2017年も残りわずか。パティシエの皆さんは、クリスマスに向けてのラストスパートですね。「ここ最近ろくに寝てない」「家に帰ったのっていつだっけ?」という方も多いのではないでしょうか。
前回、こちらの記事で「クリスマスになるとテンションが下がる」と書きました。
2017年11月30日公開
「パティシエなら共感できる!?パティシエのあるある3選」
「わかる!クリスマスの時期は憂鬱になる!」
という、たくさんの反響をいただきました。
しかしそんな中
「いやいや、クリスマスは逆にテンションが上がります!」
というお声もいただきました。
そこで今回は、日本のクリスマスを盛り上げてくれるパティシエたちに、「クリスマスが楽しいと思えるポイント」をお聞きしました!
ケーキが売れまくるフィーバー状態
「ケーキがどんどん売れるから、楽しいですよ」
と話すのは、20代の女性パティシエ。街のパティスリーで勤務してきた彼女は、夏場はショーケースで売れ残って、スタッフで持ち帰ったり泣く泣く廃棄したり…お客様のもとに届かないケーキを見ると、少し切ない気持ちになるのだとか。だからクリスマスには、作っても作ってもどんどんケーキが売れていく様子を見られて、たまらなく嬉しくなると話してくれました。

引用:https://www.instagram.com/
またその時期になると、クリスマスケーキだけでなく、店売りの商品も同時に売れていくそう。忙しくなればなるほど、
「それだけ自分たちのケーキをお客様が求めてくれている」
と実感できるとのことです。
楽天リサーチ株式会社(東京都世田谷区)が2017年11月に実施した「クリスマスに関する調査」(調査エリア:全国/調査対象者:20歳~69歳の男女/回収サンプル数:1000サンプル)によれば、「クリスマスに食べたいもの」としてクリスマスケーキと回答したのが50.3%と、実に過半数を占めています。
日本人の2人に1人が「クリスマスにはケーキを食べたい!」と考え、最もケーキが売れる時期であるクリスマスは「お客様の喜ぶ顔が見たい」と願うパティシエにとって、確かな手ごたえを感じられるイベントなのかもしれませんね。
計画性があるからクリスマスはむしろラク!
「予定数が決まっているから、普段よりもラクに感じます」
そう話してくれたのは、こちらも20代の女性パティシエ。
彼女が新卒で入社したのは個人パティスリー。
「クリスマスケーキの販売個数を決めていないお店でした。今思えばすごい!(笑)」
クリスマスに向けて、とにかくがむしゃらに生地を焼き、前日から当日にかけてひたすらナッペ。地域でも人気のお店で、しかも注文をすべて受け付けていたので、目が回るほど忙しかったと振り返ってくれました。

ところが2年目からは販売個数を決めるようになり、1年目と比べると計画的に仕事を進められることを知ったそうです。新人時代のツライ経験があったから、『この数を作りきればクリスマスは終わり』と目標があること、前もって準備ができることは、すごくラクだと感じたようですね。
さらに彼女は…
「クリスマスよりも、お盆やお正月の方が大変ですよ」
とも話してくれました。
帰省などで家族や集まる長期休みは年配のお客様が来られて、大量にケーキを買って行くことも。一気にショーケースが空になると慌てて作らなければいけないので、頭の中で描いていたスケジュールが大幅に変更に…。クリスマスの方がラク!と言い切る理由も、思わず納得です。
確かに大量に作るので、作業量は普段の倍以上。でも、計画性があってコツコツと進められるクリスマスは、「確実に売れる数が事前にわかっているし、だからこそ目標もあってがんばれる」という達成感があるイベントなんですね。
遠慮なく、思いっきりケーキを作れる!
「好きなだけケーキを作れる!」
若手のパティシエだけでなく、あるオーナーシェフからはこんな意見も。経営者としてお店の利益を考える立場のオーナーは、「売れる時期」「売れない時期」の見極めも必要です。ただ、自身もケーキ職人である方が多いので、「もっと作りたい…でも今じゃない」と夏~秋にかけてウズウズ。また普段は各業者との打ち合わせであったり、講習会に講師として呼ばれたり…人気店となるとマスコミやメディアの対応もあり、お菓子作りとは別の業務もしなければいけません。
そんな仕事はすべてストップして、1人の職人として本領を発揮できるクリスマス。遠慮なく、思いっきり腕をふるえるから「忙しい」よりも「楽しい」という気持ちの方が強いようです。そんなオーナーシェフがいるお店でなら、繁忙期を一緒に楽しめるかもしれませんね。

引用:https://www.instagram.com/
まとめ
クリスマスは、パティシエにとって避けては通れない最大の山場。
毎年欠かさずやってくるこのシーズンを、どうせなら楽しんでしまえ!と思う人は意外(?)にも多くいました。
また超繁忙期のクリスマスだからこそ、日頃から築いてきたチームワークや仲間の存在が頼もしく感じるのだとか。みんなで乗り越えることで、職場の絆がグンと深まるのですね。
まだ1年目の若手も、歴何十年というベテランも。
そして地域問わず、全国のパティシエたちの想いはひとつ。
「みんなのクリスマスを、もっとハッピーに!」