
ガレット・ドラーンジュ
カテゴリ:パイ生地の菓子
ガレット・ドラーンジュとはパート・サブレを型を使わずに手で成形して作る、オレンジのタルト風菓子を指す。
土台の生地の外周に棒状にした生地で壁を作り、手でつまむように成形し、中にオレンジマーマレード・オレンジピール・アパレイユを敷いて焼き上げる。
「ドラーンジュ」はフランス語で「オレンジ」の意味であるため、ガレット・ドラーンジュは「オレンジのガレット」と呼ばれることもある。
ガレット・ドラーンジュに用いるパート・サブレは糖分より脂肪分(バター)の割合が多いタルト生地である。
そのため、歯ざわりが軽く、口の中でほろほろと崩れる脆さが特徴にあげられる。
ガレットの種類
『ガレット』と聞けば、クレープの原型であるそば粉の生地を焼き、卵や野菜を包んで正方形に折りたたんだ料理を想定する方もいるだろう。しかし、ガレットは本来『円形に平たく焼いたもの』という意味であるため、料理と菓子の両方で使われる言葉である。
『ガレット』の名がつく菓子として、ガレット・ドラーンジュのほか、ガレット・デ・ロワ、ガレット・ブルタルーがある。
歴史
ガレット・ドラーンジュの土台に用いるパート・サブレの、「サブレ」の名前の由来には次の3つの説がある。1.サブレが作られたのが、フランスのサブレ=シュル=サルトであるからという説
2.17世紀、サロンを開いていたサブレ公爵夫人が、バターをたっぷり使ったガトーセックを出したことが始まりであるからという説
3.フランス語で「Sable(サーブル)」は砂を意味し、砂が崩れるような食感から名づけられたという説
また、ビスケット生地やパイ生地で作った器に詰め物をした菓子や料理の総称が「タルト」であり、ガレット・ドラーンジュもタルトの一種である。
タルトは、誕生から長い期間、手で食事をしていた人類が、はちみつやクリームといった液状のものを食べられる器に入れることで食べやすくするという発想から生まれた。
この発想は古代ギリシャ、古代エジプト時代には既にあったともいわれるほど、長い歴史を持つものである。
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
更新日:2018年12月11日
作成日:2018年09月12日
パティシエWikiは現場で働くパティシエのみなさんの協力のもと制作されています。
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関係項目
• パート・サブレ
パート・サブレ【仏:pâte sablée】 サクサクとした食感が特徴の生地。 手順 1.ボールにバターを入れる。 2.砂糖を入れすり混ぜる。 3.白っぽくなったら、卵を入れて混ぜる。 4.ふるった粉を一度に入れ、さっくり混ぜる。 5.ひとまとめにして、ビニールに包んで一晩冷蔵庫で休ませる。 ポイント 材料は常温に戻しておく。 卵を入れるときは分離させないよう、何回かに分けて入れ混ぜる。 一気に卵を加えると卵の水分とバターが反発してうまく繋がりにくくなる。 粉を入れた後は、練りすぎないよう気をつける。 水分が少ない配合で生地のつながりが弱いため、めん棒でのばす際は生地が割れないように気をつける。
• フイユタージュ
フイユタージュ【仏:feuilletage】 フイユタージュとは、グルテンを形成したデトランプでバターをたたみながら折り込んで層を作った折り込みパイ生地のことである。 フイユとは紙片や木の葉を意味し、バターとデトランプでできた何重もの層でできている生地の見た目や状態が表されている。 デトランプとは 小麦粉に水と塩を加えて混ぜ合わせ、ひとまとめた、フイユタージュを作るにあったってバターを折り込むベースとなる生地である。 手順 1. 合わせてふるった薄力粉と強力粉をボウルに入れ、バターをちぎって入れる。 このバターは、でトランプの粘りや弾力(グルテン)を弱め、仕上がりの口どけをよくする役割がある。 2. バターと粉がなじんだら、塩をとかした冷水を生地の表面全体に振り入れてさっくりと混ぜ合わせる。 3. ぼろぼろの状態になったら作業台に取り出す。この時点で水分が全体になじんでいれば、まとまっていなくても問題はない。固さは耳たぶより少し固いくらいの状態に調整する。 4. この生地を練ってひとつのかたまりにまとめ、表面に十字の切り込みを入れてビニールに入れ、冷所で1時間ほど休ませる。 十字を入れることで、折り込み作業を行う際に角を外側に押し広げることで四角い状態で伸ばしはじめ、手早く作業を進めることができる。 低い温度で冷やしすぎると逆にグルテンが弱まらないため注意する。 フイユタージュの代表的な製法 フイユタージュ・アンヴェルセ フイユタージュ・オルディネール フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット