パティシエWikiロゴ

パティシエWikiロゴ パティシエのための製菓用語集「パティシエWiki」

パティシエWikiロゴ

ゼラチン

カテゴリ:その他加工品

ゼラチン
ゼラチン(仏:Gélatine )

冷菓などを固める凝固剤の一種。
ゼリーやババロア、ムース、マシュマロなど様々なお菓子作りに使われている。ゼラチンを使用した製品はふんわりと柔らかく、粘りと弾力がある。
溶解温度が20〜30℃と低く、口にいれるとすぐ溶け出す。この口どけの良さと食感から人気があり、最も使用される凝固剤である。

牛や豚の骨または皮のコラーゲン(不溶性のタンパク質)を熱水で抽出、精製し、乾燥させて作られる。近年は豚由来の物が主流になってきている。
板状と粉末状のものがある。100グラムあたり338キロカロリー程度。

凝固する仕組み

ゼラチンの基本構造は、多数のアミノ酸が細長い鎖状に並んだ物。これは、熱水の中にあると分子の活動が活発なので、液体の中を自由に動いている。
温度が下がると徐々に動きが悪くなり、アミノ酸同士で引き合うようになる。鎖状のアミノ酸が繋がると、細かい網目状の構造を形成し、その隙間に大量の水分を抱え込める様になる。
これにより、独特の弾力のある固まり方をする。この網目構造によりゲル化する仕組みはアミノ酸由来のものや単糖類のものがあるが、ゼラチンだけでなく寒天やカラギーナン、ペクチンにも共通している。

扱い

板ゼラチンは戻すための水の温度が高いと水に溶け出してしまうので、多めの水に氷を入れ水温を10℃以下に保つ。
また板ゼラチンは濡れると張り付いてしまい、均一に戻らなくなるので、水に入れる時は一度に入れず、一枚一枚順番に入れる。柔らかくなったら水気を切って使う。

粉ゼラチンの場合も冷たい水でふやかす。水の量はゼラチンの種類や作りたい製品により異なるが、およそ4〜5倍。均一に戻すため、水をはった容器に粉ゼラチンをふり入れるようにする。
ゼラチンに水を吸水させて柔らかくしてから他の材料に加え、50〜60℃で加熱して溶かす。これを冷蔵庫などで15〜20°Cまで冷やすと固まる。

性質

製造過程において、加熱しすぎるとゲル化力が弱まる。
やや酸に弱く、PH3.5以上ないと固まらない。たんぱく質分解酵素を含む果物の果汁はゲル化できない。
(パパイヤ・キウィパイナップル・メロン・イチジクなど)
これらの生の果肉をゼリーに混ぜ込むと、その果肉の周囲から凝固が解けていく。酵素は熱に弱いため、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤が使われることが多い。
固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので、注意が必要。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化させることもできるが、強度が弱くなる。

ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。
砂糖にはゼラチンの凝固を助ける働きがある。砂糖は水に溶けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。
完成した製品が溶けない温度を保てば、ほとんど離水しない強い凝固力がある。


ゼラチンの種類

板ゼラチン

透明な薄い板状のゼラチン。プロの現場ではこちらが一般的に使われている。
板ゼラチンは一枚あたりの重さが一定なので計量する手間がない。(ただしメーカーや種類による違いはある。)
粉ゼラチンに比べると短時間で戻せる。
戻すのに使った冷水にはゼラチンの匂いが溶け出すので、独特の匂いが和らぐ効果がある。板ゼラチンの難点はゼラチンの戻し具合や水分の絞り具合によって、含まれる水分量が変わってくる所。この水分量は完成品の硬さに影響してくる。水分量を一定にするためにはその板ゼラチンを戻したときの重量を計って基準となる値を決めておき、水分を足したり、よく絞ったりすればよい。

粉ゼラチン

白色か薄い黄土色の粉末状。スーパーなどでも簡単に手に入る。粉ゼラチンはあらかじめ戻す水分の量を計算して合わせているため、水分量の調整はいらない。

砂糖の補助効果

砂糖は水に解けて分散し、上記の網目構造の中で水を吸着して保持し、離水を防ぐ効果がある。なので、甘さ控えめにしたいからといって、安易に砂糖の配合を減らすと固まりが緩くなる場合がある。

使用における注意点

製造過程において、加熱しすぎるとゲル化。だか、この酵素は熱に弱く、加熱することによって活動を失う。なので、これらのフルーツを固めたい場合は缶詰になっている物を使うか、一度加熱してからゼラチンと合わすとよい。ただし、加熱することでフルーツの味や風味が損なわれることが多いので、ゼラチン以外の凝固剤の使用をお勧めする。
固めた冷菓は25〜30℃で溶け出す。夏季の室温や人の体温で溶けてしまうので注意がいる。一度溶けた製品を再び冷やして、ゲル化することもできるが、強度が弱る。

ゼリーは基本的に冷凍できない。ババロアはレシピ次第で、冷凍すると品質が落ちる物も多い。ムースは冷凍できる。急速冷凍にかけて冷凍し、溶かすときは冷蔵庫でゆっくり解凍する。
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの
協力のもと制作されています。