
カカオ
カテゴリ:チョコレート

(学名:Theobroma cacao)
あおぎり科(またはアオイ科)の常緑高木。原産地は中南米の熱帯地域。
葉は楕円(だえん)形で先がとがり、互生する。黄白色の花は幹や太い枝に直接たばになってつく。
学名の Theobroma はギリシャ語で「神 (theos)の食べ物 (broma)」のことを意味する。
、果実中の種子(カカオ豆)からココアパウダー・チョコレートを製する。
世界のカカオの4分の3はアフリカで生産されているが、その中でも、赤道周辺の年間平均気温が27度以上、高温多湿で、水はけがよい土地でなければ育たないため、高品質なカカオは貴重なものとして扱われている。
カカオの果実は長さ15〜30センチメートル、直径8〜10センチメートルの大きさで形は卵型が多い。中に20〜60個ほど種子があり、これがカカオ豆となる。
カカオ豆は健康志向の人たちにスーパーフードともいわれていて、カカオに含まれるポリフェノールはアンチエイジングに作用される。血管の老化や動脈硬化を防ぐ働きも期待されている。また、カカオ豆は便秘予防の作用もある。
カカオニブ[仏:grué de cacao(男)]
カカオニブは焙煎したカカオ豆を風選機(セパレーター)によってハスク(外皮)と胚芽を取り除き、胚乳を粗く粉砕されたものをいう。脂肪分が約55%含まれている。チョコレートやココアは、カカオニブをさらにローストして作る。カカオ豆に含まれるアミノ酸や還元糖が熱によって茶色になり(メイラード反応)、ようやくチョコレートやココアの風味が生まれる。
カカオニブはそのままでもナッツのように食べられ、純粋にカカオの味を楽しむこともできる。
カカオマス[仏:pàte de cacao(男)]
カカオマスは、カカオニブをすり潰し、脂肪分であるカカオバターを分離させたものをペースト状にし、冷却して固化したものをいう。カカオマスに砂糖、ミルク、カカオバターを加えるとチョコレートができる。更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• チョコレートの種類
※本ページ記載の各管理温度については、一般的とされているもの。 メーカーや品種によって若干異なる場合があるため、パッケージを確認の上、調温を行う。 スイートチョコレート スイートチョコレートは製菓に使う一般的なチョコレートで、カカオマスが40~60%のものをいう。 ビターチョコレートやダークチョコレートはミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが50%以上のチョコレートのことをいい、色が濃く、甘みがなく苦い。 ビターチョコレートとダークチョコレートは同じものを指すが、日本の製菓業界では一般にダークチョコレートということが多い。 成分としてはカカオ分が55~80%くらいのもので、カカオマス、カカオバター、砂糖が入っており、乳成分は入っていない。カカオ分が多くなればなるほど苦味は増す。 溶解温度は50~55℃、冷却温度は27~29℃、保温温度31~32℃である。 ミルクチョコレート スイート・ビターチョコレートに対し、乳成分を含んだチョコレートをミルクチョコレートという。マイルドな味わいで、苦味は弱く、カカオ分は少なめである。 成分としてはカカオ分が31~38%くらいのもので、カカオマス、カカオバター、砂糖が入っており、乳成分や粉乳が入っているものを指す。乳成分が入る分、カカオ分の割合は少ない。 溶解温度は45~50℃、冷却温度は26~28℃、保温温度29~30℃である。 ホワイトチョコレート ホワイトチョコレートはカカオマスが入らないため、チョコレートそのものの色が白い。そのため、乳成分が多く含まれており、苦味がほとんどない。 成分としてはカカオマスは0%だが、30%前後のカカオバターと砂糖に加え、乳成分や粉乳が入っている。カカオ本来の風味はほとんどない。 他のチョコレートに加え油脂分が多く、温度に影響されやすいため、テンパリングはより慎重に行う。 溶解温度は40~45℃、冷却温度は26~27℃、保温温度28~29℃である。 ブロンドチョコレート ブロンドチョコレートはヴァローナ社が開発したチョコレートで、ブラック・ミルク・ホワイトチョコレートに次ぐ第4のチョコレートと呼ばれている。名前通り、色がブロンドのキャラメル色をしている。焙炉(ほいろ)に入れたまま時間が経ってしまったホワイトチョコレートが、焦げてブロンズ色になったことが、開発のきっかけとなったそう。ホワイトチョコレートをキャラメリゼすることで生まれたチョコレートである。 有塩バターを加えて作られているため、ビスケットやキャラメルに似た風味の、塩気が感じられる味わい。 ルビーチョコレート ルビーチョコレートはカレボー社が開発したチョコレートで、ルビーカカオ豆から作られたチョコレートである。ルビーチョコレートが開発されるまでは、赤い色のチョコレートといえば、着色料かフルーツフレーバーが使用されていたため、素材そのものから天然のルビー色にが生まれる、という点で注目された。 ルビーチョコレートが第4のチョコレートと呼ばれることもある。 味はフルーティーで、かすかに酸味が感じられるベリー系の味わいとも表現される。
• チョコレートの加工品
ジャンドゥージャ(ジャンドゥーヤ)【伊:gianduja、gianduia】 ジャンドゥーヤは、別名ジャンドゥイオッティといい、ヘーゼルナッツやアーモンドなど焙煎したナッツ類のペーストと、チョコレートとを混ぜ合わせたもの。 1852年にイタリア・トリノの菓子メーカーであるカファレル社によって考案されたお菓子が元になっている。カファレル社のチョコレート菓子「ジャンドゥイオッティ」が、当時不足していたカカオを補うため、代わりにヘーゼルナッツを混ぜたことから生まれた。 ボッシュチョコ ボッシュチョコは、チョコレートで文字や絵を描くために作られた製品で、文字や絵を描くのに適した柔らかい状態になっているチョコレートである。硬さが気温に影響されるため、季節によっては一度湯煎で溶かし、サラダ油を加えると扱いやすくなる。 パータグラッセ【仏:pâta à glacer】 パータグラッセはテンパリング不要のコーティングチョコレート。 植物油脂や加工油脂が含まれている。 一般的にテンパリング不要のチョコレートは味が劣ると言われている中、パータグラッセはチョコレート本来の本格的な風味を味わえるとして有名である。 パータグラッセはブロックでも簡単にサクサクとカットできる固さになっている。失敗しないで初心者にも手軽に扱えるところが特徴である。 溶かしたパータグラッセは調温を行わずにそのまま流しかけるだけで、時間とともに自然に綺麗に固まる。 手軽に使用できるので、エクレアなどの上掛けに適している。