
練乳
カテゴリ:乳製品
練乳とは、牛乳に糖分を加えて濃縮した、粘度の高い液状のものである。加糖のものと無糖のものがあるが、一般に練乳というと加糖のものを指す。成分規格は乳等省令で定められており、乳脂肪分8%以上・乳固形分28%以上・全ての糖分58%以下と定義されている。
牛乳に砂糖を入れるのは、甘さをつけることが第一の目的ではなく、細菌の繁殖を防ぎ、保存性を高めるためである。そのため、練乳は鮮度のいい牛乳を手に入れにくい地域でもよく摂取されていて、コーヒーに入れたり、お湯で薄めて飲んだりされている。これによって有名になったのがベトナムコーヒーで、濃厚な甘みとミルク感が特徴的なコーヒーとなっている。
日本では、かき氷にかけたり、パンに塗ったり、お菓子やアイスクリームを作る時の材料として用いることが多い。
砂糖が加えられない無糖練乳(英:evaporated milk)といい、略称エバミルクとも呼ばれている。加糖練乳と比べて粘度が低いため、チューブではなく缶に入って売られている。無糖練習にはコーヒーや紅茶のクリーマーやベシャメルソース、ミルク風味の菓子などを作る時によく使われる。外国では、香港のミルクティーやマンゴープリン、フィリピンのかき氷ハロハロなどによく使われている。
製造方法
一般的な作り方としては、原料の牛乳に砂糖を加えて煮詰め、液体に粘度が現れ光沢が見られるようになったら火から落として冷却し、しばらく寝かせる。更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 牛乳
生乳(牛乳からしぼったままの乳)を加熱殺菌したもの。 120〜150℃で1〜3秒で超高温瞬間殺菌が行われている。 原料に生乳以外の物を一切含まない。 乳脂肪3%以上、無脂乳固形分8%以上で、15℃における比重1.028〜1.034。 牛乳は乳牛の種類や飼育環境により成分がかなり変わってくる。 日本では乳固形分の量はあまり多くないが、泌乳量の多く、食肉用としても転用できるホルスタイン種が主に飼育されている。 生産量は少ないが濃厚で風味が良いとされているジャージー種の牛乳もある。 牛乳を加工して、ヨーグルト、チーズ、生クリーム、バターなどの乳製品が作られる。 卵と相性の良い食材。卵と牛乳を主原料として、カスタード、アングレーズソース、プリンやアイスクリームなとが作られている。 牛乳の種類 低温殺菌牛乳 低温保持殺菌法で殺菌した牛乳。独特の風味がある。 →牛乳の殺菌法 ノンホモ牛乳 下記のホモジナイズ(ホモゲナイズともいう)を行わない牛乳。牛乳容器の上の方にクリームの層(クリームライン)ができるので、よく振って使用すること。 加工乳 生乳に脱脂乳やクリームなどの乳製品を加えて乳成分を調整した物。乳脂肪に関する規定がない。濃厚牛乳や低脂肪牛乳(ローファットミルク)はこれに分類される。 牛乳は季節によって成分が変動するか、加工乳には成分変動がない。 加工乳を使えば一年を通して、安定した製品を作ることができる。 脱脂粉乳(スキムミルク) 生乳からほとんどの乳脂肪を除いて、粉末にしたもの。
• いちご
いちご【和:苺、英:strawberry、仏:fraises(フレーズ)】 いちご(学名:Fragaria)は、バラ科の多年草で、種のように見える赤い粒の部分が果実として食べられる。いちごは甘味があるので果物として分類されがちだが、果物は果樹を指すため、いちごは分類としては野菜と位置付けられている。 いちごのおおよその旬は4月~5月頃であるが、夏から秋に実る夏いちごと呼ばれるいちごもある。また、クリスマスシーズンに合わせて11月頃から出回るいちごもあり、これはクリスマスに合わせていちご需要が増えるところから、ハウス栽培の技術を生かして現在では11月ごろから出回るようになった。 いちごは果実には種子がたくさんついていて、種子を取ることなく食べるのが一般的である。甘味と酸味がバランスよくあり、果汁も豊富。 おいしいいちごの見分け方としては、いちご全体が均等に赤く色づいている、果実がみずみずしくつやがある、種のつぶつぶの部位がくっきりとしている、ヘタが鮮やかな緑色をしているものを選ぶといい。最近では白いちごなど果皮と果肉が白いものも出回っている。 いちごの扱い いちごの果肉は柔らかくデリケートで、洗う時の水圧だけでも傷んでしまうため、扱いには注意が必要である。特に長距離運送を行うときは傷みやすくなる。洗う際にはヘタを付けたまま洗うようにするとよい。ヘタを取ってから洗うと、ビタミンCが流出し、味も水っぽくなる。ヘタを取ったり、水で洗うと傷みが進むため、保存するとは何も処理をせずに冷蔵庫で保存し、2〜3日の間に食べきるようにする。 →いちご(国産)の種類 アメリカ産いちご アメリカ産いちごの主な輸入時期は、国産いちごが品薄になる5月~11月頃である。輸入先はアメリカのカルフォルニア産である。アメリカ産いちごは、果実が赤く円錐形で、くぼみが浅く、種子の粒がザラザラとして表面に飛び出ているのが特徴である。国産いちごと見分けがつかないほど完成度の高いものも多いが、形がふぞろいなものもあり、状況によってさまざまである。値段によっては形に均一性がなかったり、甘みがあまり感じられないものもあるが、年々アメリカいちごの質も向上しているそう。 いちごのショートケーキの需要は一年中高いため、洋菓子店でも一年を通じていちごの需要があり、安定したいちごが供給が望まれている。 夏に果実がなる夏いちごは四季成り性と呼ばれるもので、糖度が低く酸味が強い上に価格が跳ね上がるため、スーパーに並ぶことはない。菓子企業やメーカー向けには販売されるが、生産数の少なさや値段の高さから、夏場はアメリカ産いちごを輸入して使うお店も多い。 アメリカ産いちごの扱い方 アメリカ産いちごも国産いちごと同様、表皮が弱く、洗うとすぐに傷む。が、農薬や泥が付着しているものが多いため、水で洗うことはほぼ必須。洗わない場合は殺菌した布きんでひとつずつ拭く。その後食品用のアルコールで消毒して保存するが、傷みが早いため、早めに使用するようにする。 食品用の殺菌消毒剤を使い消毒後、水で軽く洗ってもよい。 また、アメリカいちごには固い芯があるため、使う際はヘタと一緒に芯をナイフで取り除く必要がある。 値段の変化 いちごの相場の移り変わりは時によって様々だが、日照りの影響で不作になった時はもちろん、12月~2月頃の、中でもクリスマスシーズンに値段が高くなる傾向がある。逆にいちごの旬である春先から5月頃は値段が安くなる。需要が増えるシーズンには平常の値段から1.5倍から2倍ぐらいにもはねあがる。また、夏場のいちごが品薄な時期もいちごの価格は高騰し、アメリカ産いちごでも国産いちごの安い時期に比べるとおおよそ1.5倍ぐらい値上がりする。品種によってもかなり価格差があり、安いものは相場は1パック300円ぐらいだが、高いものだと1000円以上することもある。