
マンゴー
カテゴリ:果物類

マンゴーはウルシ科マンゴー属の果樹、またその果実をいう。日本語のマンゴーは英語のmangoからつけられた。漢字表記は芒果で中国語からきている。別名は菴羅(あんら)、菴摩羅(あんまら)ともいう。これらの名前は仏典から来ている。仏教ではマンゴーは聖なる樹とされ、ヒンドゥー教では「プラジャーパティ」という万物を支配する神の化身とされ、マンゴーは特別な果物と考えられている。
マンゴーのおおよその旬は4月~8月頃で沖縄県が最も生産量が多い。だが、輸入物も多いため、1年中手に入れることができる。もっとも多く生産しているのはインドだが、日本の輸入で多いところはメキシコで全体の50%近くを占めている。
マンゴーには、中心に平たくて大きな種がある。マンゴーの平たい面に対して平行にナイフを入れて三枚にスライスすることで、無駄なく使うことができる。
特徴
果皮にしっとりとツヤがあり、ふっくらとしているものを選ぶと良い。果皮にブルームの白い粉がついているものは鮮度がいいが、果皮に黒い斑点やシワのあるものは古い。柔らかすぎるものは熟れすぎている可能性がある。完熟したマンゴーは果汁が多く、口当たりもなめらかで、ねっとりとした甘味が味わえる。
完熟前の硬いマンゴーは常温の涼しい場所でりんごと一緒に保管して追熟させる。食べごろはマンゴーの独特な香りが強くなり、指先で軽く果皮を押さえた時に柔らかくなったときである。
マンゴーはウルシ科のため、果汁に触れることでかぶれやアレルギーを起こすことがある。
マンゴーの種類
アップルマンゴー
アップルマンゴーはウルシ科マンゴー属で、果皮の赤い品種のマンゴーの総称である。アップルマンゴーのおおよその旬は6月から8月頃である。メキシコやブラジルから多く輸入されていて、外国産の出回る時期はメキシコ産が3~9月頃、ブラジル産が 10月~4月頃である。基本的には早めにもいで、輸送中に追熟する。価格は国産よりも安い。
アップルマンゴーの果実は400~500gくらいの卵形で、果皮がリンゴのように赤く、ここからアップルマンゴーという名前がついた。果肉はオレンジ色で、なめらかな口当たりで果汁が豊富である。濃厚な甘味の中にほどよい酸味も感じられる。アップルマンゴーの中でも自然落下させて収穫するものは甘味が強く高品質とされている。
アップルマンゴーには「ヘイデン種」や「ケント種」、「トミーアトキンス種」「アーウィン種」などの品種がある。アーウィン種は味が濃厚で、甘味が多く、マンゴーの中でも高品質なものが多く、値段も高価な傾向がある。国産マンゴーはアーウィン種がメキシコやオーストラリアなどの外国の輸入品に多い。
アップルマンゴーの中でも宮崎産のブランドで、糖度が15度以上で重さ350g以上の色と形がきれいな高品質な完熟マンゴーを「太陽のタマゴ」と呼んでいる。
ペリカンマンゴー(フィリピンマンゴー)
ペリカンマンゴーは果実が平たくて、ペリカンのくちばしに形が似ているところからペリカンマンゴーと呼ばれるようになった。別名果物の女王といわれている。生産地はフィリピンで1年を通じて出回っている。6月から8月が旬だといわれている。
日本で売られるペリカンマンゴーは主にフィリピン産である。果皮が黄色で鮮黄色のマンゴーはカラバオ種といい、マンゴーの中でも酸味がやや強い品種となる。カラバオ種は、「マニラスーパー」、「イエローマンゴー」、「ゴールデンマンゴー」とも呼ばれている。滑らかな舌触りで、ねっとりした濃厚な甘味と適度な酸味がバランスよくある。輸入物も多く安定しているため、一年中スーパーで手ごろな金額で手に入れることができる。
保存するときは濡らした新聞紙かラップで包む。乾燥すると皮がぶよぶよになるので、乾燥を防いで冷蔵庫で保存する。もし、果肉が緑色だった場合は、20℃ぐらいで追熟させるとよい。
ペリカンマンゴーは生のまま食用にするほか、飲料品やピューレ、氷菓にも加工される。香港のデザートではマンゴープリンが有名である。一方、東南アジアでは未熟なマンゴーを使って、炒め物や塩漬け、チャツネやスパイスなどに利用している。
更新日:2025年04月04日
作成日:2018年09月10日
更新日:2025年04月04日
作成日:2018年09月10日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• バナナ
バナナ【英:Banana(バナナ)、仏:Banane(バナヌ)】 バナナはバショウ科バショウ属の草本になる実の総称で、南アジアの熱帯地方が原産である。種類は多く、数百種類もあり、その中の3分の2は生食で食べられるが、3分の1は調理しないと食べることがきない。 国内で出回っているバナナのほとんどが輸入物であり、90%はフィリピン産のものである。1年を通じて安定して手に入れることができる。国産バナナである沖縄や奄美大島、石垣島などの島バナナの旬は7月から9月で、早いものは5月下旬となり、10月頃まで市場に出回る。 バナナは細長い形状をしていて房になっている。黄色い果皮に包まれているが、手で簡単に剥くことができる。中は白い果肉で果汁はなく、甘味が強い。 日本に輸入されるバナナは害虫の侵入を防ぐため、青い未熟な状態で輸入される。市場に出回っているものは日本で追熟させて黄色くなったものである。 選ぶ時は全体に黄色く色付いている物を選ぶようにする。青色の物は全てが黄色く追熟するわけではない。国産のバナナは熟してから収穫できるため、輸入バナナよりも甘味が強い。 バナナを追熟するときの最適温度は15℃前後で、13℃以下では追熟せず、低温障害で果皮が黒く変色する。また、追熟すると、黄色の果皮の表面に黒い斑点が出ることがあるが、これはシュガーポットといい、熟して食べごろというサインでもある。 また、バナナは向いたまま置いておくと黒っぽく変色してしまう。 これは、りんごの褐変と同じく、果肉に含まれるポリフェノール類が酸素と触れることで変質してしまうため。 変色を防ぐためには、レモン汁にくぐらせると良い。 保存方法 バナナは冷蔵庫で行うと低温障害で真っ黒になり傷むため常温で保管する。 または新聞紙に包んで冷暗所で保存する。 重みがかかった部分が傷んでくるので、接地面が少なくなるよう山形になるようにおくと傷みが防げる。 バナナツリーなどのスタンドを使うのもひとつの方法である。
• ココナッツ
ココナッツ【英:coconut、仏:Noix de coco(ノワドココ)】 ヤシ科ココヤシ属で、椰子の実やココヤシとも呼ばれる。 旬は3月から5月ごろ。 繊維質の厚い殻に包まれ、その中に固い殻に包まれた種子がある。 種子の内部に大きな胚乳があり、それを削りとって乾燥させたものをコプラという。 洋菓子で使うココナッツは、このコプラを細かくしたもの。 乾燥させてそのまま使用しても良いが、ローストするとより香りが強くなりいろんな用途で使用できる。