現在、多くのパリのスイーツ店が日本に上陸をしています。
ピエール・エルメ、ジャン＝ポール・エヴァンをはじめ、本場パリの巨匠たちが日本やアジアへの出店を積極的に行っています。
その有名店の1つでもある「ラデュレ」について、今回は紹介したいと思います。
ラデュレは、1862年フランス南西部で製粉業を営んでいた ルイ=エルネスト・ラデュレが、パリにブーランジェリーを開いた事から始まります。
今はマカロンなど洋菓子で知られるラデュレは、元はブーランジェ（パン屋）からはじまったのです。
しかし、1871年に火災が起き、ブーランジェリーは燃えてしまいます。
その再建の中で、ラデュレの妻、ジャーヌ・スシャールがパリの象徴でもある「カフェ」と「パティスリー」という2つの異なるジャンルをミックスさせることを思いつきました。
そして、1930年、ラデュレはパリで最初の「サロン・ド・テ」へと生まれ変わったのです。
この時代のパリは、不安定ながらも賑やかな戦間期を迎えており、カフェでは様々な文化が花開き、社交の場として多くの人で賑わっていました。
しかし、お客のほとんどが男性だったカフェに女性は行きにくいこともあり、女性の社交の場をつくりたい、という背景もあったようです。
今に続くフランスのサロン・ド・テ文化のはじまりは、ラデュレだったのです。
ラデュレのコンセプトには、「洗練」「高品質」「女性」という3つの哲学があります。
コスメや雑貨など、女性に愛されるデザインでも人気のラデュレの精神を感じることができるエピソードと言えるのではないでしょうか。
ラデュレの象徴と言えば、やはり「マカロン」でしょう。
このマカロンは、1930年創業者ルイ=エルネスト・ラデュレの従弟である、ピエール・デフォンテーヌのアイデアによって生まれました。
彼は、2枚のマカロンの間にガナッシュやジャムをサンドすることを思いついたのです。
マカロンの正式名称は「マカロン・パリジャン」です。
このレシピは、80年以上経過した今でも、当時から変わらずに守られています。
日本では、2008年7月26日に東京・銀座に日本1号店がオープンしました。
日本上陸によりマカロンの認知度が一気に上がり、今ではコンビニスイーツでもマカロンが販売されるほどに。
そのきっかけのひとつがラデュレだったのではないでしょうか。
ラデュレと言えば、「ラデュレ・グリーン」と言われる淡いグリーンのカラーが印象的で、そのデザイン性の高さから多くの女性の支持を得ています。
マカロンや生菓子の色使い・デザインはもちろん、そのパッケージにも強いこだわりがあることも特徴です。
マカロンを入れるボックスなどはイベントや季節に応じて作られており、パリではコレクターズアイテムになるほどの人気だとか。
洋菓子に留まらない、ラデュレの多ブランド展開について、いくつか紹介してみましょう。
・LADUREE Fabricant de Douceurs（ラデュレ・ファブリカン・ド・ドゥサール）
マカロンや洋菓子を販売する、私たちが「ラデュレ」として親しんでいるブランドの正式名称です。
本当はこんなに長い名前だったのですね（笑）
パリの本店の天井には「パティシエ天使」が描かれ、今もブランドを象徴するイメージとして親しまれています。
・Les Marquis de Laduree（レ・マルキ・ド・ ラデュレ）
ラデュレのチョコレート専門ブランド「レ・マルキ・ド・ラデュレ」。
『マルキ』とはフランス語で『侯爵たち』という意味で、内装も含め「21世紀を訪れた18世紀の侯爵たちの集まり」をイメージしたブランドです。
・Les secrets LADUREE（スクレ・ラデュレ）
ラデュレブランドを世間に定着させたきっかけの１つにもなった、ハンカチやキーホルダーなどを扱う雑貨部門のブランドです。
「スクレ・ ラデュレ」は、身近な小物にも、ラデュレの世界観を取り入れることができ、ラデュレファンから強く支持されています。
・LADUREE BEAUTE（ラデュレ・ボーテ）
「ラデュレ・ボーテ」は、ルームフレグランス、ボディパウダー、ルームキャンドルをはじめ「香り」を軸とした、ラインナップを揃えています。
それぞれの香りは、独自の存在感を示し、やわらかく優美なラデュレの世界観を表現しています。
・Les Merveilleuses LADUREE（レ・メルヴェイユーズ ラデュレ）
『メルヴェイユーズ』とは、フランス語で『素晴らしい』、『風変わりな』という意味。
コスメを扱うブランドで、花びら状やカメオ型のチーク など、フランスをイメージさせる華麗なパッケージも特徴的です。
このように、スイーツだけにとどまらない多ブランド展開が、ラデュレの世界観を多くの方に伝えることができ、女性の心をつかんで離さないのではないでしょうか。
今後も、進化を続けるラデュレから目が離せません!!
