オーナーインタビュー:パティスリーフランダース 西澤 好剛さん

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パティスリーフランダース オーナーシェフパティシエ 
西澤 好剛 さん

伊丹で2店舗を展開するパティスリーフランダース。
オーナーの西澤さんは「スタッフを急かさず、自分のペースで仕事ができる環境」をつくるスタッフマネジメントで、伊丹でNo.1の売り上げをつくる店舗にまで育て上げました。
今回は、独立時のエピソードと、スタッフマネジメントで意識していること、店舗展開についてなどインタビューしてきました!

独立時のエピソードを教えてください

そもそも、パティシエになりたいと思ったのが、知り合いのコックさんがケーキを作っているのを見て、なんとなく「ケーキ屋さんいいな」と思ったのがきっかけで(笑)
高校卒業後、近くのパティスリーに飛び込んで働き始めた時から、いつかは自分の店を持ちたいと思っていました。

28、9歳あたりで結婚して、たまたま伊丹に引っ越してきまして、家の近くに良い物件がないか探し始めました。
資金は当初150万円しかなくて、開業時に新品で買えたのは150万円のショーケースひとつぐらい。
オーブンや冷蔵庫、器具の大半は前の職場から譲っていただきました。
妻も、結婚する時から一緒にお店をやるつもりでいてくれたので、自分がケーキさえ作れば妻がなんとかして売ってくれるだろう、という信頼もありました。

いろんな人に助けてもらった開業だったので、もし上手くいかなかったら、朝に自分の店の仕込みをして、昼からアルバイトでもなんでも行って稼いでこよう、という気持ちでしたね。

独立してから苦労したこと、嬉しかったことなど、記憶に残っていることを教えてください

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「独立したい!」という勢いだけで独立してしまったので、お店を繁盛させるということについて、本当に勉強不足でした。
だから独立してすぐは商品が売れなくて。本当に全然売れないんです。
どこが改善点かも分からなかったので、まずは近くのバス停などでアンケートを取りました。
ケーキを買う時にはどの店を利用しているのか、どんなケーキを求めているのか。
この地域の人が何を求めているのか徹底的にリサーチしました。

あとは、このエリアにはどのくらいの人が住んでいて、ケーキを買う人はどのくらいか、というのもこの時調べました。
そこで分かったのは、近くに不二家さんと何年か続いているケーキ屋さんがあったので、ニーズ自体は十分にあるだろうということ。
でもアンケートを取る中で、既存店への不満や、不二家を利用しない人の意見なども聞く事ができたんです。
そこに訴求する商品やサービスを提供できれば、お客さんは来てくれるだろうと考えて商品開発などをするうちに、お客さんが付いてきてくれました。

今だから思う、「これをやっておけば良かった」ということはありますか?

独立前は「技術力」を高めることしか考えていなかったので、「経営」や「売上」、「売れるケーキとは何か」ということを全く考えていなかったんです。
お客様はケーキに対して何を求めているのか、「喜んでもらう」とはどういうことなのか、もっと考えておくべきでした。
経営について、売り上げをつくることについて、もっと勉強しておけば良かったですね。

だから、独立してから初めてお客さんの顔を見るようになったんです。
ケーキを選ぶ時の顔、帰っていく時の顔、また来てくれた時の顔。
日々、いろんなことをお客様から教えて頂いていると感じます。

今のお店の運営方針、大切にしていることは何ですか?

やっぱり「人」でしょう。
昔、スタッフから働き方に対する不満の声が出てきたので、全員でミーティングを行いました。
その中で、
「早く仕上げて」と急かされながら仕事をして早い時間に仕事が終わるのと、
終業時間が遅くなってもいいから自分のペースで仕事をする。
どちらがいいのか、みんなに聞いてみたんです。

自分は完全に「早く終わらせる」のが良いと思っていたんですが、スタッフは全員「自分のペースで」仕事をしたいと言う意見だったんです。
これまでの自分の価値観と180度違うので、これはいかんぞ、昔みたいなやり方ではいけない、自分を変えないと、と思いました。
それからは、スタッフを急かすのではなく見守るスタンスに変わりましたね。

あとは、経験関係なくスタッフ全員にいろいろな作業をさせるようにしました。
スタッフ全員で商品をつくっているのだから、みんなで分担すればいい。
もし新人スタッフの仕上げたケーキのカタチが悪いなら、先輩スタッフが修正を行い、どうしても売り物にならない商品は廃棄する、という考え方に変えて、全員が「やりがい」を持って働けるような環境をつくるよう意識しています。

今後の展開を教えてください!

開業して20年以上経ちますが、1店舗目を10年続けて、15坪のその店だけで年間1億円を売り上げました。
その後も、本店の移転や商業施設への出店などもしながら、今は2店舗の運営で年間1.5億円の売り上げを上げています。
この売り上げをもっと伸ばしていく事はもちろんですが、やっぱり「人」を大切にしたいので、1年目からベテランまで、全てのスタッフがやりがいを感じながら働けるような店をつくっていきたいと思っています。
そのためには、もちろん売上も必要なので、地域のお客様から支持される店にしていきたいですね。

あとは、今後というか将来の夢の話になるんですが、最終的には伊丹を出て、妻と二人で小さいお店をやりたい、原点に戻りたい、という話もなんとなくしています(笑)

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パティスリー フランダース

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伊丹で20年以上、現在2店舗を展開する、地域に根差した素材にこだわったパティスリー。
季節ごとのフルーツをふんだんに使用し、「子供が笑顔になり喜ぶ姿」を大切にした商品展開で、多くの地元のお客さまから支持を集める人気店です。

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