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肝炎ウイルス

カテゴリ:食中毒

肝炎ウイルスは、一般的にはA型・B型・C型・E型、まれにD型と大きく5種類に分類される。いずれも感染経路が異なるが、肝臓の細胞に影響を与え「急性肝炎」を引き起こす原因となる。

A型

ウイルスに汚染された食品や水を摂取することにより感染する。酸やアルコールへの耐性が強く、体内に入って不活化されることがない。

症状

潜伏期間は14~45日程度。38.4℃以上の発熱が3〜4日続く。また全身の倦怠感、吐き気やおう吐など。皮膚が黄色がかる「黄疸」といった症状も特徴。免疫のない中高年層は重症化することがあるが、慢性化することは少ない。

予防方法

衛生環境の改善、手洗いの徹底、生水の摂取をしない、予防ワクチン摂取、免疫グロブリンなど

B型

血液・精液・唾液などにより感染する。輸血や注射針の共有といった医療事故で感染してしまうケースも報告されている。性行為感染、母子感染も起こりうる。

症状

潜伏期間は6週間~6か月。緩やかに発熱が起こり、倦怠感やおう吐など。重症を除いて1ヶ月程度で回復する。キャリア(無症状のまま病原体を保有する状態にある人)の90%は発症しないが10%は慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進行する。

予防方法

感染経路での配慮(医療時の衛生管理、コンドームの使用など)、ワクチンの摂取

C型

C型肝炎の原因となる。感染経路のほとんどが血液。慢性化することが多く、10年経過すると肝硬変、肝臓がんを発症させることがあり重要な病原ウイルスのひとつである。

症状

潜伏期間は(輸血後)2週間~16週間。発熱はなく全身倦怠感から症状が現れるものの、比較的症状は軽く気づかず慢性化することもある。徐々に食欲不振、おう吐、上腹部膨満感、濃色尿などが見られるようになる。これらに続いて黄疸が認められる例もある。

予防方法

ワクチンは研究中、治療は対症療法などがある。予防としては感染経路の遮断。

E型

E型肝炎の原因となるウイルス。ヒマラヤ山麓、亜熱帯地方の風土病として発展途上国での発症が報告されており、先進国では輸入感染と考えられている。近年は日本でも野生シカの生食が原因で感染した患者の報告がある。

症状

潜伏期間は14~45日間。急激に強い黄疸が出現し、12〜15日間続く。慢性化はしないが、妊婦の場合は致死率20%にも達すると言われている。

予防方法

対症療法のみ。予防方法としては発展途上国での飲食に留意すること。

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