2000年頃以降、「スイーツ」という言葉が流行り出し、現在では当たり前のように使われるようになりました。
近年では、より手軽に購入できる「コンビニスイーツ」のクオリティが高くなり、それに伴い売上も伸びてきています。
今や、洋菓子の専門店であるパティスリーのライバル的な存在とも言えるのではないでしょうか。
今回は、そんなコンビニスイーツの売上の増加についてまとめてみます。
2015年の洋菓子売上は、量販店、コンビニ、百貨店、駅ナカ・駅ビル、空港での売上がプラスとなり、前年比1.6%増の1兆3,377億円が見込まれています。
その中でもコンビニの売上は右肩上がりで、毎年約2.5%の増加傾向。
このことからもわかるように、洋菓子業界におけるコンビニでの売上規模は拡大傾向にあると言えます。
※株式会社富士経済の市場調査より
コンビニスイーツの先駆け、プレミアムロールケーキ
コンビニスイーツの火付け役のひとつとなったのは、ローソンの「プレミアムロールケーキ」ではないでしょうか。
「クリームをスプーンですくって食べる」というスタイルも目新しく、現在もコンビニスイーツの代表格として人気を維持しています。
このロールケーキは“専門店で感じる満足感を提供する”ことをコンセプトにした商品です。
2009年に大ヒットし、消費者に対してコンビニスイーツの認知度を高めました。
同時に、各コンビニが独自に開発したスイーツがシリーズ化されるきっかけもつくったのです。
低価格なコンビニスイーツ
コンビニスイーツの売上規模がここまで拡大した理由のひとつは、やはりその価格です。
ロールケーキを例に挙げるなら、専門店では1つ300~400円程度のロールケーキが、ローソンのプレミアムロールケーキは150円(税込)という価格で気軽に購入することができます。
加えて、「専門店に負けないおいしいさ」を目指すなど、大幅なクオリティの向上も、コンビニスイーツの台頭の大きな理由のひとつではないでしょうか。
「自分へのちょっとしたご褒美」として洋菓子を求めるターゲットに、気軽立ち寄れるコンビニで購入できるという便利さがぴったりとハマり、コンビニスイーツ全体の売上が増え続ける要因となったのです。
洋菓子店の市場規模としては、2015年の売上見込みは2806億円で、2014年見込みの2793億円から若干の上昇が見られます。
ただ、専門店ではカットケーキ、プリン、シュークリーム類はコンビニへの需要流出で苦戦しており、コンビニでの展開が少ないホールケーキに注力する店が多くなっている傾向もあります。
今後、洋菓子業界の勢力図として、間違いなくコンビニが台頭してくることが考えられます。
専門店は専門店でしかできない商品力や企画力などの武器を使い、いかに売上に繋げていけるか、消費者の購買意欲をかき立てられるか、というポイントが、さらに重要になってくるのではないでしょうか。