ジュっ…「熱っっ!」
こんなシーンによくあってませんか?
ガラス張りの工房の中で、生クリームを見事な手さばきでナッペして飾り付けていくパティシエの姿は、お客様から見て実に華やかな夢のある職業です。
しかしお客様から見えない工場の中では、パティスリーにかかせないジェノワーズを焼くだけでも一度で何十台と一気に焼き上げます。
パティシエはスピードと手際、そして腕力が命です。次から次へと運ばれてくる生地を手際よくオーブンに回していかなければいけないため、軍手を2重にして作業していても手首は無防備なまま。注意はしているつもりでも鉄板やオーブンのドアの角に触れて今日も水ぶくれのひりひりの痛みもがまん。火傷して痛くても、もちろんオーブンの中のお菓子が最優先です。

すぐに水で冷やして…なんて時間の余裕はないのが実情ですね。そんな勲章も積もり積もって手首はまるでバーコード状態の痕が残ってしまい、眺めてはおもわずため息をついてしまいます。気がつけば手首や腕はやけどの痕だらけ。古い傷が治りかける頃には上に新しい傷ができて一見したらリストカットでもしているのでは?と誤解されそうで、半そでを着るのをためらったりも。
そこで活躍するのが、『 馬油 』のクリーム。 食べられる素材で香料を使っていないため、菓子に香りが移る心配がありません。最近ではチューブ状の馬油クリームも700円ちょっとでドラッグストアで売っているため、コックコートのズボンに忍ばせておいて火傷したらチューブから直接塗布し、ちょっと荒技ですが上から食品用のサランラップを適度な長さに切って火傷の上からそっと貼ってあげると治りが早く痕が残りにくいです。
また昔は火傷はかさぶたを作ることによって治しているのが主流でしたが、最近では湿潤式のバンドエイドが出てきました。普通のバンドエイドだと洗い物をするときに水分を通してしまって家に帰る頃には傷にくっついてしまい、交換する際に皮膚がはがれてしまいます。
お手軽ですが馬油クリーム、よろしければお試しあれ。あかぎれ、手荒れにもよく効きます。その際は一度ぬるま湯で皮膚を柔らかくしてからすぐ刷り込んであげてください。眠る時に100円均一で買った日焼け防止用長手袋を適度な長さで切って着けて眠るとさらに効果UP!
毎日の激務で疲労困憊。でもきれいな手を見て作業すると元気が出てきますよ。