
フランスの小麦粉
カテゴリ:粉類

フランスの小麦粉【仏:Farine de froment(ファリーヌ・ドゥ・フロモン)】
日本の小麦粉というと「薄力粉」「中力粉」「強力粉」「全粒粉」とわけられるのが一般的だが、フランスの小麦粉は分類方法が違う。
フランスの小麦粉はType+数字で粉の種類を表す。フランスの小麦粉と日本の小麦粉は成分での分類が異なるため、厳密には対比できるものではない。
フランスの小麦粉はハード系のパンが多いため、灰分の含有値で小麦粉を分類する。灰分が多いと小麦の味が強く黒いパンとなり、少ないと小麦の味が弱い白いパンとなる。お菓子ならType45〜55が、パンならType65以上が適している。
フランスの小麦粉の種類
Type45
成分は灰分含有値が0.50%、麦1粒中使用されている量は70%である。クグロフや折りパイ生地などこねないタイプのお菓子の生地に適している。
Type55
成分は灰分含有値が0.50~0.60%、麦1粒中使用されている量は75%である。菓子パンやブリオッシュなどの軽いパンやビスケットなどのお菓子に適している。
Type65
成分は灰分含有値が0.62~0.75%、麦1粒中使用されている量は80%である。一般的なパン生地やピザ生地などに適している。
Type80
成分は灰分含有値が0.75~0.90%、麦1粒中使用されている量は90%である。一般的なパン生地からややハード系のパン生地に適している。
更新日:2023年04月26日
作成日:2018年09月12日
更新日:2023年04月26日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 小麦粉の種類
日本では小麦の種類はでんぷんやたんぱく質などの成分の違いによって強力粉・中力粉・薄力粉などいくつかに分類している。グルテンの強いものから順に強力粉、中力粉、薄力粉と分けている。 日本は世界でも小麦の消費量が高く、そのほとんどは外国産小麦の輸入に頼っている。輸入元はアメリカは最も多く、半数以上を占めている。 外国産小麦の輸入のほとんどは、日本政府が買い入れて、国内の製粉会社などに売り渡すというシステムになっている。 強力粉 強力粉は「パンコムギ」と呼ばれる硬質小麦を原料に作られていて、主にアメリカやカナダから輸入している。 成分は灰分が0.3~0.35%程度、たんぱく質量が11.0~13.0%で、食パンなど白いパンを作ることが多いため、特等粉と呼ばれる灰分のものを使うことが多い。 強力粉は主にパンを作るのに使う小麦粉で、食パンや菓子パン、フランスパンなどの粘りの強いパンに適している。そのほかにも中華麺やソフト麺、乾燥パスタなどに使われる。 薄力粉を使った場合と比べると、硬い仕上がりになる。 英語圏では「Strong flour」や「Bread flour」と表記されるものが、強力粉に近いものにあたる。 準強力粉 準強力粉は中力粉と強力粉の中間に位置する小麦粉で、場合によっては中力粉と同じ分類になることもある。主に中間質小麦を使っていて、日本ではオーストラリアから輸入している。 成分は灰分が0.35~0.45%程度、たんぱく質量が10.5~12.5%で、パンやフランスパンなどを白いパンを作ることが多いため、一等粉と呼ばれる灰分のものを使うことが多い。 クロワッサンやデニッシュ、フランスパンなど、外はカリカリとした食感で、中はソフトでやわらかなパンを作るときに適している。 中力粉 中力粉はちょうど強力粉と薄力粉の中間に位置する小麦粉である。主に中間質小麦を原料使っていて、日本ではオーストラリアから輸入している。 成分は灰分が0.35~0.45%程度、たんぱく質量が7.5~10.5%で、パンやバケットに使われることが多い。多少色が黒くても構わなければ、二等粉と呼ばれるものを使うことも多い。 バゲット、お好み焼き、たこ焼き、うどんやなど粘りの少なめのパンや粉もの料理によく使われる。 強力粉と薄力粉を混ぜたものを中力粉の代用とすることもできるが、もとの中力粉とは加工特性が違うため、完全に同じものにはならない。 薄力粉 薄力粉は軟質小麦を原料にしていて、日本ではアメリカから輸入している。 成分は灰分が0.45~0.65%程度、たんぱく質量が6.5~9.0%で三等粉と呼ばれている物を使うことが多く、てんぷらの衣やパン粉などが適している。製菓において最も使われる小麦粉で、ケーキやクッキーなど軽い仕上がりのものに使われる。 タンパク質の含有量が少なければ少ないほど軽い繊細な仕上がりの製菓になるため、製菓用に「製菓用薄力粉」も販売されている。英語圏の表記では「cake flour」がこれに近い。 浮き粉 浮き粉は生地からグルテンを分離させた後に残った小麦粉のでんぷんをいう。『じん粉』や『本浮き粉』、『貫雪粉』とも呼ばれている。 成分はたんぱく質量は洗い流しているため限りなく0に近く、灰分が0.7~1.0%%ぐらいの三等粉と呼ばれている物を使うことが多い。 浮き粉は片栗粉のような質感があり、生地に使うことで、和菓子やエビ蒸し餃子のような中の餡が透けて見えるような半透明な仕上がりになる。 餡を透かしたい蒸し餃子や中華団子などの点心や和菓子、天ぷらやたこ焼き、玉子焼きにも使われる。また、スポンジケーキやロールケーキ、シフォンケーキなどふんわりと仕上げたい洋菓子に使われることもある。
• 米粉
主に、もち米やうるち米を使って作られた粉。最近では、パンや焼き菓子に使用するレシピも多く公開されている。 小麦アレルギーの方をはじめ、グルテンフリーの食生活をする人にとって安心して摂取でき、製粉技術があがった事で洋菓子製造においても広がりを見せている。 うるち米とは、コシヒカリやあきたこまち等一般的な米の事を指す。もち米との違いはアミロースの含有の違いである。 アミロース含量の多い米品種ミズホチカラから作られる米粉は、製粉時にデンプンが壊れにくい特徴もあり、製パンに向いた品種として注目されている。 ただし、製パンなどを目的とした米粉が含まれるミックス粉の中にはグルテン(小麦たんぱく)が含まれるものもあるので、小麦アレルギーの方向けやグルテンフリーをうたった商品として作る際には、成分表示には十分に注意する必要がある。 原料での分類 もち米が原料のもの 餅粉、求肥粉、道明寺粉、微塵粉、落雁粉 製パンなどに向くリ・ファリーヌ・レジェールなど うるち米が原料のもの 上新粉、かるかん粉、洋菓子向けのリ・ファリーヌなど 特長 焼き菓子などで小麦粉の代用として使われる場合は、軽い食感になる。シフォンケーキやスポンジなどに使った時には、しっとり、もっちりとして、米を炊いたときに出る特長が同じ様に出やすい。 特にもち米が原材料の米粉で作ったお菓子はもちもちとした食感が出る。 ただし、米の性質上、一度冷やしたり長時間の保存をしたるすると固くなったり、食感が悪くなる事がある。 食感を維持するためにトレハロースなどを使うなどして老化抑制する工夫が必要である。