
クレーム・ディプロマット
カテゴリ:クリーム
クレーム・パティシエールとクレーム・シャンティイを合わせたもの。
英語発音の(diplomat)とフランス語の(diplomate)の発音による表記ゆれで、厳密にはディプロマートと表記されることも多い。
クレーム・レジェール【仏:crème légère】とも呼ばれる。
ゼラチンが入ったものをパティシエール、入っていないものをレジェールと呼んだり、カスタードと生クリーを混ぜ合わせたものの総称をレジェールと呼んだりする場合があるが、どれも確定的な定義はない。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年11月15日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年11月15日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• 全卵
製菓、製パンで使う卵には一般的に白玉、赤玉、薄赤玉、特殊卵といったものがある。 鶏の飼育地や飼料によって卵の色や成分は変わり、使う人の考えによって使い分けることもある。 特殊卵などではビタミンを強化した物、海藻を混ぜたものなど健康を意識して卵を選んだり、それを売りとすることも多い。シンプルな材料ながら風味や色、栄養素がそれぞれ違った、様々な卵がある。 製菓材料として使われている卵に加工卵という物もある。 卵割後に殺菌したもので大量生産の工場などでよく使われている。 凍結卵という物もあるが、生卵を冷凍することは出来ない。 凍結卵は20%前後の砂糖を加糖した物が多く、賞味期限が長い点など使い勝手もいいが、砂糖の配合を調整して使う必要がある。 →卵黄・卵白の性質 卵の規格サイズ 卵の規格は農林水産省で定めたものがあり、下記の重量で表されます。 LL 70g以上76g未満 L 64g以上70g未満 M 58g以上64g未満 MS 52g以上58g未満 S 46g以上52g未満 SS 40g以上46g未満 構造 卵は、卵殻・卵殻膜(カラの内側にあるうす皮)、卵白、卵黄からなっており、基本的にその割合は1 対6対3となっている。 卵殻 卵殻は「カラ」と呼ばれている部分でたまごの内部を守る働きがあり、成分のほとんどが炭酸カルシウムで出来ている。 カラ気孔と呼ばれている小さな穴がたくさんあり、その気孔で「胚」(ひよこになる部分)の呼吸に必要な酸素を取り入れ、内部で発生した炭酸ガスを排泄し、ガス交換を行っている。 そのため、卵は20度前後の室温で2~3週間は保存が出来るが、殻にひびが入ったりすると必要以上の酸酸素が入り、そこから腐敗がはじまる。 基本的に白い羽毛の鶏が白い卵は産み、羽毛も茶褐色の鶏が赤い卵を産む。 一般的に白玉は安定した価格と品質の提供が求められるため、衛生管理が行き届いた大規模な養鶏場で飼育されることが多い。 逆に自然に近い状態で鶏を平飼いをし、飼料や環境にこだわった卵などは栄養価が高い赤玉になることが多い。 卵の鮮度 新鮮な卵は クチクラ という物で覆われているので表面がざらざらしている。 これが新鮮な卵か見分ける一つのポイントだったが、最近では市販されている卵の多くが洗浄されてから出荷されているため、卵の表面で鮮度を判断することは難しくなってきている。 卵は見た目だけでなく、割ってみて鮮度を確認することができる。新鮮な卵は黄身も白身も盛り上がっている。これが2~3週間ほどたってくると白身の盛り上がりがなくなり、黄身の盛り上がりも小さくなる。さらに古くなると黄身も白身も盛り上がりがなくなり、黄身も白身も平たく広がってしまう。黄身が割れやすいため、古い卵を割卵して卵白だけ使う場合は注意が必要である。 また、新鮮な卵は炭酸ガスにより卵白に濁りが生じる。炭酸ガスは殻の気孔を通じて徐々に抜けていき、それに伴って卵白の透明化が進行していく。新鮮な卵をゆで卵にすると殻が剥きにくい事があるが、これは炭酸ガスが抜けていない卵で殻と身に隙間がないため。 卵の性質 熱変性 卵の主な成分であるたんぱく質は、熱を加えると固まるという性質がある。 卵白と卵黄では、含まれているたんぱく質の性質が違うため、凝固し始める温度にも差がある。卵白の方が低い58度から凝固し始めるが、完全に固める温度は80度まで上げる必要がある。 それに比べ卵黄は固まり始めの温度は白身より高く、65度前後で固まり始め、65~70度を維持すると完全に固めることができる。 乳化性 乳化作用とは油と水を繋がる働きの事。卵黄にはレシチンが多く含まれていて、レシチンは水溶性と脂溶性という反発する2つの性質を繋げてくれる働きがある。新しい黄身ほど多くのレシチンが含まれているので、この性質を調理に利用する場合にはより新しいものを使う。 起泡性 卵には卵白の持つ表面張力、空気変性などの作用により、泡立てるとどんどん空気を抱え込む性質がある。 メレンゲを作る際、砂糖を入れると泡立ちにくい強いメレンゲが出来るといわれるが、これは砂糖の働きによるもので、たんぱく質の変性を抑える働きによるものである。 表面張力も弱めると泡立ちやすくなるが、弱いというのは、水溶化した卵白の事を意味さし、新鮮な卵白もほぐすことや、キウイ、パイナップルとなどとあわせ、これらのフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素の働きで水溶化させたり、あとは日にちが経った卵白を使うなど、水溶化した卵白を使うケースが多い。
• 生クリーム
牛乳のみを主原料とし、乳脂肪18%以上、無添加で衛生基準を満たしたものを「クリーム」という。 「クリーム」は生クリームの法規上の正式な名称。牛乳の中にある乳脂肪は脂肪球という粒の形をしており、それを遠心分離により濃縮した物。 用途に合わせて色々な種類のものが開発されている。業務用は牛乳と同じ1リットル入りの紙パックの物が多い。 やや黄色みを帯びた白色で、風味、口溶けに優れている。乳脂肪が多いクリームほど黄色っぽい。この色みは乳牛の食べる牧草由来のカロテノイド色素によるものである。 「クリーム」に乳化剤と安定剤を入れた物も生クリームと呼ばれることもある。 乳脂肪と安定剤は味に影響しない。生乳のみを原料としているものより賞味期限が長く、分離しにくくて保形性も高いので扱いやすい。 乳脂肪量 乳脂肪分20〜30%の物はコーヒーに加えるために作られたもの。 コーヒーの苦味を抑えてマイルドな味わいにする。 コーヒー本来の風味や旨みを邪魔しない、低脂肪のクリームが好まれる。 35%の乳脂肪分がなければ、泡立てることができない。 一般的に35〜38%の低脂肪の物と、40〜45%の高脂肪の物とを製品に合わせて使い分けたり、混ぜて使ったりすることが多い。 →乳脂肪と植物性脂肪 製菓においての生クリームの重要性 生クリームが使われるケーキと言えば代表的なのは苺のショートケーキ。 老若男女から根強い人気があり、今でも多くの店で売れ筋のケーキになっている。 このケーキに大量に使われる生クリームが店のイメージを決めると言っても過言ではない。 生クリームの味はメーカーや種類によってかなり違いがあり、生クリームの選び方がお店の味の個性になるともいえる。