【解説】抹茶スイーツはなぜ海外でも人気?歴史と流行のきっかけ

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2020年東京オリンピック開催へ向け、外国人旅行者が年々増える中、2013年には初めて年間の訪日外国人旅行者が1,000万人を突破しました。 そんな外国人旅行者にとって、日本を象徴するお土産として「抹茶スイーツ」が大人気です。 そこで今回は、「抹茶スイーツ」の歴史と海外事情についてご紹介します。

「抹茶」の起源とは?

そもそも日本での茶の始まりは、留学僧の栄西が1191年に茶の種子を中国から持ち帰って、寺の境内に植えたことがきっかけとされています。 それからお茶は、漢方薬として飲まれたり、茶道として発展を遂げていきます。 その後、1943年に旧農林省の命を受け、抹茶の粉を押し固めた「抹茶錠」が開発されました。 この抹茶錠は、湿気や熱で変質しやすい抹茶の弱点を克服し、お茶に含まれるビタミン類やカフェインなどを簡単に摂取できるようにする目的で、主に兵士のための軍用サプリメントとして使用されました。 この抹茶錠が現代の加工抹茶のルーツとも言われています。 抹茶はお茶と比べ、栄養価が高いという特徴があります。 抹茶にはカリウムが多く含まれており、抹茶100gに含まれるカリウムは約2,700mg。 同量のお茶に含まれるカリウムが約32mgであることを考えると、約90倍近い量が含まれていることがわかっています。 お茶の葉そのものを摂取する抹茶は、抽出物を飲むお茶と比べ、ビタミンAやビタミンEなども豊富で、健康にも良いとされています。

「抹茶スイーツ」流行のきっかけ

抹茶スイーツの流行のきっかけは諸説ありますが、1996年に発売されたハーゲンダッツアイスの抹茶味という説があります。 同社のアイスクリームの売り上げで、抹茶味は1位のバニラに次いで人気商品であり、ハーゲンダッツ抹茶味の人気の高まりをきっかけに、アイスクリームの定番フレーバーに抹茶味が加えられるようになりました。 また、2001年はスターバックスでも「抹茶クリームフラペチーノ」の販売が開始されるなど、次第に「抹茶」が味の定番として広く認知されることとなりました。 この後、抹茶を使用したスイーツやペットボトル飲料などの商品が定番化し、特に最近では5月頃からコンビニなどで一斉に「抹茶味」のお菓子やドリンクが棚に並ぶようになったのです。

外国人旅行者に大人気の「抹茶スイーツ」!

海外での「抹茶」は日本独特の飲み物として、とてもよく知られています。 鮮やかな緑色と、ほろ苦くほんのり甘い香りが感じられる抹茶は、外国人にとって「和」の象徴と考えられているようです。 京都を訪れる外国人旅行者の間では京都限定版の「宇治茶葉入り抹茶風味キットカット」が特に人気で、免税店などでは京都限定版キットカットをお土産にと大量に買い込む外国人旅行者の姿も多く見られます。

海外での「抹茶スイーツ」の位置づけ

お土産で購入するだけではなく、海外でも抹茶スイーツは定番の味として認知されつつあります。 そのきっかけとなったのは、パリに本店を構える「サダハルアオキ」ではないでしょうか。 マカロンに初めて和を取り入れた「マカロン マッチャ」は、サダハルアオキの看板商品。 また、2003年パリ世界陸上の際に日本選手団を応援するために作られた「バンブー」も、フランス発祥の菓子である“オペラ”を、和の“抹茶”でアレンジした人気商品です。 さらに、アメリカ ニューヨークでは、2014年9月に「MatchaBar」がオープンしました。 健康意識の高いニューヨーカーたちに人気のこの店の主力商品は、好みのラテアートと共に提供される「抹茶ラテ」。 抹茶は今話題の「スーパーフード」の1つでもあり、様々な栄養素を持つ抹茶に、ニューヨーカーは熱視線を送っています。 現在、アメリカの大手マーケットでも、商品棚には抹茶が定番品として並んでいるそうです。 このように、“日本の味”として、今後さらに海外でも「抹茶味のスイーツ」が定番化されていくのかもしれませんね。
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