
フイユタージュ・オルディネール
カテゴリ:生地
オルディネールはフランス語で「普通の」という意味。
最もベーシックなフイユタージュの製法である。
手順
バターの折り込み作業は、バターが溶けてしまうと均一な層ができず、焼成した際に層が歪な生地に仕上がってしまう。特に折り込みを手作業で行う場合は材料をしっかりと冷やし、冷たい状態で扱って手早くおこなうようにする。
ブラージュ【仏:beurrage】の手順
1.冷蔵庫でしっかり冷やした固いバターに打ち粉をし、麺棒で叩いて硬さを調整する。一辺20cmほどの正方形に形を整える。2.十字の切り込みを入れたデトランプを打ち粉した作業台上で広げる。
切り込みの四隅を押し広げ、バターより少し大きい正方形にのばす。
3.45度角をずらしてでトランプの上にバターを置き、向かい合う生地の角をそれぞれあわせ、四隅を中央に集める。
バター全体を包みこむように、生地のつまんでとじていく。
このとき、つまんだ部分の生地がぶ厚くならないように気をつける。
4.すきまなく密閉してつなぎめを閉じたら全体を綿棒で軽く叩いてバターとデトランプをなじませる。
5.伸ばし始めの状態から幅の三倍になるまで生地を伸ばす。三つ折りにし、全体を軽く叩いてなじませる。
6.生地を90度回転させ、さきほどと同じように三つ折りの作業をおこなう。
この作業をもう一度繰り返す。
7.一度冷蔵庫で1時間以上休ませる。休ませたあとにもう一度三つ折りを二回行う。(計6回)生地を休ませる際は、生地の端に折った回数がわからなくなるように指で押して印を入れるようにする。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年10月23日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年10月23日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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協力のもと制作されています。
関係項目
• フイユタージュ・オルディネール
フイユタージュ・オルディネール【仏:feuilletage ordinaire】 オルディネールはフランス語で「普通の」という意味。 最もベーシックなフイユタージュの製法である。 手順 バターの折り込み作業は、バターが溶けてしまうと均一な層ができず、焼成した際に層が歪な生地に仕上がってしまう。 特に折り込みを手作業で行う場合は材料をしっかりと冷やし、冷たい状態で扱って手早くおこなうようにする。 ブラージュ【仏:beurrage】の手順 1. 冷蔵庫でしっかり冷やした固いバターに打ち粉をし、麺棒で叩いて硬さを調整する。一辺20cmほどの正方形に形を整える。 2. 十字の切り込みを入れたデトランプを打ち粉した作業台上で広げる。 切り込みの四隅を押し広げ、バターより少し大きい正方形にのばす。 3. 45度角をずらしてでトランプの上にバターを置き、向かい合う生地の角をそれぞれあわせ、四隅を中央に集める。 バター全体を包みこむように、生地のつまんでとじていく。 このとき、つまんだ部分の生地がぶ厚くならないように気をつける。 4. すきまなく密閉してつなぎめを閉じたら全体を綿棒で軽く叩いてバターとデトランプをなじませる。 5. 伸ばし始めの状態から幅の三倍になるまで生地を伸ばす。三つ折りにし、全体を軽く叩いてなじませる。 6. 生地を90度回転させ、さきほどと同じように三つ折りの作業をおこなう。 この作業をもう一度繰り返す。 7. 一度冷蔵庫で1時間以上休ませる。休ませたあとにもう一度三つ折りを二回行う。(計6回)生地を休ませる際は、生地の端に折った回数がわからなくなるように指で押して印を入れるようにする。
• グルテン
小麦粉のタンパク質であるグルテニンとグリアジンが変質したものをグルテンという。グルテンは水を粉に加え、練ると現れ、弾力性と粘り気がある。 グルテンにはグルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質があり、この2つが絡み合って形成される。 練れば練るほどグルテンがたくさん出てくる。家で例えるならグルテンは柱のような存在で、生地作りにおいて骨格形成の働きがある。スポンジ生地はグルテンの力で形が整い、パンはグルテンの力で膨らみ、うどんにコシが出るのもグルテンの作用である。 グルテンの量と質 小麦粉の種類によって含まれるタンパク質の量と性質が異なり、「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の3種類にわかれている。→小麦粉の種類 薄力粉は、軟質小麦を原料とする小麦粉。タンパク質の割合は小麦粉の中で一番少なく8.5%以下。粉の特徴はきめが細かく、しっとりとしていて握ると塊ができる。 強力粉は、硬質小麦を原料に作られている。タンパク質の割合が11.5%以上の小麦粉を強力粉と呼び、タンパク質の含有量が小麦粉の中で一番多い。粉の特徴はきめが粗くさらさらしていて、打ち粉に使われていたりする。 強力粉は薄力粉よりタンパク質量が多いためグルテン形成量も多く、弾力と粘り気が強い。 グルテンの作用 パン生地への影響 パンをつくる場合、小麦粉他材料と水を加えて捏ねると、軟らかく弾力がある生地になる。 捏ねることでグルテンが形成され、生地を伸ばすと薄い膜のようになり、網目で細い繊維状になる。 焼成の際にオーブンで熱が加わるとイーストがガスを発生させ、膨張して体積がさらに大きくなり、よくふわふわのパンに仕上がっていく。 生地の中心温度が95~97℃に上がった際、形成されたグルテンの網目状組織は熱で変性して固くなるため、パン中にしっかりした骨組みができて冷えてもその形を保てる。でんぷんが壁、グルテンが柱の役割を果たしている。 パイ生地への影響 パイ生地は、練り合わせたり、麺棒でのばしたりした後には、必ず「生地を休ませる」という工程が入る。 練り合わせたばかりの生地はグルテンにより弾性が強まり伸ばしにくくなったり、焼成の際に縮みが起こったりする。伸ばした直後のグルテンが作用したままの生地は使うことができない。生地のコシを作っているグルテンのタンパク質の粘弾性は、生地を休ませている間に変化し、ゆるまっていく。 練り合わせた生地や麺棒でのばしたばかりの生地は、グルテンの構造が無理な力で引きのばしたような状態になっている。そのため、力を加えて無理に生地をのばそうとしても、元の状態に戻ろうとする力が強く、非常にのばしにくかったり成形しにくい。 しかし、この生地を冷蔵庫でしばらく冷やして休ませるとグルテンによる弾力がだんだん弱くなり、のばしやすくなっていく。寝かしている間にグルテンの網目構造無理な力のかかっている部分が切れ、ほぐれ、構造全体に余裕ができてくるので伸ばしやすく加工しやすくなる。 グルテンに影響する副材料、添加剤 食塩はグルテンのコシを強くする性質を持っている。パン作りにおいては食塩は重要なもので、全体がしっかり締まって、弾力がありダレない。 食塩を入れないと、発酵させている間に生地がダレてベタベタした仕上がりになってしまう。 食塩の量が多すぎると、パン酵母(イースト)の発酵が抑えられ、生地が膨らまなくなることもある。 サラダ油などの液状油はグルテンの無理な結合を減らしたり、グルテンと他の成分との接触をなめらかにしたりする役割がある。液状油を加えた生地は、生地全体が非常に軟らかくなり、薄く伸ばしやすい。 また、レモン汁や酢などはグルテニンとグリアジンを溶けやすくし、グルテンがやわらくなり生地が伸びやすくなる。 アルコールなどもグリアジンを溶けやすくし、グルテンを柔らかくする作用がある。