パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

食品添加物

• 着色料

ここでいう着色料とは、食品に色をつけるためのものを指す。 粉末状と液体状とペースト状のものがある。 食用色素は摂取量さえ守れば危険なものではないが、天然・合成、短期間・長期間関わらず、成分によっては大量に摂取すると有害なものもあるため、注意が必要である。 また、国内で使用が認められていても、海外では禁止されている色素も存在する。 天然色素 植物や昆虫などから抽出した、天然由来の色素。 代表的なものに、ベニバナ色素・コチニール色素・クチナシ色素がある。 日本では伝統的な食習慣から、色の派手な食品よりも自然に近い色の食品を好む傾向があるため、天然の着色料は重宝されている。粉末のものが多い。 特徴・用途 使用の際は、少量の水かお湯に溶かしてから製品に加える。 ゼリーなどの冷菓や飲料、アイシング、マジパン、和菓子、キャンディーなど、幅広く使用できる。 コチニール色素はかまぼこの着色やカキ氷のイチゴ味のシロップに使われている。 また、クチナシ色素は古くから親しまれている色素で、家庭で作る栗きんとんやたくあんの着色に使用される。 使用禁止食品 こんぶ類、食肉、豆類、野菜、わかめ類(以上加工食品を除く)、鮮魚介類(鯨を含む)、茶、のり類 タール色素(合成着色料) 科学的に合成したもので、全部で12種類ある。赤色2号、黄色4号が代表される色素。少量で鮮明な色を出し、退色しにくいのが特徴。 特徴・用途 粉末状の物は少量の水かお湯にしっかり溶かし、液体状の物はそのまま製品に加える。少量でしっかりと色づくので、少しずつ色味を確認しながら加えるとよい。 製菓ではマジパンやアイシング、バタークリームなどの着色に使われている。 使用禁止食品 カステラ、きなこ(うぐいす粉を除く)、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む)、野菜及びわかめ類


• ペクチン

ペクチン【仏:pectine】 ペクチンは植物の細胞壁を作っている成分の一つ。天然のゲル化剤である。 果物の細胞の硬さを調整したり、細胞同士を繋いだり、細胞を保持したりする役割を果たしている。 カシスやプラム、オレンジ、リンゴ、イチジクなどの果物の果肉や皮に多く含まれる。 未熟な果物においてはペクチンは非常に長く繋がっており、プロトペクチンという状態にある。プロトペクチンは水に溶けず、ゲル化することもない。果物が適度に熟してくると酵素により分解され、ペクチンとなる。 熟しすぎるとペクチンの分解が進みすぎてペクチン酸という物質に変わり、水に溶けなくなりゲル化の力もなくなる。 ペクチンの効果を最大に利用するためには、適度に熟れた果物を選ぶことが重要である。 ジャムはペクチンを含む果物を煮ることでペクチンが溶け出し、それが大量の砂糖と強い酸とともに加熱されることで、どろっと固まってできている。 ジャムのゲル化には1%以上のペクチンに加え出来上がりの糖度が55〜65%、PH2.9〜3.4程度の酸が必要になる。 もともとペクチンの少ない果物などをジャムにするときには、しっかりとゲル化させるために市販のペクチンを加えることがある。 同様にしっかり固めるために必要な酸味が足らない場合は、レモン汁や粉末のクエン酸などを加えて補う。 市販のペクチンはりんごの絞りかすや柑橘類の皮から抽出し、乾燥させて粉末状にした物。 主成分は多糖類(食物繊維)で、色は白や黄土色をしている。安定剤としても利用される。 また、ペクチンは消化されないので0キロカロリーである。 性質と扱い 適度な酸性の状態で多量の糖分を加えて加熱すると、常温で冷めたときに弾力ある状態にに凝固する性質がある。 市販のペクチンは粒子が細かく、直接液体に加えると固まってダマになってしまうので、砂糖とよく混ぜて分散させる。 使用する際は、90〜100度で煮溶かす。沸騰させてもよい。 繰り返し煮溶かし固めると、強度が弱る。 HM、LMペクチン共に糖度やPHが最適な条件から外れると離水する。 出来上がった製品は冷凍して保存することができる。 ペクチンの種類 ペクチンは性質によって、高メトキシルペクチンと低メトキシルペクチンに分けられる。 高メトキシルペクチン(HMペクチン) 天然のペクチンと同様に糖度、酸性度が高いほど強く早くゲル化する。 一般的にジャム、あるいはゼラチンなどでは固まらない酸味や甘味の強いゼリーを固めるときに使われる。 PH2.7〜3.5(酸性)、糖度55〜80%、60〜80℃の常温で固まる。 低メトキシルペクチン(LMペクチン) 糖度、酸度にかかわらずミネラル(カルシウムやマグネシウム)が存在すればゲル化する。 低糖・無糖のジャムや牛乳を使った冷たいデザート、酸味を抑えたデザート類に使われる。また、いったん攪拌してもまたもとのようにどろっと固まる性質があるので、ナパージュの製造などに用いる。 PH3.2〜6.8(酸性から中性)、30〜40℃の常温で固まる。 高メトキシルペクチンよりやや柔らかい。 凝固する仕組み ペクチンの基本構造は、単糖類の一種である多数のガラクトースの誘導体が細長い鎖状に並んだもの。これは、熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。 ペクチンが凝固作用を発揮するためにはここで大量の砂糖と酸と一緒に加熱する必要がある。温度が下がると徐々に動きが悪くなり、ガラクトース同士で引き合うようになる。鎖状のガラクトースが繋がると、細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。