【若手パティシエの働き方Vol.09】自分の努力が返ってくるパティスリー。ポジションアップで日々成長を楽しむ先輩パティシエール

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※この記事は2020年7月上旬に行った取材を元に制作しております。

就活を本格的に始める学生の皆さんを応援するシリーズ企画第9回目。神戸市西区の閑静な住宅地の中に佇むパティスリー『リッチフィールド』で、今年で入社4年目になるパティシエールにお話を聞きました。専門学校の恩師がリッチフィールド出身であることをきっかけに、同店に興味を持ち、ケーキに惚れ込んだという加志川さん。

これから就活をする専門学生さん、そしてパティシエを目指す方、先輩たちの言葉をヒントに自分が目指す道を考えてみてください。

今回話を聞いた先輩パティシエ

加志川 真子さん(23歳・4年目)
広島製菓専門学校 卒業。
2016年に有限会社リッチフィールド(兵庫県)入社。

製造希望だけど販売スタート。
販売経験から得た”学び”とは?

──加志川さんは今年で入社4年目なんですね。入社してからの仕事を振り返っていただけますか?

はい!リッチフィールドでは、入社して1年目は必ず販売からなんです。今は1年間ですが、私の年までは2年間でした。私も2年の販売業務を経て、去年からようやく製造に入れるようになりました。なので、4年目ですけど製造は2年目です。

──販売の期間が2年間とは、少し長いような気もしますね。その間、どんなことを考えていましたか?

そうですね…正直はじめは、早く製造にいきたいな、ケーキを触りたいなってことばかり考えてしまっていて、販売に意義を見出せませんでした。2年目にもなると、学校時代の同級生からケーキの新作を考えさせてもらってる、という話も聞いて、焦りのようなものもありました。

──そうだったんですね。「最初は2年間販売から」と聞いて、それでも入社しようと思ったのはなぜですか?

この店のケーキを食べて、すごく好きになったから。それと、コンテストへの参加が活発だと聞いて、魅力を感じました。販売期間が長いことは少し気になりましたが、社長に「販売の経験は、必ず製造に繋がる」と言われて、少し遠回りになっても得るものがあるのかな、と思ったんです。

──実際、得るものはあったんでしょうか?

ありました!お客様がどんなケーキを好むか、どうやって選ぶか。というのはもちろんですけど、私が一番勉強になったのは販売する側の気持ちです。ちょっとした衝撃で倒れてしまいそうなケーキは扱いづらいし、他の商品と比べて小さいものはオススメしづらい。それから、「綺麗じゃないケーキ」は売りたくないな、と思ってしまうんです。いくら製造を頑張ったとしても、お客様に届けるのは販売の皆さんです。自分が製造に入ったら、販売さんに好きになってもらえる、お客様にどんどん勧めてもらえるようなケーキを作ろう、というテーマを持てるようになりました。

──社長の「製造に繋がる」という言葉の意味が分かったんですね。

はい。あと、お客様への言葉遣いとか、電話の出方とか。そういった社会人としての基礎を学んだと思います。

自分の成長が楽しい。
次へ、次へと進みたくなる働き方

──去年から製造に入ったとのことですが、まずは何から担当しましたか?

最初は生場の「カットケーキの仕上げ」です。製造の仕事を説明しますと…大きく「焼き厨房」と「生厨房」」と「バウム」があり、それぞれで担当が分かれています。焼き厨房は「窯」「生地」「計量」、生厨房は「仕上げ」「土台」「カット」「組み立て」という風に工程ごとに担当が割り当てられます。もっと細かく言うと「仕上げ」にもデコレーションケーキをする人、カットケーキをする人がいて、「組み立て」にはスポンジケーキを担当する人、スポンジ以外の商品を担当する人がいる…という感じです。

──かなり細かく分かれてるんですね!

はい。若手は「カットケーキの仕上げ」から。順当にいけば「組み立て」(スポンジ以外の商品)、その次にデコレーション仕上げ…という具合に、徐々に移っていきます。私は今、お誕生日ケーキや結婚記念日などのデコレーション仕上げを主に任せてもらっています。ローテーションの周期は、入社や退社があったタイミングで「臨機応変」に決めるようです。

──いざ製造に入って、改めて学んだことや身についたことはありますか?

仕上げを中心に取り組んでいたので「飾りの感覚」でしょうか。例えばカットケーキの仕上げをする時、規定の飾りがある商品もあれば、ないものもあります。先輩から「これ、好きなフルーツ4種で飾って」と言われるんです。自分のセンスと考えでやってみて、できたら先輩に見せて。「これは売れないよね」とダメ出しをいただきながら、飾りの感覚を覚えていきました。あとは、学校では良い状態のクリームしか触らなかったので、なぜ悪くなるのか、どんな状態なら悪いのかが最初は分からなかったんですよね。今は生クリームの状態が良いか悪いか、きちんと分かるようになりました。

──リッチフィールドでの目標ってありますか?

色んなポジションで分かれているので、一通りの仕事ができるようになること。あと、どんどんコンテストに挑戦していきたいです。

──加志川さんが思う「色んなポジションで分かれている職場」の良いところって何ですか?

この仕事を極めたら次、次、次…という感じに、しっかり頑張ったら次のステップにどんどんいけることだと思います。次に進みたければ仕事ができるようになるしかないですし、逆に怠けてたらずっと同じ仕事です。シビアではありますが、努力が自分に返ってくるのは分かりやすいですし、いつも目標があるっていうのはモチベーションになるんですよね。昨日よりも早く、上手にできると嬉しいです。今は自分の成長を楽しんでます。

──ありがとうございます!最後に、今就活中の方にアドバイスやメッセージをお願いします。

私、就活中に「就職先を決めないと」っていう焦りがあって。今思えば就職することが目的になっていたのかな、と思います。でも本当に考えないといけないのは、就職先で何がしたいのか?ってことだったんですよね。学生の皆さんはパティシエになることがゴールじゃなくて、どんなことができるパティシエになりたいのか、就職の先を考えてみてほしいなって思います!焦らずに自分に合う会社を見つけてください。

リッチフィールドも参加する「オンライン合同企業説明会」開催!

7月26日(日)〜28日(火)の3日間、兵庫県洋菓子協会が主催する「オンライン合同企業説明会」が開催されます。

今回ご紹介した『リッチフィールド』も参加しますので、直接話を聞いてみてくださいね。

↓イベント詳細・参加申込はこちらから↓

※上記イベントは終了致しました。

リッチフィールドの求人情報(2021新卒)はこちら

パティシエ→→→https://www.patissient.com/job/377289
販売→→→https://www.patissient.com/job/212776

written by

あかざしょうこ

1984年生まれ。PATISSIENTの編集ライター。「人生の教科書は人」をモットーに、聞いたり書いたりしています。

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