最近、料理の魅力を伝えるときなどに使われるようになった「Mariage(マリアージュ)」と言う言葉。おいしい料理とワインのマリアージュ、なんて使われますが、これはフランス語で「結婚」という意味です。
今回はパティシエの結婚事情について書いてみます。
パティシエの「出会い」はいろいろ。
パティシエとして頑張るという志を同じくした専門学校の同期や先輩後輩、息の合ったアイコンタクトで仕事に取り組む職場の仲間、仕事とは関係のない友人や仲間。 最近はフェイスブックやツイッターで、洋菓子好き同士というところから意気投合、なんてパターンもあるかもしれません。
ただ、結婚となると話は少し変わってきます。
パティシエの結婚いろいろ
パティシエ同士、パティシエと販売スタッフなど洋菓子業界内での結婚
洋菓子業界内での結婚の場合、同じ業界で働く者同士お互いの仕事を理解しあえるのがまず大きな利点です。洋菓子業界での仕事はイメージの華やかさとは反対にとてもハードなため、パートナーの理解やサポートは不可欠。どれだけ大変かわかっているからこそお互いをいたわることができる場合もあれば、クリスマスなどの繁忙期が同じなこともあり、お互いがピリピリしてしまう場合もあるかもしれません。
また洋菓子業界内での結婚の場合、結婚と同時にお店を持つケースがあります。その場合は職場が同じなため四六時中顔を合わせていたり、仕事が忙しかったりすると相手への思いやりや心遣いが薄れてしまいがち。一番身近にいるからこそお店のことやスタッフのことなど、遠慮なく意見を言い合えるような距離感を保つことができれば、お店の繁盛にもつながるのではないでしょうか。
ちょうど良い関係性を築くためにも、休日は別々に過ごす、などお互いの時間を大切にすることも必要かもしれません。
洋菓子業界以外の人との結婚
パティシエの仕事は早朝から夜遅い場合がほとんどなので、まずはパートナーに仕事を理解し納得してもらうことが大切です。一般の会社員として働いている方にとって「12月は始発で家を出て終電近くまで仕事」なんていう状況はなかなか理解できないかもしれません。
自分の仕事を説明するときに単にケーキをつくる仕事、などと言うのではなく、やりがいや仕事を通して感じた嬉しいこと、将来の夢など詳しく伝えることで、サポートしてもらえるような状況をつくることで自分のモチベーションアップにもつながります。
パティシエの仕事と出産・子育て
先にも挙げたように、パティシエ、パン職人など洋菓子業界の仕事は早朝から夜遅い場合がほとんどです。町のパティスリーなどは特に産休、育休などの福利厚生が整っていないところも多く、お店や企業にパティシエとして勤めながら仕事と出産・子育てを両立させるのは難しいのが現状です。特に女性は出産で仕事を辞めてしまうことも多く、そのまま洋菓子業界から離れてしまうことが少なくありません。
この状況に、業界でも優秀な女性パティシエが結婚・出産後も活き活きと働き続けるためにできることはないかと模索している段階です。
もちろん出産、子育てを経て現場に戻る女性パティシエも居ますし、働き方は人それぞれ。大切なのは将来のことをしっかりイメージして考え、準備しておくことではないでしょうか。