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発酵バター

カテゴリ:乳製品

バターはヨーロッパで紀元前から作られていたが、発酵バターはその過程の失敗の中で作られた偶然の産物だった。コクがあって、風味がいいということでヨーロッパに広まり、後にヨーロッパでは発酵バターがバターの主流となった。

一方、日本のバターは中国から輸入されたのが始まりと言われている。
中国から入ってきたバターは非発酵バターだったため、日本では非発酵バターが主流となっている。
だが、現在は日本でも発酵バターのおいしさが認められて新たなブームとなっている。
発酵バターの原料はクリームで、乳酸菌を加えて半日以上発酵させることで作ることができる。

家庭で簡単に作ることもできる。生クリームヨーグルトを発酵させるとサワークリームになるので、そのサワークリームを泡立てて、水分と固形分を分離させ、ザルで濾すことで発酵バターができる。

エシレ産バター

エシレ産バターは、フランス中西部・エシレ村で作られたバターである。
ヨーグルトのような軽い酸味が感じられる一方で、クリーミーでまろやかな味わいのある、芳醇な香りが特徴の発酵バターである。
もともとエシレ村は乳製品の産地として有名だが、それは乳牛を育てるための土壌や気候に恵まれているところにある。
乳牛は一頭当たりの最低牧草地面積が決められていて、のびのびと育てられている。また、バターづくりにもその品質を保つため『工房から半径30km以内の酪農家の牛の牛乳しか使わない』『絞ったばかりの牛乳は24時間以内に工房に届け、新鮮なうちにバターに加工する』などの決まりがある。

昔ながらの製法にもこだわっていて、伝統的に伝わる乳酸菌を使い続けたり、やわらかく滑らかな食感を生み出す『木製のチャーン』と呼ばれる撹拌機を使ったりしている。厳しい品質管理のもと、エシレ産バターはフランスの原産地名称保護のAOP認定を受けた数少ないバターでもある。

イズニーバター

イズニーバター はフランス・ノルマンディー地方にある、大手乳業メーカーイズニー社が作る発酵バターである。
脂っこくないしっとりとしたなめらかさで、クリーミーな軽やかなくちどけが特徴。軽い酸味とミルク本来の甘さが感じられる上品な味わいである。

イズニーバターもまたエシレバター同様、牛乳は採取後24~72時間以内のものを使っている。14~15時間発酵に時間をかけることで酸味が弱まり、まろやかな豊かな味わいの発酵バターになる。その後、撹乳器で3時間かけて練り上げられる。
時間をかけて作り上げる製法は1リットルのミルクからわずか100gのバターしか作れないが、その分、おいしさが凝縮したバターになるとして、イズニーバターもエシレバター同様古くからの製法にこだわっている。
そして、イズニーバターもまたフランスの原産地名称保護のAOP認定を受けたバターの生産地でもある。

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