
リステリア
カテゴリ:食中毒

元来土壌の中で生息している環境汚染菌であり、芽胞は作らないが、酸や熱に比較的強い抵抗性がある。
また、4℃以下の低温でも増殖できる低温菌であり、食材の冷蔵庫保存もこの菌に対しては有効ではない。最も増殖するのは35℃付近で、中温菌の性質もある。
リステリア食中毒が発生しているのは先進工業国で、食品の低温流通が発達している国ばかりである。毎年1~2件の大型の事例が発生しているが、原因食品が特定できなかった集団事例が3割強ある。世界各地で事例が次々に報告され、患者の致死率の高さから世界的に注目されている。
原因
牛乳や乳製品、食肉加工品、野菜類、魚介類、生卵、冷蔵庫内で比較的長時間保存する燻製魚介類など、原因食品は多種にわたる。日本では、輸入生ハムやゴーダチーズから検出されている。症状
通常はこの菌を摂取しても発症することがないが、抵抗力が低下している人や、動物には感染することがある。人では新生児、高齢者、妊産婦、免疫機能低下者に主に髄膜炎や敗血症を起こす。健康な人でも、大量の菌を経口的に摂取すると、胃腸炎の症状が出ることが報告されている。予防
1.リステリアは63℃30分間の加熱で死滅するので、よく加熱調理をする。2.生野菜はよく洗う。
3.加熱していない肉は野菜や調理済みの食品から離しておく。
4.生の食品を扱った後は、手や調理器具をよく洗う。
5.妊娠中の女性は、ソフトチーズ(ブルーチーズ・カマンベールなど)は避ける。
特に未殺菌を原料としたナチュラルチーズなどの摂取は避ける。
6.冷蔵・冷凍していた食品を室温状態に放置しない。
更新日:2019年07月30日
作成日:2018年09月13日
更新日:2019年07月30日
作成日:2018年09月13日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 黄色ブドウ球菌
あらゆる環境に存在する、ブドウ球菌の一種。 人間の髪の毛、皮膚、特に化膿した傷口や鼻の粘膜に多く存在する。 細菌性食中毒の中でも毒素型の食中毒に分類されるが、芽胞は作らない。 原因 食品中で増殖する場合にエンテロトキシンと呼ばれる毒素を作る。 この毒素は、耐熱性で酸やアルカリでも分解されないため、通常の加熱調理では分解されない。 食品のほとんどが原因食品になるが、菓子類では特にシュークリームからの発生が多い。 クリームなどは必ず10℃以下で保存し、温度管理に気をつける必要がある。 症状 潜伏期間は短く、食後30分~6時間(平均3時間)で発症する。 感染すると激しい悪心及び吐き気が現れ、場合によっては腹痛や下痢を伴う。 発熱はなく、食中毒の中でも症状は軽いため、死者が出ることは稀である。 予防法 毒素型の食中毒のため、食べる直前の加熱では殺菌されず、食中毒の予防にはならない。 そのため調理従事者は帽子、ゴム手袋などにより菌の侵入を防ぐことで感染を予防できる。 特に手指が荒れていたり、切り傷などがあったりする場合は感染の可能性が危惧されるため、ゴム手袋の着用を推奨する。
• 腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオとは、食中毒を引き起こす菌の一種である。 原因 ほとんどの原因食品が、加熱していない魚介(寿司や刺身)。生魚に触った手やまな板から他の食品につく事がある。菌は3%食塩濃度で最も活発化し、主に海水に生息している。海で感染された魚介類を経由して人体に入ることがある。また海水温度の上がる夏場に多く、4℃以下ではほとんど増殖はしなくなる。近年では、冷蔵、保冷での運搬技術の向上から、発症件数は減少傾向にある。 症状 潜伏期間は原因食品を食べてから、8〜24時間(平均約12時間)。激しい腹痛、下痢が主な症状で、まれに血便が見られる。発熱(37〜38℃)やおう吐を起こす場合もある。症状が現れてから1〜2日程度で回復するが、高齢者の中には死に至ったケースも報告されている。 予防方法 原因食材を4℃以下で保存すること、調理前に真水や酢で十分に洗うこと、調理器具や手指の洗浄などが重要である。また十分な加熱調理によってほとんどの菌が死滅する。