今やケーキ屋では定番商品となったチーズケーキ。
甘いものが苦手な人でも食べやすいこともあり、幅広い世代から人気を集めています。
では、チーズケーキはどのように日本へ伝わり、広まっていったのでしょうか。
今回はチーズケーキの歴史についてご紹介します。
チーズケーキ発祥の地は古代ギリシア。
大昔のオリンピックでは、選手たちにチーズケーキが配られていたとか。
しかし、当時食べられていたのは「トリヨン」という名前のチーズを使ったプディング風の食べもので、今のチーズケーキとは見た目も味も異なるものでした。
現在のようなチーズケーキの原型は、中世前期(5世紀~10世紀頃)のポーランドで生まれました。
ベイクドチーズケーキのような見た目と味で、「チーズケーキセルニック」と呼ばれ、一般家庭でよく食べられていました。
その後、ポーランドからの移民がアメリカに持ち込んだレシピを基にクリームチーズがつくられ、現在よく食べられているようなベイクドチーズケーキが開発され、アメリカのニューヨークを中心に、広く食べられるようになったのです。
現在でもチーズケーキはアメリカで多くの人から愛されており、ニューヨークスタイル、シカゴスタイル、フィラデルフィアスタイルなど、様々なタイプのチーズケーキ(すべてベイクド)がその地域ごとに独自に発展しています。
日本でのチーズケーキの始まりは明治時代。
当時刊行された「万宝珍書」という書物の中に“ライスチースケーキ”という名前がありました。
名前の通り、“ライス”と“チーズ”を組み合わせたもので、評判はあまり良くなかったようです。
チーズケーキが一般庶民にも浸透したのは、戦後になってからのこと。
既にアメリカでは広く食べられていたものが、当時の進駐軍から伝わったとされています。
この時代の主流は、アメリカで流行っていたベイクドチーズケーキでした。
その後、1964年には東京・赤坂の「トップス」がレアチーズケーキを、翌年には神戸の「モロゾフ」が焼きチーズケーキを発売。
当時のパティシエたちが、アメリカ仕込みのチーズケーキを、より日本人の口に合うようにアレンジして新しい商品を生み出したのです。
最近ではベイクドと並んで一般的になっているスフレチーズケーキやレアチーズケーキ。
アメリカではスフレチーズケーキのことを「ジャパニーズスタイル チーズケーキ」と呼ぶことからもわかる通り、実はこれらは日本が発祥と言われています。
多くの洋菓子はフランスなどのヨーロッパを起源にしていますが、チーズケーキは他の洋菓子とは異なる発展のしかたを遂げ、日本でここまで広く知られるようになったのです。
材料や見た目がシンプルなチーズケーキ。
しかし、チーズの種類だけでもクリームチーズ、ブルーチーズ、ハード系など様々な種類があり、一口にチーズケーキといっても多種多様。
様々なアレンジができるため、いろいろなレシピを試したり、珍しいチーズケーキを探して食べてみるのも良い経験になるのではないでしょうか。