
シブースト
カテゴリ:パイ生地の菓子

パイ生地にフルーツとクレーム・シブーストを乗せ、トップをキャラメリゼした菓子。
シュー生地で周りを囲ったものはサントノレ【仏:Saint-Honoré】とも呼ばれる。
今日のムースクリームの先駆けとも言える、古典菓子としても有名である。
シブーストに用いるクレーム・シブーストとは、カスタードクリームにゼラチンとイタリアンメレンゲを混ぜて作ったクリームのことを指す。
クリームのふわっとした食感とパイ生地のサクサクとした食感、中に入れられたフルーツの甘みやキャラメリゼされたトップの香ばしさといった、さまざまな口当たりを楽しむことができる。
中に入れるフルーツにはりんごが使用されることが多い。
歴史と由来
19世紀中ごろのパリ、サン・トノレ通りに店を構えていた菓子職人のシブースト氏が考案した。彼の名前から「シブースト」と命名されたことが名前の由来である。
当時は冷蔵施設がなかったため、生クリームや卵を使ったクリームは細菌の温床となっていた。
そのため、シブースト氏は熱したシロップと卵白を混ぜたイタリアンメレンゲを使い、カスタードクリームとゼラチンを用いたクレーム・シブーストを考案。
火を通したクリームにゼラチンを混ぜて固めることで、細菌の問題を解決した。
これがシブーストの誕生である。
1970年代、パリで製菓修行をしていたブールミッシュのシェフパティシエである吉田菊次郎氏によって開発当時のレシピが再現され、タルト・シブーストとして日本にも輸入された。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• カラメリゼ
カラメリゼ【仏:caraméliser】 カラメリゼとは、砂糖または砂糖に水を加えたものを煮詰め焦がしたり、直接焼き鏝やバーナーで焼いたりして、砂糖を独特の苦みと香りのある褐色物質に変えること。 砂糖に熱を加えキャラメル化させる工程が総じて『カラメリゼ』と呼ばれる。 一般的に製菓業界では、シブースト・ポムの表面や、クレーム・ブリュレの表面などに砂糖をふり、鏝やバーナーで焦がすときの事をカラメリゼと表現することが多い。 また、シブースト・ポムに使うリンゴや、タルト・タタンのリンゴを調理するときに「キャラメル」を作り、リンゴとからめることも「カラメリゼ」と表現される。 カラメリゼの種類 カラメリゼにはいろいろな方法と使い方がある。 1.クリームの表面を焼き、カラメリゼする シブーストやガトーサンマルク、ピュイ・ダムールなどのように、クリームの表面にグラニュー糖、粉糖をまぶして、焼き鏝やカラメライザーで表面を焼きカラメリゼする。 カラメリゼすることにより、ケーキに独特の風味を与えるだけでなく、パリパリとした食感が生まれてベースとのコントラストが生み出される。 カラメリゼされた表面は、つやのある焦げ茶色になり、カラメリゼの回数が多いと固く厚みが出てくる。 焼きごて(カラメライザー)は十分に熱し、ケーキの表面を滑るように動かして使う。 ブリュレの場合は表面に砂糖をふり、ガスバーナーで表面をカラメリゼすることが多い。 2.砂糖、砂糖水(シロップ)を煮詰め、ソースやクリームに使う 砂糖、砂糖水(シロップ)は煮詰めると茶色のカラメルに変化する。 このカラメルは煮詰め方により、カスタードプリンのソースや、ケーキのクリーム等に加えキャラメル風味のクリームとして使われたり、サントノーレやピエス・モンテなどのようにシュー生地のコーティングにも使われたりする。 熱した砂糖は、150℃以上から茶色くなる。 カラメルが好みの色になるように鍋の底にぬれ布をあてたり、ほんの少し水を加えたりしながら温度を調節する。加熱をやめてもしばらくは熱が広がっていくため、仕上げたい色になる前に温度調節するのがポイント。 3.果物やナッツ類の風味つけに使う 2と同じ手順でフライパンでカラメルを作り、リンゴやナッツを加え絡めていく。 クルミ、アーモンドなどの場合は、鍋で水と砂糖を煮詰め、ナッツ類を加えよくかき混ぜる。 天板に移し、窯で時々混ぜながら焼く。 カラメリゼは、焦がし方が足りないと、香ばしさに欠けたぼんやりした味わいになる。逆に焦がしすぎると、苦味だけが強くなりすぎてお菓子の美味しさが失われてしまう。 総じて砂糖の焦がし具合の見極めと、温度調整が大事な作業である。
• クレーム・パティシエール
クレーム・パティシエール【仏:crème pâtissière】 カスタードクリーム【英:custard cream】 お菓子屋のクリームと言われ、多くのお菓子作りのベースとなるクリームである。 銅鍋を使うことで熱が早く均一に通りやすくなる。 手順 1.牛乳、バニラ、バター、砂糖の一部を入れ沸かす 牛乳はしっかり沸かすこと。バニラは種をとったサヤも入れて良い。 砂糖を少し入れることで、牛乳の膜ができることを防げる。 2.卵黄と砂糖を白っぽくなるまであわせ粉とあわせる 卵黄を砂糖を白っぽくなるまであわせる理由としては、空気をふくませることで火のあたりを柔らかくし、卵黄を煮えにくくするため。 3.沸いた牛乳の一部を卵黄の方に入れ、鍋に戻して炊く 火をかけている際は、ふちの部分についたカスタードをとりながら炊き、均一に熱を通すようにする。 銅鍋の位置をこまめにかえると焦げにくくなる。 ステンレス鍋を使う場合は角が焦げ付かないように意識してホイッパーを動かすこと。 火は強火で、店によっては温度計で温度を確認しながら炊くところもある。 4.バットなどに平たく流し、密着ラップをして素早く冷やす 氷を当てて粗熱をとり、冷蔵庫で保管する。 裏ごしするタイミングは、少量の場合は(3)の時点でアパレイユをボールにすべて移して混ぜた後鍋に戻すとき、量が多い場合はバットに流し込む際に行う。 使用方法 冷やした後、なめらかになるようにゴムベラでまぜ、もどしてから使用する。 この際に裏ごしすると、よりなめらかな仕上がりになる。 生クリームと合わせてディプロマットクリーム、バタークリームと合わせるとムースリーヌになる。 アーモンドクリームと合わせてフランジパーヌとしても使用できる。 シュークリームやフレジエ、ガトーバスク、ポンヌフなどに使われる。