最終更新日:2025年8月30日
古都・京都は、単なる歴史的な街並みが広がる場所ではありません。そこは、何世紀にもわたる伝統と、現代の革新が見事に融合した、生きた菓子の美術館とも言えるでしょう。
この記事では、京都が誇る甘美な世界への扉を開きます。長い歴史を刻む茶寮から、SNSを賑わす最新のカフェまで、訪れる者の五感を満たす特別なスイーツ体験を厳選してご紹介します。単なる店舗リストではなく、京都の菓子文化を深く味わうための、洗練された旅の案内人として、一つひとつのお菓子に込められた物語と職人の技を巡る旅へとあなたを誘います。
目的から探す 京都の絶品スイーツINDEX
この記事では、エリア別で京都のスイーツをご紹介しています。あなたの目的地や気分に合わせて、気になる項目からご覧ください。
▼ エリアから探す- 【祇園・河原町・東山エリア】観光の中心で楽しむ王道&最新スイーツ
- 【京都駅周辺エリア】旅の始まりと終わりに立ち寄りたい名店
- 【北区・左京区エリア】少し足を延してでも訪れたい実力派の名店
- 【その他エリア】地元で愛される個性派スイーツ
【祇園・河原町・東山エリア】観光の中心で楽しむ王道&最新スイーツ
京都観光のメインストリート。行列の絶えない人気店から、路地裏に佇む隠れ家カフェまで、新旧の実力店がひしめき合う激戦区です。
茶寮都路里 祇園本店

参照:食べログ
萬延元年(1860年)創業の「祇園辻利」が手がける、言わずと知れた抹茶スイーツの超人気店。祇園の真ん中で常に行列が絶えませんが、並んででも食べる価値のある王道の味がここにあります。その代名詞が「特選都路里パフェ」。グラスから溢れんばかりに盛り付けられた姿は圧巻です。濃厚な抹茶ソフトクリームを中心に、抹茶ゼリー、抹茶カステラ、白玉、小豆などがぎっしりと詰まっており、まさに抹茶尽くし。祇園の華やかな空気の中でいただくこのパフェは、京都観光の忘れられない思い出となることでしょう。
無碍山房 サロン・ド・ムゲ

参照:食べログ
ミシュラン三つ星に輝き続ける老舗料亭「菊乃井」が手がける、別格の甘味処。美しい苔庭を眺めながら過ごす時間は、まさに大人のための贅沢です。ここで供される「無碍山房濃い抹茶パフェ」は、その名の通り、他とは一線を画す圧倒的な抹茶の濃さが特徴。生クリームを使わずに作られる抹茶アイスは、抹茶本来の力強い風味と鮮烈な苦みをダイレクトに感じさせ、まるで上質なお濃茶をいただいているかのよう。甘味という言葉の枠を超えた、特別な体験ができます。
伊藤久右衛門 祇園四条店茶房

参照:公式HP
天保三年(1832年)創業の宇治茶の老舗。茶房で人気の「特選よくばり抹茶パフェ」は、抹茶アイスやゼリーはもちろん、抹茶ロールケーキ、茶だんご、わらび餅といった自慢の和菓子が飾られ、見た目も華やか。様々な食感と抹茶の多彩な表情を一度に楽しめる、満足度の高い一品です。
MACCHA HOUSE 抹茶館 京都河原町店

参照:公式HP
海外で人気を博し逆輸入された抹茶専門店。ヒノキの枡に入った「宇治抹茶ティラミス」は、とろりとしたマスカルポーネチーズと老舗『森半』の香り高い抹茶が溶け合う逸品。伝統的な器と洋菓子の組み合わせがSNSでも大きな話題を呼んでいます。
Hyde & Away

参照:公式instagram
築100年以上の洋館をリノベーションしたカフェ。アンティーク家具が配されたクラシカルな店内でいただけるのは、宝石のように美しい四角い「ハコタルト」。旬のフルーツを贅沢に使った愛らしい見た目と繊細な味わいで、訪れる人々を魅了します。
(THIS IS)NATURE

参照:食べログ
京都高島屋S.C.「T8」にオープンした、植物の美しさを表現する新感覚のスイーツ店。看板メニューの「アイスブーケ」は、まるで花束のような華やかさ。植物由来の餡で作られた繊細な花がヴィーガンジェラートの上に飾られ、プラントベースでありながら豊かな風味を実現しています。
【京都駅周辺エリア】旅の始まりと終わりに立ち寄りたい名店
新幹線や各路線のハブとなる京都駅。駅直結や徒歩圏内に、旅の気分を盛り上げる名店が揃っています。中村藤吉本店 京都駅店

参照:公式HP
安政元年(1854年)創業の老舗茶商が手がけるカフェは、京都駅直結という最高のロケーションが魅力。旅の始まりや終わりに、京都の抹茶文化の真髄を手軽に味わえます。看板メニューの「まるとパフェ[抹茶]」は、抹茶アイス、シフォンケーキ、そして看板商品でもあるぷるんとした「生茶ゼリイ」などが美しく層をなす、計算され尽くした一品。一つひとつの要素が抹茶の風味を引き立て合い、甘さと苦みの完璧なバランスを奏でます。
【北区・左京区エリア】少し足を延してでも訪れたい実力派の名店
観光の中心部からは少し離れますが、ここだけでしか味わえない唯一無二の体験ができる名店が点在しています。
一文字屋和輔

参照:食べログ
平安時代中期の長保2年(西暦1000年)創業という、日本最古の飲食店ともいわれる茶屋。今宮神社の参道にあり、品書きは「あぶり餅」ただ一つ。親指大の餅にきな粉をまぶし、備長炭で丁寧に炙り、白味噌だれを絡めたその味は、素朴ながら奥深い味わいです。千年の歴史が息づく空間で、古都の物語を味わうかのような特別なひとときを過ごせます。
茶寮 宝泉

参照:食べログ
下鴨神社のほど近く、静かな住宅街に佇む甘味処。手入れの行き届いた美しい枯山水の庭園を眺めながら、究極の「わらび餅」をいただけます。注文を受けてから丁寧に練り上げられるこの一品は、希少な国産本わらび粉を100%使用。驚くほど滑らかでとろけるような食感は、持ち帰り不可の、その場所でしか味わえない儚い美味です。
嘯月

参照:食べログ
大正5年(1916年)創業、店頭に商品を一切置かない完全予約制の和菓子店。客が訪れる時間に合わせて最高の状態で提供される生菓子は、もはや食の域を超えた芸術品です。特に、そぼろ状の餡で仕上げる「きんとん」は、口に入れるとほろりと溶けるような儚い口どけで、多くの食通から日本一と称賛されています。一期一会の特別な体験を求めるなら、数日前の予約が必須です。
出町ふたば

参照:食べログ
行列が名物となっている、京都を代表する餅菓子店。看板商品の「名代豆餅」は、つきたての柔らかな餅に、ほのかな塩気の赤えんどう豆がごろごろと入っており、中の上品なこし餡の甘さを絶妙に引き立てます。甘いとしょっぱいが織りなす完璧な味のバランスは、まさに京都のソウルフードです。
阿闍梨餅本舗 満月 本店

参照:食べログ
京都土産の定番として長年愛され続けている「阿闍梨餅」。様々な素材を配合した秘伝の餅生地は、しっとり、もっちりとした唯一無二の歯ごたえ。あっさりとした味わいの丹波大納言小豆の粒あんとの相性も抜群です。地元の人々にも深く愛される、古都の日常に根付いた味わいです。
マールブランシュ 京都北山本店

参照:公式HP
今や京都土産の代名詞「お濃茶ラングドシャ 茶の菓」で知られる洋菓子店。厳選された宇治のお濃茶をたっぷりと練り込んだラングドシャとホワイトチョコレートの組み合わせは、間違いのない逸品。北山本店のサロンでは、本店限定のデセールも楽しめます。
緑寿庵清水

参照:公式HP
弘化4年(1847年)創業、日本で唯一の金平糖専門店。職人が数十日もの時間をかけて丹精込めて作り上げる金平糖は、天然素材の優しい風味と上品な甘さが特徴の芸術品。季節の果物からワイン、日本酒といったユニークなフレーバーまで揃い、特別な贈り物に最適です。
【その他エリア】地元で愛される個性派スイーツ
CHÉRIE MAISON DU BISCUIT

参照:公式HP
週に数日、限られた時間しか開かれず、開店前から行列ができる洋菓子店。洋菓子研究家・小林かなえ氏が手がける「ビスキュイサンド」は、最高級の発酵バターとベルギー産チョコレートを使ったリッチなクリームをサクッとしたビスキュイでサンドした逸品。手土産にすれば喜ばれること間違いなしです。
まるもち家 伏見稲荷本店

参照:食べログ
伏見稲荷大社のすぐ近くにあるお店で、SNSで「水風船みたい!」と話題沸騰中の「水まる餅」が名物。ゴム風船を爪楊枝でぷちんと割ると、ぷるんとした透明な餅が現れるインタラクティブなスイーツです。限りなく水に近いと表現される不思議な食感を楽しめます。
亀屋良長

参照:公式HP
享和3年(1803年)創業の老舗和菓子店が生み出した、新発想の「スライスようかん」。スライスチーズのように薄いシート状の羊羹を食パンに乗せてトーストするだけで、熱々トロトロの小倉バタートーストが完成します。伝統と革新が融合したヒット商品で、お土産にもぴったりです。
京ばあむ

参照:公式HP
宇治抹茶と京都産豆乳を使った、鮮やかな緑の層が美しいバームクーヘン。一層一層丁寧に焼き上げられた生地は、しっとり、ほわほわの食感。周りをコーティングした抹茶のフォンダン(砂糖衣)が全体の味を優しくまとめ上げています。そのフォトジェニックな見た目と確かな美味しさで、幅広い世代に人気のお土産です。
季節を愛でる、京都の限定スイーツ
旬を大切にする京都では、その時期にしか出会えない特別なスイーツが目白押しです。- 春 (Spring) 旬の苺と抹茶を組み合わせたパフェが各店に登場。華やかな見た目と甘酸っぱい味わいが春の訪れを感じさせます。
- 代表的なスイーツ: 祇園小石「抹茶が恋したいちごパフェ」(例年2月~4月頃)
- 夏 (Summer) 厳しい暑さを乗り切るための涼やかな甘味が夏の風物詩。つるりとした喉越しの葛きりや、爽やかなかき氷が人気です。
- 代表的なスイーツ: 鍵善良房「葛きり」、永楽屋 本店「レモンの雫氷」(例年6月~9月頃)
- 秋 (Autumn) 実りの秋は、栗やさつまいもが主役。濃厚な栗の風味を生かしたモンブランパフェなどが各茶寮の看板メニューになります。
- 代表的なスイーツ: 茶寮都路里「古都パフェ(秋)」、亀屋良長「スライスようかん 焼き芋」(例年9月~11月頃)
- 冬 (Winter) 心も体も温まるぜんざいや、旬の苺を使ったいちご大福が恋しくなる季節。チョコレートを使った冬限定パフェも楽しめます。
- 代表的なスイーツ: 梅園「粟ぜんざい」、出町ふたば「福豆大福(いちご大福)」(例年1月~3月頃)
京都スイーツに関するよくある質問 (FAQ)
Q. 夜遅くまで営業しているスイーツ店はありますか?A. はい、一部のカフェやバーでは夜遅くまでスイーツを提供しています。例えば、河原町エリアには22時以降も営業している「夜パフェ専門店」などがあります。ただし、多くの甘味処は17時~18時頃に閉店するため、事前に営業時間を確認することをおすすめします。Q. 予約なしでも入れますか?
A. 「茶寮都路里」や「中村藤吉本店」などの人気店は行列ができやすいため、時間に余裕を持つことをおすすめします。一方、「嘯月」のように完全予約制のお店や、事前予約が可能なカフェもありますので、訪問前に公式サイトで確認するとスムーズです。Q. 京都らしい、少し変わったスイーツはありますか?
A. 「亀屋良長」の「スライスようかん」は、パンに乗せて焼くという新しい食べ方を提案しており、お土産としても人気です。また、「まるもち家」の「水まる餅」は、風船を割る体験が動画映えするとSNSで話題になっています。
まとめ
この記事では、京都が誇る絶品スイーツを「エリア別」「テーマ別」など、様々な角度から厳選してご紹介しました。
千年の歴史を持つ老舗の「あぶり餅」から、ミシュラン料亭が手がける究極の「抹茶パフェ」、そしてSNSを賑わす最新のフォトジェニックスイーツまで、京都には伝統と革新が共存する奥深いスイーツの世界が広がっています。
季節ごとに表情を変える京都のスイーツは、訪れるたびに新たな魅力を発見させてくれるでしょう。このガイドを参考に、あなたの目的や気分にぴったりの一皿を見つけて、京都の旅がより甘く、美しい思い出で満たされることを願っています。