチゴやラズベリーを使ったケーキは人気です。特にイチゴタルトは定番中の定番。

▲ガトー・ナンテ €2.95(約386円)
その名も「ナントのケーキ」。小麦粉、バター、アーモンド、砂糖、そしてフランス産「サン・ジェームス」製のラム酒で作ります。見た目同様、作り方もシンプルなケーキ。表面はホワイトチョコレートでコーティングされています。
公式サイト
http://www.patisserie-debotte.com/
EMMA(エマ)

オーナーは、ティボーとルイという幼なじみ2人組。彼らはパティシエではなく、元・医療従事者という異色の経歴だそう。現在は3店舗を経営、古典的なパティスリーから脱却し、デコレーションとイメージを明確にし、品質管理を徹底することを心がけているそうです。
店内はパティスリーだけでなく、ブランジェリーやサラダバーもかねています。

ショーケースはシュークリームとケーキに分かれており、シュークリームはどれを選ぼうか迷うくらい種類が豊富。


人気商品は「Fraisier(フレジエ)」、「Carré Gourmand(カレ・グルマン)」

▲フレジエ €3.90(約510円)
やはり人気のイチゴケーキ。こちらはタルトではなく、イチゴのスポンジを使っています。

▲カレ・グルマン €3.50(約458円)
チョコレートも定番商品。シンプルながらもセンスの光るデザインです。
公式サイト
http://www.emma-patisserie.fr/
まとめ
それぞれナントで人気のパティスリーですが、成功の秘訣はクオリティや味がよいのはもちろんのこと、「ブランドコンセプトがしっかりしていること」です。
ヴァンサン・ゲルレは価格設定が€4以上とお高めでパリの有名店のような雰囲気。一方デボテの価格設定は€3.5前後と比較的安価。老舗の落ち着いた、昔ながらの顧客が通うイメージです。最後にご紹介したエマの価格帯は€3.5~4の中間。新しいコンセプトを打ち出し、あえて小さい店舗にギュッと商品を詰め、感度の高い人々を集めることに成功しています。
まったく個性の違う3店舗。お店のカラーをはっきりと打ち出すことで、お客さんもそれぞれの状況やスタイルでケーキを選びやすいのではないでしょうか。 このように、フランスにはパリ以外の地方にもステキなパティスリーがたくさんあるので、引き続きご紹介していきます!
A bientôt!
※日本価格は2018年5月時点での情報です。為替レートにより変動がありますのでご留意ください。