
ココアパウダー
カテゴリ:チョコレート

ココアパウダーは、カカオマスからココアバターを取り除いた「ココアケーキ」をアルカリ処理で酸性から中性に変化させ、細かく砕いて粉末にしたものである。砂糖を入れていないものをピュアーココア、純ココアといい、砂糖や乳製品を入れて調整したものを調整ココアという。
作られ方
ココアパウダーを取り出す方法としては、「ブロマプロセス」と「ダッチプロセス」の2種類の方法がある。ブロマプロセス
コアパウダーは赤みを帯びた色をしていて、苦みや酸味が強く感じる。香りも強く、カカオ成分も多く含まれているため、脂肪分や糖分の多いチョコレートブラウニーなどに適している。ダッチプロセス
ダッチプロセスで作られたココアパウダーはブロマプロセスに比べてチョコレート色に近く、風味も香りも穏やかで滑らか。アイスクリームやホットチョコレート、焼き菓子などに適している。性質と注意点
ココアパウダーは脂肪分が含まれているため、お湯に入れても分離して溶けず、だまになりやすい。液体にココアパウダーを溶かすには、まずは少量をココアパウダーに入れて、水分が絡み合うようペースト状になるまで練ってから残りを加えると綺麗に溶ける。ブラックココア(パウダー)
ブラックココアパウダーは、色付けを目的として使うものである。一般のココアパウダーは生地に練りこむと茶色く焼きあがるが、ブラックココアパウダーは黒く焼きあがる。また、アイシングに混ぜて黒い色を付けることもできる。ココアパウダーを製造する際のアルカリ処理後、さらにアルカリ処理を重ねることでブラックココアになるが、カカオの風味はほとんど失われる。そのため。ブラックココアパウダーはココアパウダーよりも苦みが強く、単体で使うのには向かない。ココアパウダーと混ぜて使用するのが適切だが、より黒く仕上げるのか、ココアの風味を出すどれくらいだすのか、などという点で使い分けが必要である。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月07日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• チョコレートの種類
※本ページ記載の各管理温度については、一般的とされているもの。 メーカーや品種によって若干異なる場合があるため、パッケージを確認の上、調温を行う。 スイートチョコレート スイートチョコレートは製菓に使う一般的なチョコレートで、カカオマスが40~60%のものをいう。 ビターチョコレートやダークチョコレートはミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが50%以上のチョコレートのことをいい、色が濃く、甘みがなく苦い。 ビターチョコレートとダークチョコレートは同じものを指すが、日本の製菓業界では一般にダークチョコレートということが多い。 成分としてはカカオ分が55~80%くらいのもので、カカオマス、カカオバター、砂糖が入っており、乳成分は入っていない。カカオ分が多くなればなるほど苦味は増す。 溶解温度は50~55℃、冷却温度は27~29℃、保温温度31~32℃である。 ミルクチョコレート スイート・ビターチョコレートに対し、乳成分を含んだチョコレートをミルクチョコレートという。マイルドな味わいで、苦味は弱く、カカオ分は少なめである。 成分としてはカカオ分が31~38%くらいのもので、カカオマス、カカオバター、砂糖が入っており、乳成分や粉乳が入っているものを指す。乳成分が入る分、カカオ分の割合は少ない。 溶解温度は45~50℃、冷却温度は26~28℃、保温温度29~30℃である。 ホワイトチョコレート ホワイトチョコレートはカカオマスが入らないため、チョコレートそのものの色が白い。そのため、乳成分が多く含まれており、苦味がほとんどない。 成分としてはカカオマスは0%だが、30%前後のカカオバターと砂糖に加え、乳成分や粉乳が入っている。カカオ本来の風味はほとんどない。 他のチョコレートに加え油脂分が多く、温度に影響されやすいため、テンパリングはより慎重に行う。 溶解温度は40~45℃、冷却温度は26~27℃、保温温度28~29℃である。 ブロンドチョコレート ブロンドチョコレートはヴァローナ社が開発したチョコレートで、ブラック・ミルク・ホワイトチョコレートに次ぐ第4のチョコレートと呼ばれている。名前通り、色がブロンドのキャラメル色をしている。焙炉(ほいろ)に入れたまま時間が経ってしまったホワイトチョコレートが、焦げてブロンズ色になったことが、開発のきっかけとなったそう。ホワイトチョコレートをキャラメリゼすることで生まれたチョコレートである。 有塩バターを加えて作られているため、ビスケットやキャラメルに似た風味の、塩気が感じられる味わい。 ルビーチョコレート ルビーチョコレートはカレボー社が開発したチョコレートで、ルビーカカオ豆から作られたチョコレートである。ルビーチョコレートが開発されるまでは、赤い色のチョコレートといえば、着色料かフルーツフレーバーが使用されていたため、素材そのものから天然のルビー色にが生まれる、という点で注目された。 ルビーチョコレートが第4のチョコレートと呼ばれることもある。 味はフルーティーで、かすかに酸味が感じられるベリー系の味わいとも表現される。
• チョコレートの特性・構造
チョコレートは、カカオマスや砂糖、粉乳、油脂であるカカオバターなどを撹拌して製造されるもの。チョコレートの口どけを実現させるために、これらの原材料の粒子を大きさを微粒子化して、均等に分散させて親和性を出す必要がある。そのため、原料チョコレートの製造工程であるカカオマスの微粉砕や精練作業、そしてツヤをだすためのテンパリング(調温)などの、チョコレートならではの工程精度が重要となってくる。 チョコレートと水 器具に水分が残っていたり湯煎の水が入ってしまったりすると、チョコレートはぼろぼろに固まって、どれだけ熱を入れても溶けなくなる。これは、水がチョコレート中のカカオバターの油脂と反発するため。カカオバターと反発した水は吸水性の高い砂糖に吸収されて強く結び付けられ、粘度が生まれてかたまりになってしまう。→分離 適正管理温度 チョコレートを扱う作業をする際は、室温が約18〜23℃、湿度は約45〜55%が適正な環境である。湿度が高くなるとチョコレートは固まるのに時間がかかり、テンパリングを行ってもツヤよく仕上がらなくなる。 保管場所の適正は、温度約15〜18℃、湿度約45〜55%。冷蔵庫で保管すると湿気を吸ったり、ブルームが出たりして品質が低下してしまうことがある。 チョコレートの溶かし方 チョコレートは高温で加熱すると分離してしまうため、直火ではなく湯煎で加熱する。構造的に粘度が高いチョコレートは、鍋に入れてそのまま溶かしてしまうと局所的に温度が上がり、すぐに焦げてしまう。 高い熱を入れると結晶構造が崩壊し、油脂であるカカオバターと水溶成分が分離を起こす。また、高い温度の湯煎で一気にチョコレートを溶かした場合も同じ現象が起きやすくなるため、ゆっくりと加熱した方が、良い状態を保つことができる。 一般的にミルク・ホワイトチョコレートはスイートチョコレートよりも低い温度で溶かす。 溶解温度は、各チョコレートの油脂分の量や種類によって異なる。ミルク・ホワイトチョコレートを高い温度で溶かした場合、乳成分が高まりもろもろとした状態になってしまうことがある。 製品やメーカーごとによっても違ってくるため、製品パッケージに溶解温度や冷却温度の記載があるものは、記載に沿って調温を行う。 →チョコレートの種類 チョコレートの結晶化とテンパリング 湯煎などで一度溶かしたチョコレートは、そのまま固めようとしても、元のような光沢にはならない。これはもともとあったチョコレートの原料微粒子の結晶構造が、温度をあげて溶かしたことによって崩れてしまったため。再びツヤを出すためには、テンパリングを行って結晶構造を整える必要がある。テンパリングを行わないと、うまく固まらなかったり、光沢が出ずに表面に成分が浮き出て食感が悪くなる。 ブルーム チョコレートを適切な温度で扱わなかった場合、表面が白っぽい粉やまだら模様が浮き出てくることがある。この現象をブルームと呼ぶ。ブルームにはファットブルームとシュガーブルームの二種類がある。 チョコレートの乳化 溶かしたチョコレートに生クリームを加えて混ぜると、乳化が起こり、分離せずに混ざる。これはチョコレートに含まれている乳化剤(レシチンなど)が生クリームに含まれる乳脂肪球を覆い、チョコレートの油分と直接触れずに成分が均一に分散したまま混ざるため。