
ブランマンジェ
カテゴリ:デザート

砂糖の入ったアーモンドミルク(アーモンドと水で作られたもの)をゼラチンで固めたアントルメのひとつ。
フランス語でブランは白い、マンジェは食べ物を意味するので「白い食べ物」と訳される。
牛乳・砂糖を煮詰め、ゼラチンを加えた後、生クリームを入れ固めて作る。
本来はアーモンドを砕く際に出るアーモンドミルクを集めて作る高価なお菓子で、昔から貴族を中心に愛されてきた。近年はアングレーズソースやフルーツのソースと合わせて食べることが多い。
歴史
ブランマンジェは今日のお菓子の中で最も歴史があるとも言われている。中世では肉を使ったジュレやポタージュも、アーモンドミルクにハチミツを加えたものも同じくブランマンジェと呼ばれていた。やがて料理の方の消滅し、ブランマンジェは甘いデザートとして残るようになった。
白くて甘いブランマンジェは19世紀にパティシエのアントナン・カレームによって世界に広められたと言われている。
しかし、アーモンドと砂糖で作られたアラビアのお菓子が発祥だったという説もあれば、ラングドック地方の町、モンペリエのスペシャリテだったともいわれており、ブランマンジェの発祥については諸説存在している。
見た目の似たパンナコッタはイタリア発祥で、アーモンドは入っておらず、牛乳・生クリーム・砂糖を合わせて煮詰めたあとゼラチンを入れ固める。
更新日:2019年10月03日
作成日:2018年09月12日
更新日:2019年10月03日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• パンナコッタ
パンナコッタ【仏:Pannacotta】 生クリームをゼラチンで固めたイタリア発祥の冷菓。 イタリア語でパンナは生クリーム、コッタは煮たという意味で、作り方がそのままの語源になっている。つるんとした口当たり。 生クリームだけでなく牛乳も入れて作るとあっさりと食べやすくなり、原価も下げられる。 生クリーム・牛乳・砂糖を煮詰め、ゼラチンを加えて固めて作る。 コース料理のドルチェとしてレストランで出されることも多く、店によって様々な種類のソースをかけて食べられる。 歴史 パンナコッタは北イタリアの酪農が盛んなピエモンテ州が発祥で、家庭菓子として昔から食べられていた。 昔は生クリームが普及していなかったため、牛乳やその上澄みをデンプンで固めたものだったが、現代ではゼラチンなどの凝固剤で固めて作られる。 日本では1994年頃ブームになり、家庭でもおやつとして作られるようになった。 見た目の似たブランマンジェはフランス発祥で、アーモンドが入っており、生クリームはベースを煮詰めてゼラチンを入れたあとに加える。
• ゼラチン
ゼラチン(仏:Gélatine ) 冷菓などを固める凝固剤の一種。 ゼリーやババロア、ムース、マシュマロなど様々なお菓子作りに使われている。ゼラチンを使用した製品はふんわりと柔らかく、粘りと弾力がある。 溶解温度が20〜30℃と低く、口にいれるとすぐ溶け出す。この口どけの良さと食感から人気があり、最も使用される凝固剤である。 牛や豚の骨または皮のコラーゲン(不溶性のタンパク質)を熱水で抽出、精製し、乾燥させて作られる。近年は豚由来の物が主流になってきている。 板状と粉末状のものがある。100グラムあたり338キロカロリー程度。 凝固する仕組み ゼラチンの基本構造は、多数のアミノ酸が細長い鎖状に並んだ物。これは、熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。 温度が下がると徐々に動きが悪くなり、アミノ酸同士で引き合うようになる。鎖状のアミノ酸が繋がると、細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。 これにより、独特の弾力のある固まり方をする。この網目構造によりゲル化する仕組みはアミノ酸由来のものや単糖類のものがあるが、ゼラチンだけでなく寒天やカラギーナン、ペクチンにも共通している。 扱い 板ゼラチンは戻すための水の温度が高いと水に溶け出してしまうので、多めの水に氷を入れ水温を10℃以下に保つ。 また板ゼラチンは濡れると張り付いてしまい、均一に戻らなくなるので、水に入れる時は一度に入れず、一枚一枚順番に入れる。柔らかくなったら水気を切って使う。 粉ゼラチンの場合も冷たい水でふやかす。水の量はゼラチンの種類や作りたい製品により異なるが、およそ4〜5倍。均一に戻すため、水をはった容器に粉ゼラチンをふり入れるようにする。 ゼラチンに水を吸水させて柔らかくしてから他の材料に加え、50〜60℃で加熱して溶かす。これを冷蔵庫などで15〜20°Cまで冷やすと固まる。 性質 製造過程において、加熱しすぎるとゲル化力が弱まる。 やや酸に弱く、PH3.5以上ないと固まらない。たんぱく質分解酵素を含む果物の果汁はゲル化できない。 (パパイヤ・キウィ・パイナップル・メロン・イチジクなど) これらの生の果肉をゼリーに混ぜ込むと、その果肉の周囲から凝固が解けていく。酵素は熱に弱いため、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤が使われることが多い。 固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので、注意が必要。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化させることもできるが、強度が弱くなる。 ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。 砂糖にはゼラチンの凝固を助ける働きがある。砂糖は水に溶けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。 完成した製品が溶けない温度を保てば、ほとんど離水しない強い凝固力がある。 ゼラチンの種類 板ゼラチン 透明な薄い板状のゼラチン。プロの現場ではこちらが一般的に使われている。 板ゼラチンは一枚あたりの重さが一定なので計量する手間がない。(ただしメーカーや種類による違いはある。) 粉ゼラチンに比べると短時間で戻せる。 戻すのに使った冷水にはゼラチンの匂いが溶け出すので、独特の匂いが和らぐ効果がある。板ゼラチンの難点はゼラチンの戻し具合や水分の絞り具合によって、含まれる水分量が変わってくる所。この水分量は完成品の硬さに影響してくる。水分量を一定にするためにはその板ゼラチンを戻したときの重量を計って基準となる値を決めておき、水分を足したり、よく絞ったりすればよい。 粉ゼラチン 白色か薄い黄土色の粉末状。スーパーなどでも簡単に手に入る。粉ゼラチンはあらかじめ戻す水分の量を計算して合わせているため、水分量の調整はいらない。 砂糖の補助効果 砂糖は水に解けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。 使用における注意点 製造過程において、加熱しすぎるとゲル化。だか、この酵素は熱に弱く、加熱することによって活動を失う。なので、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。ただし、加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤の使用をお勧めする。 固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので注意がいる。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化することもできるが、強度が弱る。 ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。